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【離婚と不動産売却】離婚が原因となる夫婦共有名義不動産の売却や、
夫婦で住んでいた住宅ローンの残るマイホーム売却の大きな障壁と、その解決法!

更新日2021-04-19 (月) 15:00:17 公開日2018年11月24日

結婚したとき共有名義で買った自宅!
離婚が決まり売却することになった...
共有名義の自宅を売るときの問題や注意することは!?

共有名義

今、夫婦が共有で購入したマイホームなどの不動産は、離婚の際に大きなトラブルの原因となってしまいます。
ましてや住宅ローンの残る共有持分の不動産売却となると、財産分与の問題も絡むため、なかなか解決しない事案でもあります。

実は、yuikaには毎日多くの離婚のご相談が来ますが、そのご相談のうち最も多いのが財産分与と、住宅ローンの返済が残るマイホームなどの不動産売却の相談なのです。

ここでは離婚するとき、住宅ローン残が有る共有名義のマイホームなどの不動産をどうするのか? 戸建てやマンション売却をするときの共有名義・共有財産の問題点と注意点、離婚にまつわるよくあるトラブルの解決策について解説します。

★目 次★【【離婚】マイホームなど、共有名義の不動産売却時の住宅ローンなどの問題点と注意点!】


離婚時の不動産売却を【動画】でご案内


夫婦共有名義で不動産を所有するメリットと、離婚と住宅ローン返済の現実、
デメリットとなる離婚時の不動産売却の現実

マイホームなど共有名義の不動産売却は、決してスムーズには進みません。
結婚する時やマイホームを買う時は、仲が良かった夫婦でも、離婚などでお互いの関係がおもわしくなくなると、住宅ローン問題も出てきたりで不動産の売却が複雑、難解になります。

結婚するとき、自分たちの家を持ちたいと夢見る人は少なくありません。
家を購入できたときは喜びでいっぱいでしょう。
だからこそ、家の権利関係まで細かく把握していないというケースがほとんどなのです。

中には、その家の名義が共有なのか、夫または妻のどちらかの単独名義なのか、それもわからないという方もいらっしゃいます。
ちなみに家の名義は、地域の法務局で「不動産の登記簿謄本(現在事項証明書)」を取得することで確認できますので、夫婦共有名義か、単独名義かわからないときは事前に確認されることをおすすめします。

高度成長時代は、夫が働いて妻は専業主婦というケースがほとんどで自宅の名義も夫の単独名義が普通でした。

しかし、女性の社会進出に伴い、だんだん共働きが多くなってきたこともあり、夫と妻の「共有名義」で自宅を購入するケースが増えてきました。

✿不動産の夫婦共有名義とは
夫婦がそれぞれが資金(現金)を出しあったり、住宅ローン借入をして土地や一戸建て、マンションなど不動産を共有で購入し所有したときの名義を言います。

マイホーム

マイホームを共有名義所有にする理由・メリット

まずはマイホームなどの不動産をなぜ夫婦共有名義にするのか?という背景を知らなければ、離婚時の不動産売却時の問題点は解決できないでしょう。
実に様々な理由から、夫婦共有名義の不動産は生まれています。その理由にして最強なのはやはりメリットが大きいからなのですが、しかし、このメリットが離婚時の不動産売却に大きな障壁ともなります。

共有名義にする理由(メリット)

①夫婦の収入の合算で、1人より多額のローンが組め良質なマイホームが買える。ただこの場合は夫婦共有名義になる

②共有名義で、住宅ローンを組む為、住宅ローン控除を2重に受けられる

✿住宅ローン控除とは
住宅購入価格の一定割合を所得税から税額控除できる制度です。
(年末の住宅ローン残高の1%が税控除となる)
共有名義の場合、夫と妻の両名が利用できます。

③住宅を売却するときの3,000万円の特別控除」を2重に受けられる

✿3,000万円の特別控除とは
売却した時の譲渡益(利益)が出た場合、3,000万円分控除できる制度です。
共有名義の場合、夫と妻の両名が控除できるため、あわせて6,000万円分の控除となります。

