不動産売却の各税金について

 不動産売却の各税金について

はじめに

税金

所有している不動産を売却するときに気になるのは、いくらで売れるのかということと、どういった費用がいつ掛かるのかということではないでしょうか。
仲介手数料などの諸費用、それに税金はいつどうやって払えばいいのかなどです。

私たちは普段から、不動産売却などに関わることが少ないので、不動産売却時の税金のことを知る機会はあまり多くありません。
不動産を売却して利益(譲渡所得)を得た場合には、税金(所得税・住民税)を払う必要があります。

ただ、多くの場合は特例制度がありその制度を上手く利用することで税金額を抑えることができるともいわれています。
また売って損が出たときは戻ってくる税金もあります。

今回は、不動産の売却によって必要になる税金と、利用できる控除について説明していきます。
ぜひ参考にしてみてください。


★目 次★


不動産売却時にかかる税金は

①譲渡⇒税金

不動産売却時に係る税金として印紙税、登録免許税、消費税、譲渡税(所得税、住民税)があります。
それぞれについて詳細と利用可能な特例制度をご説明しましょう。

印紙税

画像の説明

不動産の売却時には売買契約書を取り交わしますが、この契約書には売買金額により決められた印紙を貼るという決まりがあります。
詳細は、『不動産売却時の税金・印紙税とその納付方法、節税方法』の纏めましたからそちらを参照ください。

登録免許税

多くの方がマイホームなど不動産を所有するとき、住宅ローンを利用されています。
この住宅ローンを利用すると、通常、銀行などの金融機関はその対象となる不動産に抵当権や根抵当権を設定し登記します。
不動産を売るときは、売る不動産に設定登記されている抵当権や根抵当権を消さなければ(これを抹消と言います)、完全な形で売り渡すことが難しくなります。
そのため、売主はこの抵当権等を抹消する(これを抹消登記といいます)ことのために、登録免許税として不動産1筆につき1,000円を納めなければならないことと決められています。
納める方法は、不動産を管轄する法務局(登記所)で登記しますので、そのときその法務局に印紙で納めることとなります。

∞注意∞

★登記上の住所と印鑑証明書上の住所が違うとき
不動産を売るときは、売る不動産を売主から買主へ所有権移転登記をします。
この登記では売主の移転意思確認としての書類に印鑑証明書を添付するよう登記法で決まっていますが、この印鑑証明書の住所と登記上の住所に相違があるとき、売主は住所移転登記(これを名義人変更登記という)をしなければいけません。。
そのため、売主はこの名義人変更登記のために、登録免許税として不動産1筆につき1,000円を納めなければならないことと決められています。
納める方法は、不動産を管轄する法務局(登記所)で登記しますので、そのときその法務局に印紙で納めることとなります。


消費税

①消費税8%→10%

不動産業者の仲介により不動産を売る場合の仲介手数料、抹消登記など司法書士に依頼する場合の登記手数料は課税対象になり消費税(2019年9月まで8%、2019年10月以降10%の予定)がかかります。

譲渡所得税

【S7】⑥譲渡益課税

譲渡所得に対して、不動産の所有期間が5年以下だと39.63%、5年超だと20.315%、10年超だと譲渡所得6000万円以下の部分に14.21%、譲渡所得6000万円超の部分に20.315%の税金(所得税・住民税、復興特別所得税合計)が掛かります。

●短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合)

    39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)

●長期譲渡所得(所有期間が5年超の場合)

    20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

●長期譲渡所得(所有期間が10年超のマイホームの軽減税率の特例)

   譲渡所得6000万円以下の部分:
    14.21%(所得税10%+住民税4%+復興特別所得税0.21%)
   譲渡所得6000万円超の部分:
    20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

所得税と住民税

不動産を売ることを税法上『譲渡』と言い、その所得を譲渡所得と言います。
またこの譲渡により利益が出た場合には税金が課されることとなっています。
その課される税金は所得税(国税)と住民税(地方税)です。
平成23年から25年間は東日本大震災の復興に必要な財源確保を目的とした復興特別所得税も加わりました。
また、不動産も税法上土地と建物とに分けてそれぞれ課税対象物として見られます。
その所得税と住民税は、土地と建物を売る人が個人の場合で商品として売るのかどうかで所得税と住民税の課税方法に大きな違いがあります。
また、法人が土地を売った場合でも所得税と住民税の課税方法に違いがあります。

これら譲渡所得に対する税金は、事業所得や給与所得と分離して計算することから、「分離課税」と呼ばれています。

個人が土地建物を売った場合


ポイント:譲渡所得税と住民税は、利益が出なければ払う必要がない!


