不動産「一括査定サイト」の上手な使い方と注意点

更新日2020-07-11 (土) 23:10:53 公開日2018年11月28日

不動産の「一括査定サイト」をご存知でしょうか?

最近では、スマートフォンやパソコンで不動産売却について調べる方がとても多くなってきました。

一括査定サイトは、どなたでも無料で利用できますし、使い方によってはとても便利なサービスです。

ここでは、一括査定サイトの上手な使い方(ポイント)や使う時の注意点についてお話します。


目次


不動産売却の一括査定サイトとは?

✿一括査定サイトとは

査定をしてほしい家やマンションの物件情報を登録することで、その一括査定サイトに加盟している複数の不動産業者から、
査定見積もりをとることができるwebサイト(無料)です。

一括査定サイト

■HOME4U
■すまいValue
■リガイド
■イエウール

中には、一括査定サイトを、全面否定している不動産業者もいらっしゃいますが、おそらく、否定されている不動産業者は、
一括査定サイトに加盟していないのだと思います。

一括査定サイトのメリット

一度の手間で多数の業者に依頼できる

インターネットでできるので自宅にいながら査定申込が簡単にできる

いろいろな業者の提案が聞ける

信頼できる不動産業者を探すための目安にもなる

一括査定サイトのデメリット

相場価格を必ず提示してくるとは限らない

中には、相場よりとても高い査定額をだしてくる不動産業者がいます。
一括査定サイトに登録している不動産業者は、基本的に不動産の売買が成立した時に仲介手数料を受け取るという成功報酬です。
そのためには、売主さんから、売却を任せていただく必要があります。

お客様1件に対し、不動産業者が複数いるわけですから、やはりそこは競争です。
高い査定額をだしても、売れなければ売主さんにとって意味はないのですが、「うちはこの金額(高めの金額)でやります!」と
アピールしてきます。
それは、複数の不動産業者の中から、自社を選んでもらえるようにするための営業手法と言えます。

仮にその不動産業者に依頼して仮にその高い価格で売りにだしたとしても、その価格で売れるはずがありません。
そのまま長期売れなくて、3カ月以上経った頃、「このままでは売れないので価格を下げましょう」と売主さんに言うタイミング
を待っていることがほとんどです。
価格を下げた時から、はじめてまじめに販売活動を行うような業者もあります。

価格がいちばん高いからという理由で、安易にその不動産業者に決めるということがないように注意してください。

【S20】家とお金

複数の不動産業者から営業される

不動産業者が、何社も個人情報を握って査定しますので、営業の電話は必ずかかってきます。

しかし、これは考えようで、すぐにでも、家やマンションの売却を考えていらっしゃるのであれば、反対に営業を受け入れて、査定内容に
ついて詳しく(査定額の根拠・どこが評価されたのか・その後の計画など)話を聞く
のも良いかと思います。

断るのが面倒

たとえば、査定を6社に依頼した場合、最終的に1社に決めるわけですから、5社は断らなければいけません
断ることのわずらわしさや、それを面倒に感じる場合もあります。

一括査定サイトの注意点

㎡数や築年月日を正確に記載しましょう!

マンションの場合は、「〇〇マンションの〇号室です」と伝えると、不動産屋さんの方で調べることもできます。

しかし、戸建住宅の場合、マンションのようにはいきません。
土地の面積、建物の面積、築年月などは、査定の中でとても重要な要素になりますので、正確に伝えることが大切です。

間取りの記載も重要です!

どんな間取りかによって、価格が変わってきます。
”需要が少ない間取りなのか、多い間取りなのか”

また、おなじ㎡数であったとしても、戸建の場合
”車庫があるのかないのか”ということも重要になります。

一般媒介への誘導には注意しましょう!

サイトのポジショントーク(一般媒介への誘導)に乗らないように注意しましょう。

まず、一括査定サイトについてそれぞれの立場で見てみましょう。

◩お客様の立場
査定を依頼することも、各業者から査定を受け取ることも、すべて無料で使えます。

◩不動産業者の立場
依頼があったお客様の査定⇒媒介契約⇒契約成立⇒仲介手数料受取
という流れですすみますが、そのサイトに加盟していても、なかなか成果がなかった場合は、そのサイトへの登録をやめてしまうこともあります。

◩サイト側の立場
サイト側が、何で収益を得ているのかと言うと、そのサイトに登録している不動産業者から、お客様1件につき1万円、1万5千円などの料金を受け取っています。
そのため、加盟している不動産業者は多ければ多いほど良いわけです。

「成果がでなくて不動産業者が登録をやめてしまうことを繋ぎとめるため」と言う理由もありますが、一括査定サイト内で「一般媒介契約にしましょう」というような内容を載せていると思います。

✿媒介契約とは
不動産の売買などに関して、不動産業者が売主と買主の間に立ってその成立に向けて活動するという旨の契約を言います。
売主または買主と不動産業者(宅地宅建取引業者)との間で締結されます。
媒介契約には3つの契約方法があります。