日本政府は経済対策の為、マイホーム取得にさまざまな減税政策を行っているのです。
その恩恵の住宅ローン減税などを最大に受けようと、夫婦が共同で住宅ローンを借りる場合も有り、このことが後々離婚時に大きな障壁になっています。

先日、私の娘が結婚しましたが、早々に夫の両親からマイホームを買ったどうかと勧められたと言います。私は不動産売買の専門家ですから、すぐさま娘に夫婦共有名義で買うのだけは止めなさいとアドバイスしましたが、それはやはりどうしても後々の事を考えての故なのです。
離婚など考えてマイホーム購入する夫婦などいません。マイホーム購入は夢実現の一歩と言う場合だっているでしょう。
ただ、マイホームを買うならもっと現実を見てしっかりしたプランの元買うべきなのです。
結婚したからマイホーム購入、それも共有名義で。などもっての外。
それほど離婚時の不動産売却は泥沼化し、困難を極めるのですから。

離婚の現実を知ろう!

女性の社会進出が増えてきたことにも関連して、離婚の増加率も高くなっています。
今や3組に1組が離婚(厚生労働省統計)する時代になっています。

社会問題化している離婚問題。その問題を大きくしているのが財産分与に有ります。

離婚となれば、とうぜん財産分与の話になります。
そこで問題となってくるのが、自宅など、共有名義所有の不動産なのです。

離婚

離婚と財産分与

離婚と財産分与は切っても切り離せません。
また財産分与では必ずマイホームの処遇が大問題になります。財産分与をいい加減に考え進め、マイホームを共有名義にしたままや、住宅ローン返済問題を対処せず夫婦どちらかがそのまま住まう場合も有りますが、この場合必ず数年経ずにもう一度揉める原因となります。

離婚時こそマイホームをどうするか?財産分与とともの売却までもしっかり専門家を交え考える必要が有るのです!
ゆえにまずは、離婚時における財産分与の基本的な考え方を押さえておきましょう。

なお財産分与については、大きな課題になりますから別ページで詳細解説しています。
☛ 離婚のときに考える財産分与について

財産分与とは

ここでは財産分与について簡単に解説しておきます。
『離婚の際には、相手方に対し財産の分与を請求ができる(民法768条1項)』と法律で定められています。
要は、財産分与は婚姻中に夫婦が協力して築き上げた共有財産を、離婚時にそれぞれの貢献度に応じて分配しましょうねという事です。

一般的な目安として、共働きであれば5割、夫がサラリーマンで妻は専業主婦という場合であれば、3割から5割程度として、話し合いで決めます。

この法律の考え方として「妻が専業主婦だったとしても、夫に対する貢献があっての財産です」という意味で、公平なる分与が妥当であると定められています。

投資用不動産の夫婦共有名義

この記事では、離婚にともなう共有名義の共有財産である自宅売却についてご案内しておりますが、もし、投資用不動産を所有していたら共有財産になるのでしょうか?というご質問をたまに受けます。

投資用不動産(アパート賃貸経営など)が共有財産と考えられるのは次の通りです。

■婚姻中に給与により取得
婚姻中の夫の給与などで不動産投資(妻が専業主婦の場合も含む)

■夫婦共有名義でローン借入
夫婦共有名義で投資用不動産のローン借入

■夫婦どちらか一人の名義でローン借入
夫または妻の単独名義でローンを組んでいるが夫婦双方がローンの返済をしている

これらの不動産投資は「夫婦双方の寄与により形成維持してきた共有財産」といえるため、財産分与の対象になると考えられます。

その他、財産分与の対象となるもの

・婚姻後の現金・預貯金(名義人は夫でも妻でも可)
・有価証券、投資信託
・土地・建物などの不動産
・家具・電化製品
・自動車
・骨董品、美術品、宝石、着物など高価なもの
・ゴルフ会員権など
・退職金
・年金
・負債(住宅ローン・子どもの教育ローンなど)
・保険(自動車保険・生命保険・損害保険・学資保険など)