譲渡所得税とは

不動産を売って発生する所得は譲渡所得と呼ばれ、下記の計算式のように譲渡価格から「買った時に掛かった費用」と「売る時に掛かった費用」を差し引いて求めます。求めた譲渡所得がプラスであれば利益(譲渡益)が発生しているので、税金の支払いが必要です。
個人が土地建物を売り利益がでた場合、譲渡所得となり、この譲渡所得に所得税と住民税の課税がされるのです。
譲渡所得にかかる所得税と住民税は、利益が出なければ払う必要はありません。

個人が土地建物を売る場合、①居住用(マイホームなど)であるかどうか、②事業用であるかどうか、③特定の事業のために売却するのかどうか、それとも①~③に該当していない場合とで税額は変わってきます。

例えば個人が土地建物をマイホームとして5年以上保有し、その土地建物を売却して売却益(譲渡益)が出ても所得税と住民税の税率は軽減(軽課)されますし,逆に,5年未満の場合には税率は重く(重課)される特例措置が行われています。

譲渡所得の計算方法

まず、不動産を税法上で考える場合、土地と建物とを個別で考えることになります。
それは土地と建物にかかる適用税額と適用できる控除が違いがあるからです。

個人が土地や建物を売却し、譲渡益(売却益)が生じた場合には、その譲渡益に対して所得税と住民税は掛かります。
この課税対象となる利益のことを税法上では『譲渡所得』とか『譲渡所得金額』と言っています。

『土地』と『建物』を個別にみることと、『譲渡所得』とか『譲渡所得金額』については不動産の売却にかかる税金を説明する場合、何度も出てくることになるので是非覚えてください。

課税譲渡所得金額の計算の基本

ポイント:譲渡所得=譲渡価格(売却代金)-取得費-譲渡費用


ポイント:課税譲渡所得金額 = 譲渡価格(売却代金) - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除


譲渡所得税を求めるうえでの取得費&譲渡費用とは⁉

不動産を買った時に掛かった費用こそ取得費であり、売った時に掛かった費用こそ譲渡費用になります。
取得費&譲渡費用として認められるかは、国税庁の所得税法基本通達をベースに判断することが最も合理性があると言えます。

取得費の概念

不動産を買った時に掛かった費用こそ取得費と呼ばれるものです。
ここではどんな費用が取得費として税務署に認められるのか、一緒に確認していきましょう。

譲渡費用の概念

不動産を売った時に掛かった費用こそ譲渡費用と呼ばれるものです。
ここではどんな費用が譲渡費用として税務署に認められるのか、一緒に確認していきましょう。

取得費、譲渡費用として考えられるもの

土地や建物の購入代金(マンション購入代金) 
買ったり売ったりするために支払った仲介手数料
買ったり売ったりするために契約書へ貼付したの印紙代
登記費用(登録免許税・司法書士に支払った報酬)
登記のために市町村に支払った手数料(印鑑証明書などの取得費など)
不動産取得税
土地を売るために、建物を取り壊したときの取り壊し費用
土地の埋め立て費
地ならし等の造形費用
設計変更した場合その費用
その他物件の状態により取得費に入れることのできる費用があります。
例えば、建物の敷地が借地の場合の更新料、住宅ローン事務手数料、リフォーム代金(大きな改良費)などです。

取得費、譲渡費用として考えられるものは証拠資料とは

取得費、譲渡費用に含めることが可能な費用項目がお分かり頂けたと思います。
次にしなければいけないことは証拠資料を集めることです。
確定申告を自分で確定申告する場合も、税理士にお願いする場合も証拠資料のコピーを提出する必要があるからです。
取得費、譲渡費用の証拠資料として考えられるものは、上記に記載の基本的なものと上記以外の特殊なものも有りますが、それは不動産の購入時やその後に土地建物に費用が掛かったものについては「契約書」「領収書」「請求書」「納付書」などになりますから全部保存しておくことをお勧めします。

ただし、「契約書を失くした」「領収書がない」という方もおられるでしょう。
そのような場合、上記以外の資料でも、税務署が正当性を認めてくれれば取得費、譲渡費用に算入可能になります。
例えば、新築時のパンフレットや販売チラシでも正当性が認められる可能性はあります。
その他、契約書関係であれば相手方からコピーを貰うことも可能かもしれません。

