【内覧】中古住宅の内覧(内見)!売主の心得!

更新日2020-07-11 (土) 23:50:34 公開日2018年12月4日

不動産を売りに出した場合、購入予定者は、該当物件の室内や周辺を実際に見学します。
これを内覧または内見(内部見学の略)と言います。

内覧

内覧は、売主様が居住中であっても、既に引っ越しも終わり空き家になっている状態でも可能です。

内覧時、少しでも良い条件で売却を成功させるためには、第一印象が重要です。
そのために、内覧のための準備や心がけがとても大切になってきます。

そして、売主様ご自身が購入予定者(見学者)に良い印象をもっていただくことも大事です。
見学者が来られたとき、挨拶もなく不愛想にしているより、明るく挨拶し「ごゆっくりご覧ください」の一言があるだけで、良い印象をもたれると思います。

売り主様が内覧に立ち会う場合、注意することがあります。
それは、物件のアピールです。
物件のアピールは、経験豊富な不動産業者に任せましょう。
売主様は積極的にアピールしないほうが、売主様及び物件に対し、良い印象をもたれる傾向があります。

なぜなら、売主様が良いと思っていることが、必ずしも見学者も良いと思うとは限らないからです。
場合によっては、見学者にマイナスの感情がわき、逆効果になる可能性があります。
売り主様は控えめにして、見学者の質問などに丁寧に答えるだけで十分です。

物件を良く見せるように、リフォームする方法があります。
リフォームすれば新築のようになることもあります。
しかし、リフォームには大きな費用が必要です。
またリフォームをしたからといって、かかった費用を全額上乗せして高く売れるというわけではありません。
リフォームをするかしないかは、慎重に考える必要があります。

【S4】リフォーム

ここでは内覧時に
「見学者は、どのようなところを気にする(確認する)のか」
「売主様は、どのようなことを心がけたら良いのか」
についてお話しています。

費用をあまりかけなくても、売主様の心がけひとつで物件を良く見せることができます。

費用があまりかからない方法

水回り

見学者

見学者の中でも、特に女性がいちばん気にするのは、キッチン・トイレ・洗面・バスルームなどの水回りです。

売主様

・トイレは特に注目される
・バスルームはタイルの汚れもポイント
・レンジや換気扇の汚れ
居住中の場合は
・キッチンの食器などの整理整頓
・バスルームのシャンプーや石鹸などの整理整頓

水回りは掃除がしにくい箇所です。
日ごろから清掃を心がけ清潔感をアピールしましょう。

水回りは特にきれいに

におい

見学者

内覧時に、生活臭、ペットの臭い、浄化槽の臭い、周辺の臭いなど、いやな臭いがするとそれだけで一瞬に印象が悪くなります。

売主様

居住中の場合は、内覧前日の料理も臭いがでるようなものは避けましょう。

ペットの臭いについては、ずっと一緒にいるとわからなくなることがあります。
内覧時に掃除をしても間に合わない場合もありますので日頃から清掃を心がけましょう。

子猫_s

浄化槽の場合、シンクの下に水が溜まっています。
その水が蒸発することで、下水道のにおいが上がってくる場合があります。
夏場は良くあることです。
ちなみに、排水については、下水道か浄化槽かによって毎月の費用が違いますので、そこを気にされる方もいらっしゃるかもしれません。

生活感

見学者

室内でいちばん気になるのがリビングルームです。

リビング

売主様

居住中の場合、生活感をできるだけ見せないようにしましよう。
特にリビングの整理整頓は大切です。
リビングには、テレビ、家具などの家電製品や、よく使う小物などもあります。
そのような製品をきれいに配置したり、小物などは、できるだけ収納して、スッキリと生活感が見えないようにするのがポイントです。

これはキッチンの食器などもおなじです。
もし、不要な家電や小物、食器類などの収納が難しいということであれば、内覧の時だけでも、倉庫サービスなどを利用して預けるというのも良い方法だと思います。

室内を明るく

見学者

室内の明るさはとても気になります。
日当たりも良くなく、室内が暗いとき、間違いなく印象は良くありません。

売主様

内覧時間が、お昼で、かりに明るい状態だったとしても、できるだけ室内を明るくお見せできるように、各部屋のカーテンを全開にし、各室内に限らず、すべての場所の照明をつけて、見学者をお迎えしましょう。
これはテクニックのひとつですが、明るいだけで印象は良くなります。

窓ガラスの汚れ・障子の穴・敗れたふすま

見学者

障子の穴やふすまが敗れたままになっていると、その家が大切にされていなかったことを想像してしまいます。

売主様

窓ガラスの清掃や、障子の穴、敗れたふすまなどは、業者の手を借りなくても、費用も少なくおこなうことができます。
ちょっとした汚れや破れを補修するだけで、印象はぜんぜん違ってきます。
簡単におこなうことができるリフォームを実践しましょう。