保険は、生命保険と損害保険に区分されます(一般的には貯蓄性を備える生命保険が財産分与の対象)
生命保険の財産分与については、保険会社への依頼で解約時の返戻予定金がわかりますので、試算結果をもとに財産分与の話し合いが可能です。

投資も含み、財産分与は何が対象なのか、どうやって分与するのかなど、それぞれ具体的な判断や手続きが必要となりますので、当事者同士で決めるのではなく、弁護士などの専門家に相談された方が良い場合もあります。

財産分与とマイホーム

話しを戻します。
共有名義の共有財産であるマイホームなど不動産も当然、財産分与の対象になります。
ただ、このマイホームが財産分与時、最も夫婦間で揉めることになるのです。
それは、現金などのようにスパッと分配することが出来ず、住宅ローンまで残っているケースがとても多いと言う現状が有るからなのです。

また、これが最も揉める原因なのですが、売却して現金にしようとしても子供達の住まいとなっていて、生活を変えたくないという理由から売るに売れないとなるのです。

財産分与は、次の3つに分けられ、慰謝料とは違う物です!
清算的財産分与【結婚期間中に夫婦が協力して築いた財産(預貯金や不動産・有価証券など)の清算的な財産分与】
扶養的財産分与【一方から他方の扶養を目的とした生活保障的な意味合いの財産分与】
慰謝料的財産分与【慰謝料の意味合いの財産分与】
そのため、離婚において慰謝料を請求できるときは、マイホームを売却してお金を財産分与でもらったとしても、その財産分与に十分な慰謝料が含まれていないときは別に慰謝料が請求できます。


豆知識離婚して財産をもらったら贈与税はかかる⁉

離婚により相手方から財産をもらった場合、基本的には贈与税がかかることはありません。
これは、相手方から贈与を受けたものではなく、上記で解説したように夫婦の財産関係の清算や、離婚後の生活保障的なもの、または慰謝料的なものとしての財産分与請求権に基づき給付されたものと考えられるからです。
ただ、財産分与額が多すぎる場合は贈与税がかかる場合も有ります。
詳しくは国税庁HPで確認してください。
☛ 国税庁HP【離婚して財産をもらったとき】を参照


住宅ローンがマイホーム売却の支障に!

実は、財産分与には特段にルールは無く、基本的に話し合いで決めるケースが多いのです。
話し合いで決め、もし決まらなかったら家庭裁判所の審判を取る場合も有りますが、多くの場合は協議離婚か離婚調停で話し合いにより決められています。

マイホームの財産分与を、この話し合いにより決める場合は『売却処分して残代金を分割』『分与価値相当での買取』の2つの方法を用いていますが、やはりなかなか決めきれないのが現実です。
そのため話し合いがまとまらず、勢いマイホームには手を付けず、奥様と子供が住んだままにしてしまうケースが後を絶ちません。

離婚

ただ、先にも言及しましたが、財産分与をいい加減に考え進め、マイホームを共有名義にしたまま、住宅ローン返済問題も対処解決しないまま住まう場合は、必ず数年経ずに住宅ローンの返済が滞り競売になる方が多く、もう一度必ず揉める原因となり、その時に売却して解決しようとしても、後の祭りとなる事が多いので辞めておいた方が良いのです。

ゆえに、不動産は、特にマイホームは「売却」がいちばん良い方法なのです。
売却した場合は、売却した代金を持分の割合で分けることになります。

ただ、共有名義の不動産売却は、売却しようにも売却不可能になるケースや、夫婦間のトラブル発生が多々あるので気を付けましょう。

離婚する夫婦間での不動産売買

通常、夫婦が離婚する場合、結婚後互いに培ってきた財産の分配が問題となり、夫婦で住んでいたマイホームは第三者へ売却し清算する方が多いのですが、マイホームを配偶者(夫から妻へ又は妻義から夫へ)へ渡したい(名義変更したい)」という方もよくおられます。