取得費、譲渡費用として考えられるものが多くありますので、確定申告するときは税理士や税務署に確認してみましょう。
税務署は丁寧に教えてくれるケースが多いです。但し忙しくないときに相談しないととても時間がかかります。

ポイント:取得費が不明な場合は譲渡価額の5%とします。なお、建物は所有年数に応じて減価償却をしなければいけないこととなっています。


建物の取得費は減価償却する

建物は購入時の金額をそのまま経費として引くことはできません。
建物は耐用年数があるので、経費(取得費)として引くことのできる建物の価格は、時の経過と比例して徐々に減額されるものとされています。
業務用の建物費は法定耐用年数で計算しますが、非業務用のマイホームなどの建物は「法定耐用年数×1.5」の年数で計算します。

■建物の取得費の計算方法
建物取得費 = 建物購入代金 - 減価償却費

■非業務用建物(居住用)の減価の額
減価償却費 = 建物購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
※建物の取得価額の95%を限度とします。
※経過年数が6カ月以上の端数は1年とし、6カ月未満の端数は切り捨てて計算します。

■建物の構造別償却率(償却率は用途と構造によって決まります。)
木造0.031
木骨モルタル0.034
鉄骨(鉄筋)コンクリート0.015
金属造①0.036(骨格材の肉厚が3mm以下の軽量鉄骨造
金属造②0.025(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下の軽量鉄骨造)
※マンションは鉄筋コンクリート造が多く、この場合の償却率は0.015となります。

不動産売却で節税できるポイント

不動産を売却した時は下記5つの特例があり、該当する場合利用することで節税知ることができます。

譲渡益が生じる場合 (所得税が発生)
売 却 居住用財産売却の3,000万円特別控除
売 却 長期譲渡所得(所有期間10年超)の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
買換え 特定の居住用財産の買換え特例

譲渡損が生じる場合 (所得税が戻ってくる)
買換え 特定の居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
売 却 特定の居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

居住用財産とは

税金の取り扱い上の居住用財産とは、次のように規定されています。
① 自己の居住の用に供している家屋
② 自己の居住の用に供していた家屋で、住まなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したもの
③ 上記①、②の家屋と共に譲渡されたその家屋の敷地とされていた土地・借地権
④ 災害により滅失した上記①の家屋の敷地とされていた土地等で、住まなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されたもの

居住用財産の大前提は、まず家屋があることです。土地を所有しているだけでは、居住用とはいえず、家屋の所有をもって初めて居住用財産となり、その敷地である土地も同様に取扱われるということなのです。 したがって土地が借地権の場合も、自己の居住の用に供している家屋があれば居住用財産となります。

不動産売却で節税できるポイント

特別控除の条件
買い替え特例


売却後の確定申告のやり方


ポイント:所得税と住民税の支払う期限は違うことに注意しよう!



所得税の支払いがある場合は、不動産を売却した年の翌年3月15日までに所轄の税務署へ確定申告して税金を納めることになります。
ただ、住民税については税務署に申告後、その申告の内容が市区町村に回ることで手続記されますので確定申告から3か月後の6月からです。
この微妙な期間のズレに注意しましょう。

ちなみに、所得税の支払いは原則として3月15日までです。
しかし、振替納税(ふりかえのうぜい)といって、銀行から自動的に引き落とされる納税方法を選んだ場合には、4月20日ごろに引き落とされます。
尚、引き落とされる日は毎年微妙に異なります。
所得税を3月15日までに支払ったからと言って、税金は1円も安くなりません。それであれば、振替納税を選択して4月20日ごろにお支払いいただくのも良いかもしれませんね。

不動産売却で損した時に使える税金の特例

不動産の売却により発生する損失は、原則として給与所得や不動産所得などの他の所得との損益通算が認められません。(不動産の譲渡益と譲渡損の内部通算はできます。)
但し、不動産を売って損した場合に利用できる特例があります。
一定の要件を満たす居住用財産の譲渡損のうち、一定の金額は損益通算をすることができ、損益通算しきれなかった損失について、損失発生年の翌年以後3年間の繰越控除ができます。

特定居住用財産の譲渡損の損益通算と繰越控除

単純売却特定の居住用財産にかかる譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
買い替えによる売却特定の居住用財産の買換えにかかる譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

特定居住用財産の譲渡損の損益通算と繰越控除については、別項で詳しく説明していますのでそちらをご参照ください。

親の家を相続して売るときの税金と特例

相続した不動産の場合、所有期間は親から相続した日からではなく、親がその不動産を取得した日から数えます。

売却にかかる費用


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