不動産売却を出口としたタワーマンションの資産価値と値段との関係について

更新日2020-07-11 (土) 23:08:24 公開日2018年11月21日

ここでは、タワーマンションを売る場合に考えたい資産価値について解説したいと思います。

タワーマンション

まだまだ歴史の浅いタワーマンションですが、数はこの10年でかなり増えています。

最近は、タワーマンションは買いなのかどうなのかという議論もあちらこちらでされるようにもなってきました。
そうした中で私の見解を話したいと思います。

不動産売却を出口とした場合のタワーマンションの資産価値と値段との乖離幅

まず、タワーマンションのメリット、デメリットを知っておこう考えてみましょう。

よく言われるメリットとして、営業マンの謳い文句になりますが、
眺望がいい、設備が整っている、立地がいい等いろいろあります。

仰る通り、今までのマンションや戸建てとは違って、タワーマンションには非日常的な魅力がたくさん詰まっています。

夢がある世界、そこに住めるステイタス、そういったことが大きなメリットだと思っています。

デメリット、これも多く言われてますが、エレベーター渋滞の問題や、地震の時に揺れが大きい、風が強い、等々あります。
そういったデメリットももちろんありますが、そのあたりのことは皆さんよくご存知だと思います。
そのデメリットも踏まえた上で、更にその上をいくメリットが供与できるというのであればそのマンションは買いだと思います。

タワーマンションの将来が危ない?!

私が危惧しているのはタワーマンション自体歴史が浅いので、この先何が起こるかわからない、という部分です。

マンションには長期修繕計画があったりするが、そもそもその修繕計画が予定通り進められるのどうなのか。
どれぐらいその計画に沿っていけるのか、という事を考えると予定通り行かないパターンが多く浮かんでくるのです。
将来、どんな欠陥が出てくるのか、どういった問題が出てくるのか⁉
そこに対処する備えや考え方はどのようにしているのか⁉

2018年に起きたKYBの製品を使用する免震や制振構造のマンションは、ほとんどがタワーマンションタイプです。

そんなタワーマンションを、例えば、20年30年経って売却したいとなったとします。
その時に購入希望者がいたとします。
しかし、その時にその購入者に対して銀行はどのくらい貸し付けをしてくれるのか⁉。
これも大きな問題だと思っています。

そもそもタワーマンション自体は、そんなに大きくない土地に建っています。
土地の部分は割と評価しやすいですが、狭い土地です。
建物部分は経年でどんどん減価償却されていくという考え方ですので、年が経てば経つほど価値がなくなるということになります。
そういった中で銀行がどれくらいの評価を下すのでしょう。


タワーマンションの資産価値(1)

これからどんどん修繕計画が進む中で、修繕積立金はどんどん値上がりしていくでしょう。
建物の部分はどんどん価値が減っていっている。
しかも土地の持ち分は本当に僅かしかない。
そういった物件に、銀行がどれほどの評価をつけて貸し付けを行うのか。

結局、ほとんどの人が住宅ローン組んで購入するわけだから、
金融機関の見解が厳しくなり、そこで担保となる物件の評価があまり出ないということになると、大きく値が崩れてしまいます。
そういうことが世情に関係なく起こりうるわけです。

これが低層のマンションであれば世情によっての左右はありますが、そんなに大きく値崩れすることはないという事が容易に想像できます。
まだまだ将来の浅いタワーマンションの資産価値がどうなるのか、という問題。
これがまずタワーマンションの大きなデメリットの1つと言えます。

以前はタワーマンションというとランドマークみたいなところしかなかったように思います。
希少性が非常に高かったのです。
ランドマークのようなマンションは、その希少性の部分で建物の資産価値は維持できると思うのですが、やはり数が増えてきているので淘汰されるマンションが出てくるでしょう。
一部マンションは生き残っていくと思ういますが、そこに類似するマンションや少しでも条件が劣るものについては大きく値崩れを起こす、ということについても頭の片隅に入れておいて良いのでではないでしょうか。

タワーマンションの幻想から目を覚まそう!

タワーマンションを投資目的で買われる方も多く、特に中華系の人の購入は特にそうみられています。

昔はタワーマンションを買えば数年で値が上がりする、という事がありました。
しかし、これからはどんどん大規模修繕が行われてきます、よって修繕積立費が値上がりしていきます。
加えて、他にも同種のタワーマンションが次々と建てられる、こういった状況の中での競合になってくるわけです。
その中で、資産価値をどのくらい維持できるのか、というところを疑問に思うところです。

もちろん投資目的ではなく、生活のためにタワーマンションが欲しいという方が多いことでしょう。
そういった場合は何を注意すればよいのか、

自分の無理のない生活設計の範囲内で憧れのマンションに住めるわけですから、資金計画がきちんと出来ていること。
あとは、立地と管理のきちんと行き届いたマンションを選ぶこと。
それであれば購入しても問題はないと思います。

しかし、精一杯背伸びして、タワーマンションだから失敗はないだろうといった幻想をもって買ってしまうことには、賛成できません。
ただ、このような方の購入が多いという現状が見受けられます。

まだまだ歴史が浅くてこれからどうなるかわからないといった事も、多少は頭の片隅に置いてマンション選びを進めていって欲しいところです。

最近では逆に低層のマンションが作られなくなってきています。

収益に対してコストがかかりすぎてしまう、大きな土地が必要、といった理由があります。

一昔前は、低層マンションは盛んに作られていて、立地も非常にいい物件が多くそういったマンションは価格の下落率も低いです。
なので、マンション選びの際には、タワーマンションばかりにとらわれるのではなく、低層マンションも視野に入れて購入を検討されるといいでしょう。

不動産売買コンテンツリスト

関連記事案内

あなたの役に立ったらシェア!