離婚時に第三者へ売却する前に、まずは、離婚する夫婦間で売買する手法も有り、yuikaでは多くのご相談に乘っていて、また多くの夫婦間売買実績も有ります。
ゆえに、別ページ詳しく解説していますから、そちらを参照いただければと存じます。

☛ 離婚による【夫婦間の不動産売買・不動産譲渡】の対策と注意点

いったん投資家等へ売った後、再びリースバックで住み続けることも可能

夫婦間の不動産売買は、実は特に難しい売買です。
しかし、そんな夫婦間の不動産売買時でも、どうしても住み慣れたマイホームから引っ越したくないという方はおられます。
この時の解決策として考えていただきたい方法がリースバックと言う方法です。
この方法は、一旦、第三者(投資家)にマイホームを売却して、引越したくないご家族はそのまま家賃を払って住み続けることが可能で、最近クロースアップされつつあります。
リースバックの利用を検討するケースにはいろいろ考えられますが、中でも離婚を決められた方のご利用が最近特に増えているのです。
リースバックについては、yuika正会員の不動産会社コーラル㈱がそのシステム詳細を解説していますので、詳細ページでご確認頂ければと存じます。

☛ 住み続けるためのリースバック

【本題】既婚時の不動産売却の5つの問題点と解決法

所有者(登記名義人)同意の問題

もし、不動産が夫名義だけの所有であれば、夫だけの意思表示で売却可能です。売却した後に財産分与する事になるでしよう。これは妻名義でも同様です。

ただ当然ですが、夫婦共有名義のマイホームなどの不動産は、お互いが共有者(不動産の所有者)となり、夫または妻だけのものではありません。

問題点のひとつは、共有名義の自宅売却は、共有持分の比率は関係なく、名義人全員(夫と妻)の許諾(承諾)が必要になるということです。

たとえば、夫は「家を売却して得たお金を財産分与として分けたい」と思っていても、妻は「その家に住み続けたい」と主張する場合、妻の同意が得られませんので売却は不可能です、

また、夫が行方不明で、連絡がつかないという場合も、行方不明の夫の同意が得られませんので売却は前に進みません。

このように、離婚により、関係性が悪化しているときの売却が多いため、お互いの意見が分かれ、かなり難しいケースになる可能性があります。

第三者へ協議調整依頼するための費用問題

妻は売却をしたいと考えているけど、どうしても、夫の同意が難しく売却できないという場合の解決策として、弁護士や司法書士など第三者を間に入れて、その管理の下で売却を進めるという方法があります。

弁護士や司法書士が間に入り、夫から、売却する旨の委任状に署名・捺印をいただいて承諾をとります。
最終的には、所有権移転まで進行します。

離婚という険悪な状態では、この第三者調整管理方法でもマイホームの売却は必ずうまくいくとは限りません。
ただ、自身で全て調整するより、これら第三者の専門家を介入させて前に進める方が、費用はかかりますが温度差を調整しながら前に進めるやり方が懸命だと思います。

共有名義の持分をどちらかに譲渡する場合の問題

これも改善策のひとつですが、たとえば第三者に売却する前に妻の持分を夫に譲渡します。
一度、夫の単独名義にしたあと、売却すると言う方法です。
先に解説した夫婦間売買もこの方法の一種ですが、夫婦間売買じゃなくても夫婦間での贈与と言う手も有ります。
この場合、窓口が一本化されて、スムーズな売却につながるケースがあります。

ただし、注意点があります。
通常、マイホームを買うときは多くの人が住宅ローンを利用されます。
離婚する夫婦でも、結婚当初共有名義で家を買ったとき「連帯して債務を引き受けます(連帯債務者)」や「連帯保証人」というケースになっているはずです。

