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固定資産税評価額とは⁉ 土地と建物の固定資産税を調べる方法

更新日2020-07-11 (土) 23:17:32 公開日2019年2月9日

土地・建物の固定資産税
ポイント!

固定資産税評価額って何?
固定資産税の計算方法や免税点を見てみよう!

税金

土地・建物など固定資産の売買を行ったり、また所有したりした場合には、さまざまな税金がかかります。

例えば、考えただけでも固定資産税、都市計画税、登録免許税、不動産取得税などがあります。
これら税金を計算する際に使われる根拠となるのが「固定資産税評価額」です。

現在、土地・建物を所有されている方は、「自分が所有している不動産に関する税金は、どうやって計算されているのか」また、これからマイホームなどの不動産購入を考えていらっしゃる方は、「不動産を買ったら、どのくらいの税金が必要になるのか」、「相続したときの相続税は?」など、とても気になるところですよね。

ここでは、不動産の売買や所有に大きく関わってくるこれら税金の算出に必要不可欠な『固定資産税評価額』とはどういうものなのか、それを調べる方法、どのように算出されているかを確認していきましょう。

★目 次★【固定資産税評価額とは⁉ 土地と建物の固定資産税を調べる方法】


固定資産税評価額とは⁉

固定資産税評価額は、毎年1月1日現在の土地・家屋の価格として「固定資産課税台帳」に登載されます。

また固定資産税や都市計画税は、この固定資産税評価額を根拠に課税され、1月1日時点の所有者(所有権を登記している人)に対して課税に課せられるので所有者は「固定資産課税台帳」に登録されています。

「固定資産課税台帳」に記載された不動産の価額(該当不動産の価値に相当する金額)をもとに実際の納税額を計算したものが「評価額」です。
ちなみに役所が発行する評価額が記載された書面を「評価証明書」といいます。

固定資産税評価額の決定方法

固定資産税評価額は、土地や家屋などをそれぞれどう評価するかを定めた「固定資産評価基準」に基づいて、各市町村(東京23区は各区)が個別に決めています。
各自治体の担当者がひとつずつ確認して決定しているのです。

土地の固定資産税評価額の決定方法

土地であれば、土地の時価(実勢価格=相場)の約70%が固定資産税評価額の目安といわれています。
またそのほかに、土地がどんな場所にあるか(市街地なのか村落地域なのか)、面積や形状はどうか、道路がどのように接しているかなどによって、評価額は違ってきます。

建物の固定資産税評価額の決定方法

建物の場合は、新築時は請負工事金額の約50~60%が目安と言われています。
ただ家の規模や構造、築年数などによって評価額が違っています。
一般的には、同じ床面積でも建物の作り(構造、建材や設備の質)によって固定資産税評価額は変わり、木造の建物よりも建築コストが高い鉄筋コンクリート造(RC造)の建物のほうが評価額が高くなります。

日本独特の風習で、建物が古くなれば当然価値が下がるので、その分を差し引きする必要があります。
築年数などによって算出された減価率という役所であらかじめ決めた数値があり、これを先ほどの評価額に掛け合わせれば、その建物の固定資産税評価額がでます。

固定資産税評価額から実勢価格を出す方法

土地の場合、公示価格に0.7がけすれば固定資産税評価額になることから、固定資産税評価額に0.7を割って、実勢価格(相場)を掴むこともできます。

相場は立地条件や形状等で価額が変化しますので3年に一度見直しされています。

不動産の売買、および所有で税金がかかるタイミングは全部で5つあり、これにはこの固定資産税評価額が大きく関係してきます。

簡単な固定資産税評価額の調べ方

固定資産税の納税通知書(納付書)

所有している土地た建物の固定資産税評価額を簡単に知る方法は、毎年送られてくる「固定資産税の納税通知書(納付書)」を参考にしましょう。

この「固定資産税の納税通知書(納付書)」中に「課税明細書」が有り、知りたい物件の固定資産税評価額が書いてあります。

役所で確認する方法

固定資産課税台帳を確認する方法でも確認できます。

この固定資産税台帳とは、各市町村が固定資産税の課税対象となる土地・建物の情報を記したものです。
毎年4月には期間限定で、自分の所有する土地・建物の評価額と、近隣の評価額を比較し、大きな差がないかを確認ができる縦覧制度もあります。
ただ、この確認では一部地域を除いて不動産売買時の証明にはなりません。
ゆえに『固定資産税評価証明書』の取得をお勧めしています。

管轄する市役所に所有者本人が本人確認書類を持参して、本人確認が取れれば固定資産税評価証明書を入手できます。
東京23区では都税事務所で入手が可能です。
ただし、発行手数料がかかってしまうので注意が必要です。

