不動産の中でも 「中古住宅」を少しでも高く売る3つのポイント!

更新日2020-07-11 (土) 23:30:18 公開日2018年10月31日

ポイント

中古住宅を売りたいけど売るからには少しでも高く売りたいですよね。
これから中古住宅は売れるのでしょうか。
少しでも高く売るために何か条件や方法があるのでしょうか。

ここでは、中古住宅を少しでも高く売るための3つのポイントについてお話します。

ポイント①日本では中古住宅は売りにくい
ポイント②売れる商品=良質な物件に変えよう
ポイント③良質な物件(商品)にする方法

日本では中古住宅は売りにくい

中古住宅はなぜ売りにくいのですか?

まずは売主になられる方が、知っていた方が良い情報をお伝えします。
売るということは、とうぜん相手(買主)がいらっしゃいます。
これはまさに、売り手と買い手の、二人の間の相対取引となりますので、「商売」というふうに言いかえることができると思います。
商売では「相手の立場になって考えてください」とよく言われます。
これは、商売の鉄則です。

当然、これと同じことが不動産でもおこってきます。
“売主側の立場だけではなく、買主側のこともよく考えて、そのために役にたつものを提供することが大事”ということです。
つまり、買主側が、どのような考えをもっているのかということを考えた上で、“それに対応する物件(商品)になっているかどうか、ここをよく検証することが必要“ということになります。

【S4】中古or新築_s

世の中には、新築住宅もたくさんあります。
買い手側の立場で考えると、やはり中古住宅というものには、不安が大きいと思います。
もちろん金額の差はありますが、家を買うという選択肢の中に、新築住宅と中古住宅がある以上は、よほど魅力的な中古住宅でなければ、新築住宅と比べてどうしても見劣りしてしまいます。

中古住宅が売りにくい理由は他にもありますか?

仮に買主さんが、予算的なこと、立地的なことも含めて、「やっぱりこのエリアに住みたいけど、このエリアの新築は高いから中古住宅で買うしかない」あるいは「新築の必要はない、中古住宅でいい」と言われる方がいらっしゃったとします。
しかし、ここで、更にもう一段ハードルがあります。

そのハードルとは、その話が具体的になってきた時に、自分達(買主)以外の周囲が中古住宅を買うことに反対することがあるのです。
たとえば、中古住宅を買う話をご両親に話した(相談した)場合に、「中古住宅で大丈夫なのか?中古はやめておけ、中古を買うくらいなら少しお金をだすから新築を建てたらどうだ」そのような話がよくでてきます。
このようなことも、頭の片隅においていただけたら良いと思います。

売りにくかったとしても、少しでも高く売りたいのですが・・

ここまで、買主側の立場でのお話をしました。
ここからは、売主側の立場で考えてみます。
木造住宅の場合、築20年以上経ちますと建物としての評価額は日本では0円になっているのが現状です。
現実に今、売却を考えている家に住んでいる場合、これから先も、おそらく住むことはできると思います。
しかし、実際に査定にまわして評価すると、築20年以上経っている建物であれば、0円の評価でしかないのです。

ちなみに木造建物の価値がどのように評価されているのかを、延床面積(100㎡)で築15年と築20年で計算してみると次のようになります。

【S4】木造評価計算

・再調達価格とは
 建物を一度取り壊し、同じ場所に再度新築した場合の価格で、一般的に木造住宅はm2
 単価を15万円程度で計算することが多いです。
・原価額とは
 築年数によって減少する価格です。

これが、一般的な取り引きの商慣行(不動産の取り引きとして通常行われること)になっているというのが、残念ながら現実です。

これを考えますと、結局、売主さんは、建物の解体をして、更地にして売りに出さなければなかなか売れないという現実に直面します。
売主側に、そういった現実があるということも、今、中古住宅が日本では売りにくくなっているという1つの要素です。

それでは、中古住宅は売りにくくて、更に安く売るしかないのですか?