仮に、借りた住宅ローンの返済がまだ残っている状態で、妻の持分を夫に譲渡して、夫が住宅ローンを返済するようになった場合、その後、何も問題なければ良いのですが、万が一、夫が返済を遅延・滞納したときには、妻から夫へ所有権が全て移転していても、妻にも支払いの責任が及ぶことになります。

また、仮にこの夫婦どちらかの間に纏めようと考え、住宅ローン借入先銀行へ、住宅ローンを全部夫か妻に一本化したいと相談したところで、まず金融機関は認めません。

住宅ローン支払責任

夫と妻の両名が共有名義不動産の売却に同意しても、準備できない物が有る場合

売却するために必要となるもの

・夫と妻の印鑑証明
・夫と妻の実印
・夫と妻の各種契約書(売買契約書・重要書類説明書など)の直筆のサイン

すべて準備できない場合売却は不可能です。

売却までのスケジュール

「売買契約書の締結日」「引渡し・決済日」には、共有者(共有名義)全員の立ち合いが必要になります。

ただし、離婚が原因での自宅売却はその理由から売れにくい可能性も…有ります。

離婚

売却価格で住宅ローンが完済できない問題

マイホーム購入時に、ほとんどの人が金融機関で住宅ローン利用をしています。今のような低金利だと利用しなきゃ損なので良く分かりますが、しかし、離婚が原因で売却したいとき「住宅ローンが残っていても、マイホームを売却ができるの?」と誰もが疑問に思うかもしれません。

結論を言うと、夫と妻が同意の上でマイホーム売却を決めた場合、住宅ローン残債以上の価格で、しかも売却時諸費用も捻出できる価格で売却可能なアンダーローンのケースは、住宅ローンを全額返済できますので一般的な売却方法で問題ありません。

ケース①【アンダーローン】
 マイホーム譲渡額-譲渡時に掛かった諸費用 ≧ 住宅ローンの残高 の場合


しかし、ローン残債より低い価格でしか売却できないオーバーローンのケースは、預貯金などで不足分に充当し返済しなければ売却できなくなります。

ケース②【オーバーローン】
譲渡金額-譲渡時に掛かった諸費用 < 住宅ローンの残高 の場合

このときの注意点は、譲渡額が不動産業者の査定額より低くなるケースが販売開始後に出てくる事です。
自分の希望価格や不動産業者の査定額でマイホームのが買い手がいれば良いのですが、実際には売り出してみないとわかりません。
売りたい金額や、査定価格よりも低い金額で売買契約せざるを得ないケースもあるので、そのようなケースも想定して、実際売れる金額が低くなった場合の対策も考えての売却活動がどうしても必要です。

オーバーローンの場合では、差額を現金で補填する以外に全く手立てがないわけではなく、フリーローンに変更して月々決まった額を返済する、それも無理な時は後に解説する任意売却という手段もあるにはあります。

また、今では「売買後の残債も含めて融資してくれる『買い替え(住み替え)ローン』といったものもあり、この住宅ローンを利用できれば差額をうめることが可能となり、預貯金がなくても買い替えはできます。

離婚時でも借入予定者本人が金融機関の借入条件にパスできれば良いので、借りられるかどうかは銀行等金融機関の審査にもよりますが、すべての方が利用できるわけではありません。

それ以外の方法としては、金融機関によっては売買後のローンの残金完済を条件に売却が出来る(=任意売却)など、譲渡後の月々の返済の組み換えをして無理のない完済を認めてくれるところもありますので、まずは相談が必要となります。

金融機関は、原則としてすべて返済が終わらなければ不動産の抵当権を抹消してくれません。
抵当権が抹消できなければ、マイホーム売却は不可能だという事は理解しておきましょう。

ローン残債額より高く売れそうも無く、売却時諸経費も用意できないとき、また預貯金もたりない場合で、住宅ローン残債穴埋めも出来ない時は、「任意売却」という方法を取らざるを得ないということになります。

