昭和56年以前(旧法耐震基準)建築の一戸建て売却

更新日2020-07-11 (土) 23:54:03 公開日2019年1月20日

1981年6月以前に建てられた古い一軒家は、耐震基準が「旧耐震基準」で建てられているため、現在の耐震基準を満たしているとは限らず、敬遠される傾向にありました。

1981年7月に耐震基準が変わり、これ以降に建てられた一軒家かどうか、言い換えれば(新耐震基準)を満たしているかどうかで、買い手に敬遠される傾向があるわけです。

しかし最近、金額の安さとリフォーム需要によって古い家の価値が見直されるようになってきています。
築30年以上の一戸建てと言うことであっても、その質と維持状態によっては買い手の購入意欲が年々増えているのです。

不動産売却のプロが、築年数の多い一戸建ての売り方について解説します。

築30年以上の一戸建てを売る方法

売れないかも

「築後30年以上の旧耐震基準で建てられた家だし、とても古いから売れないかも」と諦める必要はありません。

耐震性が充分か

新耐震基準を満たしていない家でも、現在の耐震基準(震度6強~7程度の揺れでも倒壊しない)を満たしていないとは限りません。
また、過去に耐震補強工事を行っていれば、満たしている可能性も十分にありますし、もしかするとそれ以上に高くなっている場合も有ります。

是非、売る前には耐震診断を受け、耐震性能が充分かどうか診断しましょう。
また、過去に耐震診断を受けた書類があれば、耐震性についての充分な証明になり、大きく評価されますので、もしあれば書類を準備しておきましょう。

リフォームをした方がいい?

【S4】リフォーム

売却にあたってリフォームをした方が早く売ることができるケースもあります。
しかし、リフォームした分だけ高く売れるとは限りません。
また、住みながらリフォームというのも大変なことです。

今では買い主が『自分で好きなようにリフォームしたい!』というニーズも高くなっています。
先にリフォームしてしまうと、逆に買い手のニーズに対応できないという事が起き、購入意欲を減退してしまうことがあります。

そうならないためにも、売るにあたって本当にリフォームの必要があるか、しっかりと見極める必要があります。

特に、築30年以上の一戸建てや、旧耐震基準で建てられた一軒家などは、あなた一人で考えず、信頼できる不動産会社と相談してから決めましょう。

家を解体して売る方が売りやすい?

土地売却

いっそのこと家を解体して土地だけとして売る…という考え方もありますが、実は『家が建っている土地』と『土地だけ』では支払う固定資産税が異なります。

『家が建っている土地』には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税の優遇としておおよそ6分の1の額しかかからないという特典を受けることができますが、『土地だけ(更地)』になってしまうとその優遇がなくなります。

『家が建っている土地』の時と比べて最大6倍近くの固定資産税を支払うこととなった場合、もし売り出してもなかなか売れなかったらその負担額はとても大きなもののなるのです。
従って、売却に時間がかかってしまった場合に思わぬ出費になりますので、更地にするかどうかはよく調べてから検討しましょう。

また、不動産業者に相談した際、すぐに「解体しましょう」とか「更地の方が売れやすいですよ!」と言った建物の解体を提案してきた不動産業者は避けた方が賢明かもしれません。

なぜなら、多くの不動産業者は売主であるあなたのことなど全く考えていないからです。
不動産業者は、安くても売れればいいと考えています。
売主の費用がいくらかかろうが知った事ではないのです。
不動産屋は時として、売りやすいように、都合の良いように「いったん解体して売りましょう」という提案しかできないのです。

あなたとしての対策は、数社の不動産屋に査定依頼して、売却方法や手法を聞くことです。
もし、解体を提案された場合には、その理由を納得するまで聞くことも必要でしょう。

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