不動産会社への査定依頼とは?

みなさんは、「不動産会社の査定価格」と聞いて、どんなことをイメージされますか?

たとえば
「不動産会社Aだったら〇〇〇〇円で売ってくれる」
「不動産会社Bだったら〇〇〇〇円で売ってくれる」
このように、各不動産会社が「弊社は〇〇〇〇円で売ります!」と言っていると勘違いされている方がいらっしゃるようです。

車などの査定は、その金額が買取り価格になります。
しかし、不動産の査定はそうではありません。

不動産の査定とは

不動産会社が、専門の知識に基づいて、そのエリアの売り出し実績(売り出し事例)、成約実績(成約事例)また、その不動産会社の過去の取り引き経験などをもとにして、「だいたいこのくらいの金額であれば売れるのではないでしょうか」という情報を売主様にお伝えすることです。

不動産の査定は、大きく分けて「机上査定」「訪問査定」「建物診断査定」の3種類があります。
ここでは、その3種類についてお話しています。

1.机上査定(きじょうさてい)

机上査定

机上査定とは

文字どおり、実際に現地を見ることなく、登記簿謄本や図面を取得し、近隣の類似物件の成約事例や相場、不動産市場の動向、路線価など、いろいろな条件によって、机上で価格査定をおこなうことです。

机上査定は、早く結果をお伝えすることは可能ですが、あくまでもだいたいの目安になります。

「自分が持っている不動産を売るとしたら、今どのくらいするのだろう」というおおまかな価格を調べたい時には良い方法です。

机上査定手順

①対象となる物件の位置をGoogle mapなどで確認します.

②対象となるエリアの相場を確認してそのエリアでは、どのくらいで取引が行われているか、対象物件の面積や築年数などを元にして売却できる価格を導きます。

③レインズという、不動産会社しか閲覧できないサイトから過去の取引事例や現在の販売物件の価格などを確認し、売却可能価格を適正なものにしていきます。
その時、その物件の用途や、学校区、駅からの距離などの利便性も考慮して大体売却が可能となる幅をもたせた机上査定価格を算出します。

 ✿レインズとは
  不動産流通標準情報システムの略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通
  機構が運営しているコンピュータ・ネットワーク・システムの名称です。

2.訪問査定

訪問査定とは

訪問調査300

実際に不動産会社が現場を訪問し、外観、室内、付帯設備の状況なども含め、細かく物件の確認をすることです。
また、同時に役所調査も行います。

役所調査とは

各都道府県の役所で土地や建物の法令規制の確認をします。
法務局では登記簿謄本を取得し、謄本や公図を取得します。


役所調査の詳細には、次のような内容があります。
・所有者・所在地・地目・地積・持分・抵当権等の確認
 をするため登記簿謄本取得
・市街化調整区域内の場合は再建築ができない場合があるため都市計画の調査
・建築基準法などの制限により、建物に制限を受ける場合があるため法令規制の確認
・隣地の建築計画や道路計画等がないかなど建築計画の確認
・指定区域内の土壌汚染を確認するため土壌汚染の調査
・4m以上の道路に間口が2m以上接していないと再建築できない場合があるため道路
 づけの調査
・私道部分は建物を建てる際には敷地面積に算入されないため私道持分があるのかを調査

売主様との打ち合わせ

【S3】③375シロ

売主さんや所有者さんからも詳しくお話を伺います。
建物のどこかが壊れている、シロアリ点検の有無、雨漏りがある、そのような現状を適正な査定価格を把握するために、わかる範囲で不動産会社に伝えてください。

また、境界問題、増改築の箇所、敷地内の事件、事故、火事などが、もしあれば、後々のトラブル防止のためにも、しっかり伝えてください。

プラス面として、リフォーム履歴や小学校が近いなどの売却したい家のアピールポイント伝えることも大切です。

調査の結果で、プラスになる面、マイナスになる面を考慮してより適正な査定価格を算出します。

マイナス面としては、建物の状態や、駐車場の問題(駐車場がない、狭い)などがあります。
今は、車社会ですので、駐車場に問題があるとなかなか高く売れない傾向もあります。
また、駐車場は広いけど、道路から入るところが狭いため止めにくいなどもあります。

訪問査定時に売主様が準備した方が良いもの

・登記簿謄本
・建物図面(間取りがわかるもの)
・測量図
・権利証(登記識別情報)
・購入時の契約書及び重要事項
・公図
・建築確認証
など

訪問査定時の質疑応答

売主様から不動産会社にお伝えした方が良い内容以外にも、次のような確認があります。
・売却の理由
・未登記の建物の有無
・敷地の地盤沈下有無
・排水不具合の有無
・近隣トラブル
・住宅ローン支払いの延滞
・税金の滞納
・近隣での建築計画
・売却の時期(希望)など

3.建物診断査定

たとえば、売主様ご自身が床下にもぐり、白蟻がいるかいないかを調べるというようなことは、あまりないと思います。

家の傾きや、屋根に雨漏りの原因となる問題がある場合なども、実際に点検してみなければ、なかなかわかりません。

その辺りの確認を専門家に依頼→必要に応じて修理→査定→売りに出す
という方法があります。

それを、ホームインスペクション(住宅診断または住宅検査)と言います。
例えるなら、住宅のお医者様と言う感じでしょうか。
ホームインスペクションの実施は、全国的に少しずつ増えてきています。

建物診断600)

ホームインスペクションとは

住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務を指します。
NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会

「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を、2013年6月に国土交通省が公表しています。
国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」の策定について

このことにより、具体的には、売主様と不動産会社で媒介契約をおこなう時に、インスペクションの説明をすることとなりました。

「中古住宅を安心して買いたい」という買い手側のニーズに応える動きは徐々に活発化していて建物診断などのインスペクションをサービスに取り入れている不動産業者も出てきています。

ほぼ三井のリハウスや東急リバブル、野村不動産アーバンネットなどの大手と言われる不動産業者は、売却時のサービスにこの建物診断(インスペクション)サービスを付加している状態にもなっていて、早く・高く売るために中古住宅の売買に安心を取り入れ付加価値を付けるところまで来ています。

ホームインスペクションのメリット

・住宅の状態を明らかにして買主に情報を提供することができます。
・売ったあとの建物の不具合について買主とのトラブルを未然に防ぐことができます。

所要時間

一般的に、建物面積が100㎡(約30坪)程度で2〜3時間です。
ただし、住宅の規模や調査範囲により異なります。

費用

一般的に目視による一次診断の場合5〜6万円前後、機材をしようする詳細診断の場合10万円以上です。
ただし、ホームインスペクターの所属する会社によって異なります。
こちらから、ホームインスペクター(住宅診断士)を検索できます。

注意

✿JSHI公認ホームインスペクター(住宅診断士)とは
住宅診断のプロとして、建築・不動産取引・住宅診断方法などにおける一定以上の知識、高い倫理観を有することを消費者に明示するために、JSHIが2009年より実施している「公認ホームインスペクター(住宅診断士)資格試験」に合格し、認定会員として登録している個人に対して付与する民間資格です。

依頼先の選択は、慎重におこないましょう。

また、専門家に依頼する必要があるためコストがかかります。
ホームインスペクションの実施が必要かどうかは、信頼できる不動産会社とも良く相談をして判断されてください。