押し入れ・クローゼット

見学者

収納がどれだけ広いのか、中がどうなっているのか、高さや広さ、扉の空き方など気にされる方がいらっしゃいます。

売主様

見学者から、「収納も見せていただけますか?」と言われた時、すぐに見せられるように整理整頓をしておきましょう。

日当たり・風通し・眺望・騒音

見学者

日当たり・風通し・眺望・騒音は、これから生活する上で大事なことになります。
日当たりは時間によっても変わります。
風通しが悪ければ湿気がこもります。
湿気がこもれば家が傷みやすくなります。
カビも発生もあります。
騒音は程度によりますが、気にされる方はとても気にします。

売主様

他のことはお金をかければ何とかなる場合もありますが、これらについては、改善できるものではありません。

壁紙

見学者

タバコのヤニやペットの臭いは気にされます。

売主様

これらの臭いはなかなかとれません。
ひどい場合は、壁紙を交換しましょう。

床の音

見学者

歩いた時、床がミシミシと音がする場合があります。
人によりますが、気にされる方はとても気にされます。

売主様

古い物件になると床なり(ミシミシ音がする)がする場合があります。
床なりは業者に依頼することでなおせます。
費用はそこまで高くありません。

ハウスクリーニングの利用

ここまで、室内についてお話してきましたが、どうしても、売主様では清掃できないところもあり、内覧までに間に合わないという場合は、ハウスクリーニング(清掃業者)に依頼するという方法もあります。

費用としては、そこまで高額になるケースは少なく、リフォーム費用より安くつきますので、ハウスクリーニングに依頼するほうが現実的かもしれません。

【S19】⑦ハウスクリーニング

✿ハウスクリーニングとは
ハウスクリーニングは正確にはリフォームではありません。
掃除のプロ(ハウスクリーニング専用の清掃用具や特殊洗剤を用い、ハウスクリーニングの技術を習得した人)が、素人では掃除しにくいところや、掃除できないところの、埃や汚れ等の清掃を主に行います。
家庭での清掃と異なり、サッシ・排水口・換気扇・フローリングを磨いたりエアコンのフィルターの掃除など、細かいところまで家中まるごときれいにしてくれるサービスです。
清掃料金は業者によって多少異なります。

たとえば
・1Kの小さな部屋で2万5千円
・2LDK~4LDKといった広い部屋では5~8万円
一般的にはこの程度と考えられます。

庭・玄関・エントランス(正面玄関に面した建物の出入口)

見学者

内覧時、いちばん最初に目に入る場所(第一印象)です。

売主様

見学者の第一印象となる場所になりますので念入りに清掃しましょう。
庭やエントランスは草がたくさんはえていたり、玄関に靴がたくさんあったりすると印象が悪くなってしまいます。
靴は、なるべく下駄箱にしまっておきましょう。

ポスト

見学者

ポストは意外に気にされる方がいらっしゃいます。

売主様

ポストに郵便物やチラシなどが入ったままになっていないよう気をつけましょう。
ポスト自体が汚れている場合は、きれいにしておきましょう。
直接関係ないようにも感じますが、物件が大事にされてきたのかという考えに繋がってしまいます。

費用がかかる方法

大きな費用が必要な場合

中古物件になると不動産の修理に大きな費用が掛かる場合があります。
大きな費用が掛かる場合、次のいずれかになります。
①買い手がつかない
②売主様が修理して売却する
③買主様が購入後修理する(その分価格交渉をする)
④不動産業者の買取で売却する

建物の傾き(床や柱の歪み)

浮動沈下で傾いた家の修理は莫大なお金がかかります。」
健康被害も懸念されます。
建物が傾いているような物件はドアや窓が開かない(開きにくい)ケースがあります

漏水

漏水は建物全体の痛みを招きます。
床が浮いていたり、天井が水たまりのようなシミになっている場合もあります。
ひどい時は腐っている場合もあります。
水漏れがあればとうぜん修理が必要です。

外壁

壁面、基礎に汚れや、ヒビが入っている場合、内部の鉄筋や木材が腐食します
そうなると、マンションの場合は大規模修繕、戸建の場合外壁塗装などが必要になります。

外壁や屋根の汚れや室内の壁の汚れなどは、塗装やクロス張替えをしないときれいになりません
それをおこなうには、どうしても費用がかかってしまいます。

見学者と売主様の質疑応答

見学者からの質問については、できるだけ不動産業者にお任せした方が良いのですが、直接、売主様へ質問される場合もあります。
その時のために、回答を準備しておくことをおすすめします。

一般的に見学者が質問する内容はある程度決まっています。
①騒音や治安など周囲の環境
②ご近所に住んでいらっしゃる方に関する内容
③売却する理由
④売却希望時期
⑤購入価格(価格交渉)

④⑤については、見学者の交渉材料になる可能性がありますので、質問された場合は、「不動産業者にお任せしていますので」などと回答し、不動産業者を介しておこなうことをおすすめします。

内覧時に売主さんがしてはいけないこともありますので注意しましよう。

①売主がしてはいけないこと

「費用があまりかからない方法」は、当たり前と言えば当たり前のことばかりです。
中古住宅を少しでも高く売却するためには、日ごろのメンテナンスが何よりも重要なのです。

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