【S18】任意売却

✿任意売却とは
不動産会社が間に入り、本来、住宅ローンを全額返済しなければ解除されない抵当権などについて金融機関と調整相談して認めてもらい、一般の流通市場で売りに出すために媒介契約を締結し、多くの不動産同様に通常の販売活動で少しでも高く売り、残債務額を多く返すために行う売却方法です。

任意売却で売却したが返済がまだ残る場合

債権者(金融機関)と債務者(夫と妻)で支払方法を相談した上で返済していくことになります。

纏めると、マイホームの現在価格を知らなければ売却する、しないの判断ができないという事です!
マイホームの現在価格を知る為には、不動産売却査定して不動産価格を出す必要が有ると言う事です。

不動産価格とは?

不動産の価格は「一物四価」「一物五価」と言われます。
政策目的等により、いろいろな価格がありますので、マイホームの価格を出すのは大変難しい問題です。

✿一物四価とは
①実勢価格
②公示地価
③固定資産税評価額
④相続税路線価
この価格が該当します。

✿一物五価とは
①実勢価格
②公示地価
③固定資産税評価額
④相続税路線価
⑤基準地標準価格(都道府県地価調査価格)
この価格が該当します。

一物四価と一物五価のどちらになるかは、基準地標準価格を公示地価の補完と考えるか、別として取り上げるかで異なります。

不動産価格の確認方法

では、具体的にはどんな方法で不動産価格は知ることが出来るのでしょうか?見てみましょう。

固定資産税額で把握できる?

不動産の固定資産税は、毎年1回、4月に納付書がきます。
所有者に対してこれだけの金額を納付してくださいという通知です。
そこに家の価格が明記されています。
固定資産税でいう家の価格は評価額です。
ただし、この評価額は、実勢価格とは異なります。
あくまで税金計算のための価額であり、国の公示地価×70%を目安に設定(7割評価)となります。
固定資産税で、両人が公平で納得できる価格が把握できるかというと難しいと思います。

相続税路線価額で把握できる?

✿相続税路線価とは
相続税や贈与税を算定する際の基準となる路線価のことです

✿路線価とは
土地がいくらなのかを調べる代表的な指標のことです。
接している道路に、1㎡あたりの価格(標準的な価格)が書いてあります。

相続税は、相続があった時の税金です。
この価格も固定資産税とおなじように時価と比べると低くなります。

そもそも、公平でお互いに納得する価格というのは市場で決まるであろう価格になりますから、「固定資産税」・「相続税路線価額」
この2つの評価は適さないと考えるのが妥当だと思います。

不動産会社の無料査定で把握できる?

不動産査定が、無料というのはとても魅力です。
無料査定は非常に使いやすいと思います。

ただし、問題点もあります。
たとえば、夫がA社に依頼した査定金額と、妻がB社に依頼した査定金額の差が非常に異なる場合があります。
不動産会社の無料査定は、複数の不動産業者に依頼し比較することが必要です。

複数不動産

また、インターネットで土地総合情報システムを利用すれば、ご自身でおおよその査定額の確認もできます。

■土地総合情報システム

土地総合情報システムログイン画面
土地総合情報システムは、国土交通省が提供している実際の取引価格情報を提供するシステムです。
不動産購入者のアンケート結果に基づいた取引価格情報、そして都道府県の地価調査情報を公表しています。
土地総合情報システム

■不動産ポータルサイト

不動産ポータルサイト

不動産ポータルサイトで確認される方が一般的には多いようです。
Athome(アットホーム)
SUUMO(スーモ)
HOME’S(ホームズ)

■一括査定サイト

一括査定

査定をしてほしい家やマンションの物件情報を、一度の登録で複数の不動産会社から査定見積りをとることができるサービス
(無料)です。
■HOME4U
■すまいValue
■リガイド
■イエウール

より正確な不動産価格を把握できる方法は?

