東洋経済オンラインの記事から

11月24日の東洋経済オンライン『25歳になったら賃貸に住むのをやめるべきだ』と言う記事を読んだ。

東洋経済オンライン

【25歳になったら賃貸に住むのをやめるべきだ 11/24(土) 6:00配信】

この記事を要約すると、若いうちにマンションを買った方が良い!と言うこと。

その理由は、14個も有るのだから、自然と持ち家取得を考えなければならなくなる。
ならば早過ぎることはない。まずは持ち家取得と結婚は切り離そう。独身ほど、家を買って資産形成しておいたほうがいい。それは自分と将来の家族のためなのだ。

と言うのである。

未来において「資産性からも、持ち家のほうが賃貸よりも合理性が高い。そのため、結婚、出産を待たずに、若手のうちに家を買うことが、予測不能な将来を安定したものにするのだ」。

この記事を東洋経済オンラインに掲載しているのは不動産コンサルタントの沖 有人 氏。


ん~、なにがあったんだろう⁉って心配してしまう。この記事突っ込みどころ満載なのだ!

沖氏と言えば『住まいサーフィン』を立ち上げた「スタイルアクト株式会社」社長であり不動産コンサルタントであるが、このような稚拙な発想をしてしまうとは、お金が出ているスポンサー大企業に加担しお先棒を担いでいるとしか思えないのである。

『住まいサーフィン』自体が、スポンサー大企業の広告費で成り立っているのだろうから仕方ないと言えば仕方ないのだが。

でも、この記事はちょっと滑稽にしか思えない。

仮に氏の考えをそのまま受け入れるとしたら、ひとつ前提条件を入れるしかない。

東京都の3A地域青山、赤坂、麻布地域乃至文京区などの一等地に新居を構えることのできる年収1000万円以上の25歳。という条件

さて、この前提条件を持つ人ってどれだけいるのか?

しかもこれから先、この前提条件に該当する拝がどれだけいるのかを知るよりも、少子高齢化、人口減、世帯数減、空き家めちゃ増なる時代に突入する日本で語るべくもないが。

氏が展開する考えは、もし未来において物件が値下がりしても持ち家が賃貸より得だということ、
「生涯独身率20%超」時代、親世代のほぼ全員が結婚した時とは事情が違うということ
その結果、「なぜ、独身のうちに買わないのか?」という時代になるということなのだ。

この考えをしっかりした理由でカバーしているつもいなのだが、しかしその理由が少々幼稚としか思えないのだ。
以下にその理由を書き出してみよう。
また、この理由について私なりの考えを追記してみたいと思う。

持ち家が将来を安泰にする「14の理由」とは? 

日本の若者が直視しなければならない、住まいに関係する現在までの事象と、ほぼ確実な未来を挙げておこう。と言う展開から、下記の14の理由が買うになる理由と言うことらしい。

日本の持ち家率が非常に高いのは、持ち家促進税制で優遇しているからだ

確かにこれは正しいと思う。私だけでなく99%の人が正しいと思うだろう。
まず最初は、うん、そうそうと思わせる言葉を出し納得させる術は心理学的に正しい。
マーケティングにおけるところの皆を納得させる常套句を、まずは真っ先に持ってきたにすぎないだけだけど。

持ち家と賃貸では、超低金利と優遇税制で持ち家が圧倒的に有利である

持ち家が有利か、賃貸が有利かは個々人の事情、とくに勤務先により変わるものであることが多い。

今の勤め先会社がほぼ大手企業なら転勤がある。転勤があるから税制の恩恵も受けることが無く、家を買う事は大きなリスクにしかならない。
また家賃補助が厚いので賃貸の方が得になる。

中小零細企業なら転勤がないかもなので、同じ場所にずーっと住めるかもしれないが、しかし中小零細企業で都心マンションを買える収入を得ている人はどれだけいるのかと言う単純な疑問がでてくる。

直近10年間の持ち家と賃貸の資産格差は3400万円に及ぶ

氏は10年経過したマンションの値上がり益は、平均で600万円。持ち家の平均購入価格6000万円の10%ほどだと展開する。
しかし、この10年のうちの半数年がアベノミクス下のマンション市況だったことが幸いしただけで、これから先この状況が続くはずがないということ。
そもそも購入した不動産価格が平均10%上がってるというのが、まず不正確だ。

これから先日本が直面している現実は、99.9%値下がりしか考えられないくらいの諸諸問題を抱えてるのだから。
そのひとつ、相続を端にする空き家の増加だけでも不動産の値下がりはほぼ既定路線と言えるのだから。
氏は空き家はマンションには関係ないとでも言うのだろうか。
としたら、あまりにも中古マンション市場の未来を知らなすぎると言えるだろう。
ちょっと歩いて回れば、中古マンションの空き家住戸があちこちで見受けられることを実感できるのだから。
今、既に空き家が多くなりつつあるのに、これから10年20年30年と時が経つと共に空き家の数も増えるのは明らかなのだ。

氏の言う買うべき年齢の25歳の人が、定年となる40年後に不動産市場がどうなってるかなんてわかるはずもない。


あと11個は明日以降にご期待ください。

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