売りたい物件を不動産業者(買取業者)に買い取ってもらうときの失敗しない方法!

更新日2020-07-11 (土) 23:49:18 公開日2018年10月28日

不動産の売却方法として、通常の売却と不動産業者へ売却(不動産業者に買い取ってもらう)という2つの方法があります。

この2つの売却方法には、どんな違いがあるのでしょうか。
どちらの方法が良いのか。
売却価格に違いはあるのか。
通常は、物件を売りに出して、買主さんを見つけることが多いけど、業者に買い取ってもらうというのは、どうゆうことなのか。
業者に買い取ってもらうときに注意したほうが良いことや、失敗しないためのポイントがあるのか。

ここでは、そのような疑問についてのお話をします。

通常の売却と業者への売却は何がどのように違いますか?

【S2】①

通常売却

流れを簡単に説明すると、売主が相場を確認→不動産会社を探す→不動産会社に査定依頼→不動産会社に仲介依頼(媒介契約)→不動産会社の営業活動(買主を探す)→買主Aに売却
といういたってシンプルな売却方法です。

業者買取

売主が買取業者に売却するという方法です。
この時点で売主さんと買取業者の取引は完結します。
業者買取のメリットは、2週間程度(物件調査や所有権移転手続き期間)で即現金化できることですが、他にも内覧(買主側に家の中を見せること)や瑕疵担保責任を負うこともないため、売却後のクレーム等を心配する必要もありません。

✿瑕疵担保責任とは
不動産を売却したあとで、万が一欠陥(雨漏りやシロアリなど)がみつかった場合は、原則として売主が責任を負うことです。

次の流れとして、この買取業者は該当物件を買主Bに売却します
その際に、何らかの付加価値をつけて売るというかたちになります。

✿付加価値とは
・リフォームをする
・リノベーション(修復)をする
・古家を解体して新築を建てる
・道路と敷地に高低差がある場合、そのままでは家が建たないため、きちんと新しい擁壁(コンクリートブロックや石などを使った壁状の構造物)を作る など

当然、買取業者は、利益をのせて買主Bに売りますので、買取業者が売主から買う価格は、通常売却で買主Aが売主から買う価格よりも、安くなければ成り立ちません。
つまり、売主は、通常売却の時より、多少、安い価格で買取業者に売ることになります。
業者買取の価格は、おおよそ相場の70%から最大90%です。
と言っても90%は、かなりの人気物件となりますので、通常は最大で80%程度が多いと思います。

どうゆう時に業者への売却(業者買取)を選ぶことになりますか?

通常売却では売れない物件があります。
言いかえると、業者買取りでなければ売れない物件となりますので、そのような物件の場合は、業者買取を選択する可能性があります。

今、売却を考えていらっしゃる方、あるいは売却中の方がいらっしゃいましたら、ご自身の物件を、一度買主の立場になって見ていただきたいと思います。
「通常売却で本当に大丈夫なのか?」または「そのままで、その物件を買う人が本当に現れるのか?」ということを、ちょっとだけ客観的に考えてみてください。

「業者買取でなければ売れない」とはどんな物件ですか?

再建築不可

そのままだとその場所に新たに再建築できない物件を再建築不可と言います。
再建築不可であれば、土地の価値はほとんどありません

車が入らない

今は一家に一台車がある時代なので、車が入らないというのもけっこう厳しい条件です。

擁壁の費用がかかる

崖がある土地に建物を建てるには、その崖を整備しなければいけないなど、擁壁の費用がかかるということになると、なかなか個人の買い手はつきません。

家事、自殺、殺人

このような事故があった物件も当然ながら厳しくなります。

近隣トラブル

まわりに変な人がいるのに、それを隠して売却することはやってはいけないことです。
知っている以上は言わなければいけない。
しかし、言ったら、買い手がつかないとなります。

敷地面積が大きい

一般的な土地の大きさが40坪から50坪なのに対し、100坪から200坪あるというような物件の場合は、購入価格もかなり上がってきます。
そうなると、一般の方は手がでないということになります。
こうゆう場合も、業者が買い取り、3つとか4つに分割して売るというパターンになります。
なぜなら、個人の方であれば、1つの土地を分割して不特定多数の人に売るというのは法律で禁止されているからです。

その他いろいろあると思いますが、これらが、通常売却では買い手がつかず、業者買取りでなければ売れない可能性がある物件ということになります。

通常売却より業者への売却(業者買取)の方が良いという場合もありますか?

業者買取の方が都合が良い売主さんもいらっしゃいます。

急いで売却したい

借金があるのでとにかく現金化したいという方や、相続で物件を受けたけど相続税を納めなければいけなくなり、その期限が近づいてきたため早く売りたいなど、何等かの理由で急いで現金化したいという売主さん

買い替えを希望されている方で先に買いたい物件がみつかった

どうしてもそこに住みたいけど、今の家を売らなければ引っ越しができない、住みたい家が売れてしまう前に今の家を急いで売りたいという売主さん

とにかく早く売却を終わらせたい・手間をかけたくない

今、自分が住んでいるところとは、かなり離れたところに相続で土地を手に入れた。しかし、管理するのも大変だし、万が一、家事とかになれば周りに迷惑をかけてしまう。
そのような不安から、金額より、とにかく早くすっきりしたいという売主さん

このような事情をもった売主さんの場合は、早く結果がでる業者買取の方が都合が良いのではないかと思います。

業者買取で危険なこと(失敗しない方法)がありますか?

業者買取で注意しなければいけないこと、危険なことがあります。

業者買取りの危険なパターン

【S2】②

売主さんが不動産屋に売却の相談をします。
「業者買取でいいので、とにかく早く売りたいです」となった時に、不動産屋が「それでは当社が〇万円で買い取ります!その価格で検討してください!」と答えたとします。
その流れから、売主さんは、その価格で検討することになると思います。
実は、これが、けっこう危険なパターンなのです。
なぜ、危険なのか、次の業者買取の成功パターンと比較してください。

業者買取の成功パターン

【S2】③

売主さんが不動産屋に売却相談をします。
その不動産屋が、先ほどの例とおなじで「〇円で買い取ります」と言うのは、それはそれで良いのですが、大切なのは(違うことは)その他に「他の業者にも聞いてみます」ということで、買取業者(A社・B社・C社)にも「この物件、いくらで買い取れますか?」と打診をかけることです。

打診した結果、「A社が2.000万円、B社が2.200万円、C社が2.500万円で買います」となった場合、業者買取を依頼した不動産屋が、売主さんに「C社が一番高いので、C社に買い取ってもらいましょう!」と提案するということになります。
この流れであれば、業者買取であっても、無駄に安く売ってしまう心配がありません。

「自社で〇円で買い取ります」と言ってくる不動産屋ではなく、このように必ず複数の買取業者に打診をかけてくれる不動産屋にお願いすることがポイントです。

ただし、買取業者は会社によってさまざまです。
買取価格はもちろんですが、その他、引渡し条件等も比較して決める必要があります。
引渡し条件とは、その物件をどのような状態で引き渡すかという条件です。
これにより費用が変わってきます。
たとえば、エアコンや照明などを設置したまま、あるいは家財を置いたままの状態で引き渡すという場合は、処分費用が必要になる可能性もあります。
業者を決定する前にその辺りの打ち合わせも必要です。

売却価格が、200万円、300万円と何百万単位で変わってくることもあります。
売却結果に大きな差がでることもあります。

複数の買取業者に打診してくれる不動産屋に頼まなければ損(無駄に安く売ってしまう)をして、その売却は失敗ということに成り兼ねません。
その点は十分に注意してください。

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