これは、不動産売却する時に用いる一般的な方法ではないですが、不動産鑑定士による鑑定評価で確認する方法があります。
これは、離婚時によく行われている財産分与や、夫婦間売買時の不動産価格を割り出したとときに用いられているようですが、しかし、この夫婦間売買時も不動産会社の査定額で間に合う場合が殆どです。
ただ、どうしても最も公正で専門性もある価格で出したい時は、不動産鑑定士への依頼が良いでしょう。

不動産鑑定士というのは、不動産の価格に関する専門家です。
国家資格であり、提出した査定額や鑑定額は、公正性を担保しなければならないことが法律で定められています。
ただし、不動産鑑定士に依頼する場合、鑑定料などの報酬が必要になります。

離婚時に不動産売却すると決めたなら何時がいい⁉

不動産を売るためには、不動産会社へ直接売却する買取でもない限り、不動産会社の仲介による第三者への売却になります。
この場合、販売価格を決めて、売却活動をして、買主の住宅ローン承認、売買契約決済という段取りで進みますから、どんなに早くても数カ月、時期や場合によってはもっと期間が必要になります。

yuikaに離婚相談されて、その後売却ともなれば半年や1年などアッと言う間に過ぎ去るものなのです。長い方ででは何年間も掛けて売却される方もいます。
離婚もなると、いつ何が起こるかわかりません。
離婚協議当初夫婦そろって売却しようとしていても、時の経過とともにその気持ちが変化することも有るのです。
ゆえに、離婚協議と共にマイホーム売却も並行して進める方がいいでしょう。

どんなに売却が上手い不動産会社に売却を任せても、離婚時のマイホーム売却はとても慎重に素早く進めなければタイミングを失うものなのです。
また、売却についての夫婦の考え方、行動などが揃わないと、買い手が現れても、意思統一が図れず売れるものも売れなくなってしまいます。
不動産会社としても、夫婦の気持ちは調整できませんから、離婚時の不動産売却に精通した、夫婦の気持ちに寄り添った売却活動ができる腕のいい不動産会社に売却は任せるようにしたいものです。

離婚時のマイホーム売却代金の分配はいつが良い⁉

順調に売却が進み売却代金が手に入ったのなら、お金を分け合うことになりますが、そのお金を分けるのは離婚が成立してからにしましょう。

離婚前にお金を分けると、贈与とみなされて贈与税が課せられるからです。

贈与税は、財産を無償で譲り受けたときに掛けられる税金です。譲り受けた方が税金はかかります。
ゆえにマイホームを売却して、その代金を離婚前に夫婦で間違えた形で離婚前分配し、もし片方が多く貰った場合は、その貰った方にが贈与税が課税され、納税しなければいけなくなります。

贈与税の税率は最高55%にもなり、非常に高額になります。
ただし、離婚が理由の財産分与では贈与税がかからないので、離婚が成立してからの方が良いわけです。

国税庁は、「婚姻の取消し又は離婚による財産の分与によって取得した財産(財産分与)については、贈与により取得した財産とはならないのであるから留意する。(相続税法基本通達 9-8)」と考えているからです。

まずは信頼できる不動産会社への相談をおすすめします。

Q&A

離婚による共有名義の自宅は、共有者(共有名義人)である夫と妻の両名とも承諾した上での売却が、いちばん良い方法ですが、売却するにしても、しないにしても、まずは、信頼できる不動産会社に無料査定を依頼し相談されるところから始めることをおすすめします。

不動産会社では、離婚時の不動産売却について適宜なアドバイスや価格の相場、売却の流れなどを説明してくれて、またの売却活動の場面でも仲介(媒介)により少しでも高く売ってくれるため販売活動も行ってくれるでしょう。
販売を任せる方法は、信頼できる不動産屋さんに専任媒介契約で売却依頼すると親身に動いてくれるはずです。

「共有名義の自宅売却や財産分与について詳しく知りたい、どの専門家に相談すればいいかわからない」とお考えの方はぜひYUIKAへご相談ください。

YUIKAへのお問合せはこちら

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