不動産に税金がかかる5つ(6つの場合も)のタイミング

不動産に税金がかかるタイミングは全部で5つあります。

②税金がかかる5つのタイミング

(購入時にかかる税金)
①不動産の売買契約した時(印紙税)
②入手した不動産の所有権移転登記をする時(登録免許税※)

(売却時にかかる税金)
③不動産を売買契約する時(印紙税)
④売却手続きの印紙税(登録免許税※)

このように、不動産を購入した時と売却する時で、2種類ずつ、それぞれの税金がかかってきます。
※登録免許税は必ずかかるということはありません。

そしてもうひとつが、不動産を入手してから売却するまでの期間にかかる税金、⑤固定資産税があります。場所によっては都市計画税もあります。

固定資産税とは?

資産(土地・戸建住宅・マンションなどの不動産や、事業で使用する設備など)に対して課さられる税金を言います。(償却資産も含む)
該当不動産が存在する市町村での課税ですので「地方税」になります。

賃借人も固定資産税がかかるの⁉

固定資産税は所有者(名義人)に課せられる税金であるため、賃借人の場合は払う必要はありません。
ただし、借地(土地は賃貸)に自己所有の建物を所有している場合は、当然ながら建物に対し課税されます。

④借地権と固定資産税

また、次に該当している場合は例外もあります。

【地上権者の場合】
地上権者とは、住宅・橋・トンネル・井戸などの建築物などを所有するために他人の土地を使う権利です。

【質権者の場合】
質権とは、債権の担保として質権設定者(債務者または第三者)から受け取った物(質物:不動産でも動産でもよい)を質権者(債権者)が占有し、その物について他の債権者を差し置いて優先的に弁済を受けることができる権利です。

固定資産税はいつ決まる?

毎年、1月1日現在で不動産(土地・家屋・償却資産)を所有している場合は、固定資産税を納税する義務が発生します。

1月1日現在となりますので、たとえば1月2日に不動産の売却をしたとしても、固定資産税はかかります。
反対に1月2日に不動産を購入した場合は、その年の固定資産税はかかりません。
※売買の場合は、実務上、売買移転した日をもって固定資産税は日割清算して買主に負担いただいております。

◎償却資産とは
ビジネス用の設備等が該当します。
たとえば、工場の設備(煙突・ヘリコプター)などが償却資産になります。

固定資産税のしくみ

固定資産税の納税義務者(納める人)

固定資産税の納税義務者は原則として固定資産の所有者です。

①固定資産税と軽減措置と特例

土地

土地登記簿または土地補充課税台帳に所有者として登記または登録されている人

家屋

家屋登記簿または家屋補充課課税台帳に所有者として登記または登録されている人

償却資産

償却資産課税台帳に所有者として登録されている人

納税義務者は、その固定資産の所在する市町村に納税することになります。

固定資産税の計算

固定資産税は、地価や建築物の違いでも異なります
たとえ、近隣であっても納税額が異なることは十分にあり得ます。

固定資産税の計算方法は、<固定資産税課税評価額に標準税率の1.4%を掛けた額>で算出されます。
ただし地域によって税率が異なる場合があります。

都市計画税について

話しは少しそれますが、ここで都市計画税について少し説明します。

都市計画税とは、例えば、道路建設・上下水道の整備・区画整理・公園などの都市計画事業・土地区間整理事業の費用に充てることを目的とした税金です。

ただし、固定資産税のように土地や建物を所有している人すべてが支払うものではありません。
あくまで、市街化区域内に土地・建物を所有している方が納める税金です。

これからマイホームを購入予定という方は、事前にその物件が市街化区域内であるかどうか確認されることをおすすめします。
確認方法として、自治体窓口・不動産会社の担当者・インターネット検索などいくつかあります。

市街化区域内に土地・建物を所有していると判断されるのは、毎年1月1日の時点です。
1月2日以降に住まいを購入した場合は翌年以降から都市計画税を払うことになります。

課税の基礎となる価額は、固定資産税と同じ(固定資産課税台帳に記載されている評価額)になります。

固定資産税との相違点は、税率が固定資産税より低い事と市区町村によっては課税されないところがあるということです。
都市計画税税率 評価額×0.3%
※地域によって税率が異なる場合があります。
また都市計画税の税率は制限税率であるため0.3%以上の税率は課税できません。