媒介契約

一般媒介にすると、依頼者は、2社、3社の複数不動産業者と同時に媒介契約を結ぶことができます。

不動産業者からすると、一般媒介契約であれば、自社でも媒介契約を取れる可能性がでてくるため、その一括査定サイトの登録を続けるという可能性があるため、サイト側では、一般媒介契約へ誘導しているというケースです。

一般媒介契約はメリットもありますが、積極的に販売を行わない可能性があったり、複数の不動産業者と個別に対応しなければならないなどのデメリットもあります。

信用できる不動産業者があれば、不動産業者との媒介契約は専任媒介契約をおすすめします。
一般媒介契約への誘導には注意されてください。

不動産業者からの査定価格を示す方法を指定しましょう!

受取方法は、PDF・メール・電話・書面などいろいろありますが、複数の不動産業者から受け取ることになりますので、比較しやすいように統一されてください。

方法もバラバラで、受け取るタイミングもバラバラになると、売主さんもどのタイミングで、どの業者が何を言ってきたのかわからなくなります。

「〇〇までに、この形式で査定書をください」ということを一括査定サイトの備考欄に書くことをおすすめします。

一括査定サイトを利用するときのポイント

営業の電話が嫌な場合

電話してほしくない場合は一括査定サイトの応募フォームに記載してください。
応募フォームには必ず、備考欄やコメント欄があります。

そこに、たとえば「直接の電話はしないでください」と書きます。
そのように書かれていたら、不動産業者としても電話をかけにくくなります。
完全になくなるという保証はありませんが、かなり少なくなると思います。

断る不動産業者には早めの連絡が重要

断るときは早めに不動産業者に伝えてください。
断りたい不動産業者へ連絡をしない場合、不動産業者は可能性があると思い、何回も電話や営業をしてきます。

相場だけを知りたい場合

「物件の価格を知りたいだけ」という場合は、相場を調べることができる専用の不動産ポータルサイトがたくさんあります。

たとえばマンションであれば、マンション名・㎡数・向き・階数などを入力するだけで価格がでるサイトです。
このサイトは、一括査定サイトと違い、個人情報の入力をしなくても可能です。

不動産ポータルサイト

Athome(アットホーム)
SUUMO(スーモ)
HOME’S(ホームズ)

同じマンション名で検索してみたり、エリアや似ている物件の相場を複数見ることで、自分が持っている物件の相場を予想することができます。

ここで、注意することは、表示されている販売価格は、あくまでもその売主さんの希望価格ということです。

一般的に、買主さんから値下げの要求があることが多いため、通常は若干高めに設定していることがあります。
最終的にどのくらいの価格で成約になるのかというのは、このサイトを見るだけではなかなかわかりにくいので、その点は注意してください。
あくまでも参考程度ということになります。

本当に売却を考えている場合は「一括査定サイト」
まだ売却までは考えていないけど、とりあえず相場だけを知りたいという場合は「査定専用サイト」
というように、状況により利用されることをおすすめします。

不動産業者の選び方

不動産業者の担当者選びが重要

情報を隠す人

「査定依頼⇒数社(1社か2社)に絞る⇒訪問査定」
一括査定サイトを利用した場合、この流れですすみます。
どの不動産業者に決めるかは、査定価格も大事ですが、最後は担当者で決まります。

さまざまな不動産業者の担当者がいます。
・情報を隠してしまう
・動きが遅い
・大事なことを聞いてくれない

どんな担当者なのかを判断するために、数社に絞って訪問査定へと進み、実際に担当者と会って、人となりを見て決めてください。

地域密着でない中小企業は注意

地域密着でない中小企業については、選択するメリットはありません。

中小企業でたとえば、「○○区ではないのに、〇〇区もやっています」と言っているところがあります。
そういった不動産業者は、物件を自社だけで、ホームページやポータルサイトに出して買主さんを募るという「集客を目的」にしています。

その物件は実際にはほぼ売れません。
売れないけど、来たお客様(購入予定者)を、他の物件に紹介するというようなビジネスをやっている不動産業者がたくさんいます。
そういった業者は広範囲に営業をかけていって、上がってくる案件をとっていくというやり方をしています。

これが大手の企業になると話は別です。
同じように広範囲でやっていますが、大手の場合、全国区でやっていますが、ちゃんとそのエリアに支店をかまえていますので問題ないと思います。

高く売る、以外の自社の強みがある業者を選ぶ

画像の説明

「高く売ります」「買い手のお客様もたくさんいらっしゃいます」「ポータルサイトにも登録します」
強みのない不動産業者がよく使うセールストークと言えます。

実際は、「高く売れない」「お客様もいない」ことが多いです。
また、ポータルサイトは誰でも登録できます。

強みがない、勝負しどころがないので、そのトークに頼るしかないのです。

そのトーク以外の強みのある不動産業者を選ぶことが重要です。

不動産売買コンテンツリスト

関連記事案内

あなたの役に立ったらシェア!