固定資産税の非課税・減免・免税点とは

固定資産税と都市計画税は、不動産を所有している限り課税され続ける税金です。
ただし、固定資産税に関しては減税を受けることができます。

固定資産税には、条件により対象となる非課税・減免、免税点があります。

非課税

◎非課税とは
地方税法により固定資産を課税することができないことを非課税と言います。

ただし、(国や地方公共団体等)(学校法人)(社会福祉法人)などが所有しており、本来の用途に使用されていて、地方税法で定められているものに限られます。

たとえば、公衆用道路・公園・学校施設・社会福祉施設などが対象になります。

減免

◎減免とは
市の条例により固定資産税が免除、減額されることを減免と言います。

公共のために使われているもの、火災等により損害を受けたものなどが対象です。

たとえば、公民館・児童館・運動広場・ゲートボール場・火災にあった家屋などが対象になります。

ただし、非課税も減免も、有償で貸しているものについては対象になりません。
また、非課税も減免も申請が必要となります。

免税点

同一名義人が所有する「土地・家屋・償却資産」のそれぞれの固定資産税課税標準額が次の額に満たない場合は、固定資産税は課税されません。

土地:30万円
家屋:20万円
償却資産:150万円

(例)土地の課税標準額29万円、家屋の課税標準額が25万円の場合
土地は30万円未満のため固定資産税は免税されます。
家屋は20万円以上となりますので、固定資産税は課税されます。
(25万円×1.4%)

住宅用地のみの特例

◎住宅用地とは
住宅用の土地を言います。

この特例により税金が少し安くなります。

たとえば700㎡の土地があった場合、200㎡を超える部分と超えない部分で分けられます。

200㎡未満の部分

建物が建っている場合が多いかと思いますが、狭い範囲である200㎡は、1.4%を直接かけるのではなく、まず、固定資産税評価額を6分の1にして1.4%をかけます。
200㎡までは、固定資産税評価額の6分の1までしか課税しませんという特例になります。

200㎡を超えた部分

200㎡を超えた部分については、同じく1.4%を直接かけるのではなく、固定資産税評価額を3分の1にして1.4%をかけます。
住宅用の土地で200㎡を超えた部分は、3分の1までしか課税しませんという特例です。

◎固定資産税評価額とは
行政(国土交通省)が定めたもので、固定資産課税台帳に記載された土地の公的価格や家屋の時価などを表したものです。
時価によって変動しますので、時価が高騰した時は固定資産税も高くなります。
そのため、3年に1度の見直しがおこなわれています。

(例)
固定資産税課税標準額が800万円で700㎡の土地の場合 

800万円×1.4%=112,000円
(固定資産税算出:固定資産税課税標準額×1.4%)

112,000円÷700㎡=160円/㎡
(1㎡辺りを算出)

200㎡×160円=32,000円
32,000円÷6=約5,300円
(200㎡の部分の固定資産税算出)

500㎡×160円=80,000円
80,000÷3=約26,600円
(500㎡部分の固定資産税算出)

約5,300円+約26,600円=約31,900円
(固定資産税額)

住宅用地特例

これは、「居住用として住む場合は、暮らしを考えて税金を減らそう」と言う考え方により、あくまでも住宅用地のみの特例となっています。

固定資産税を納税できない事情がある場合

固定資産税は毎年納めなければいけません。
納期は、「4月・7月・11月・2月」になります。

もし、固定資産税の支払いが延滞したり、払わなかったり場合は、延滞金がかかります。
さらに、財産を差し押さえられることもあります。

納税が厳しいときは、場合によっては、猶予・軽減や免除などが受けられる可能性があります。
猶予・軽減や免除は、状況によりますので、申請すれば必ず受けられるとは限りません。

「納税の猶予」を受けられる例

・災害や盗難の被害にあった場合
・本人(同一生計の家族を含む)が病気や負傷をした場合

「固定資産税の軽減・免除」を受けられる例

・生活保護を受けている場合
・高齢で所得が低い場合
・災害で損害を受けた場合

土地や家屋の価格に不服がある場合

固定資産課税台帳に登録された土地や家屋の価格について不服がある場合、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができます。

審査申出ができる期間は、固定資産課税台帳に価格等を登録した旨を公示した日から納税通知書の交付を受けた日後60日までです。

ただし,課税漏れ等により,縦覧に供した日以後における価格等の決定または修正の通知書を受け取った人は、その通知を受けた日から60日以内が審査申出期間です。

⑤地方税の窓口相談

いずれにしても、さまざまな詳細がありますので、固定資産税について、疑問や不明点がある場合は、固定資産の所在する市町村へ相談されることをおすすめします。

まとめ

今回は、固定資産税評価額の基礎知識や調べ方をはじめ、不動産を所有するとかかる固定資産税と、一部地域でかかる都市計画税、またその納税についてみてきました。

固定資産税評価額は、毎年の納税に関わりがあるだけではなく、不動産売買の際には登録免許税、不動産取得税などの目安となる指標ともなります。

固定資産税評価額は、私たちの生活に密に関係しているということです。

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