中古住宅は売りにくいということが、ご理解いただけたと思いますが、ただ、こうした売りにくい状況も、国の政策の転換や、さまざまな保護制度の整備などによって、中古住宅がだんだん流通しやすい環境が整ってきています。

安心R住宅001216539

(例)「安心R住宅」制度
(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)
既存住宅の流通促進に向けて、「不安」「汚い」「わからない」といった従来のいわゆる「中古住宅」のマイナスイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できる環境の整備を図るため、国土交通省の告示による「安心R住宅」制度(特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度)を創設しました(告示公布平成29年11月6日・施行平成29年12月1日)
国土交通省 安心R住宅


特に買い手側の意識の変化というものが大きく変わってきました。
先行き不安な経済情勢、将来的な仕事があるかどうか、そんな不安がある中で、「新築住宅(大きな買い物)を長い期間の住宅ローンを組んで本当に返していけるのか・・」そんな不安をもっている若い買い手の方たちがどんどん増えてきています。
そんな方々にとって、やはり質の高い中古住宅いうのはとても魅力的な物件にうつっているようです。

売れる商品=良質な物件に変えよう

魅力的な中古住宅にするための方法とは?

それでは、「魅力ある中古住宅、良質の中古住宅にするためには、どうしたらいいのか」

ここからは、そういった中古住宅を、売れる物件、より高く売るための条件についてのお話です。

①床面積は50㎡以上
②築20年以上〜33年前後の一戸建住宅
③建物検査の実施
④耐震基準適合証聖書の取得(リフォーム工事必要)

この4つの条件がすべてクリアできる方は、もしかしたら市場価格より高い金額で売る事ができるかもしれません。
「建物検査の実施」と「耐震基準適合証聖書の取得(リフォーム工事必要)」については後ほど詳しくご説明します。

反対にクリアできない方が、そのままの状態で売り出した場合は、たんなる中古市場の中での販売となります。
仮に築20年以上経っている物件は、売れたとしても、建物評価は0円で、土地の値段でしか売れず、もし建物が建っている状態であれば、解体費用を差し引いた金額、あるいは解体をして更地の状態で売り出すという売り方しかできなくなってしまいます。

良質な物件(商品)にする方法

良質な中古住宅にするための具体的な方法は?

■建物検査の実施

建物検査(ホームインスペクション)を実施します。
建物診断、住宅診断など言う場合もあります。

これは、住んでいる建物に対し、一級建築士や一定の資格をもった者が建物検査をおこなうことです。
この検査の結果、問題点があった場合は、リフォームなどで改修、改善をおこない、その状態で買い手側に提供することが大事です。
とくに構造的な問題につながりやすい“シロアリ・雨漏り・地盤” この3点は非常に重要なポイントになると思います。

NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会 
※建物検査(ホームインスペクション)は任意です。
政府・与党が中古住宅の流通市場活性化を促進するため、取引前の中古住宅についての建物検査(インスペクション)を徹底させる方針を示しており、重要事項説明にも任意項目として追加されました。

⓼日本ホームインスペクター協会

■耐震基準適合証明書

耐震基準適合証明書を取得します。
「今の耐震基準に適合している住宅です」という証明書です。
専門業者に依頼することになりますので、建物の大きさにもよりますが、平均で7万円〜10万円の費用がかかります。
費用負担については、売主・買主のどちらとも決まっていません。
しかし、売主が、この証明書を取得することで、買い手側に安心感を提供することができ、売却しやすくなります。
なぜなら、国が進めている住宅ローン減税というものがありますが、築20年以上の中古住宅の場合、買主は、耐震基準適合証明書がなければ減税を受けることができないということがあるからです。


■見た目の清潔感・デザイン性

【S4】リフォーム

見た目はとても大事です。
薄汚れた外壁、こけがはえているような屋根、そんな状態で見せられたら、いくら一級建築士の耐震基準適合証明書がでているとしても、やはりその物件を見に来た買い手側の人は、いい印象はもたれません。
そうゆう意味でデザイン性も含めて、見た目のリフォームにどこまでお金をかけることができるのか、そこが大事なポイントになるのではないでしょうか。




最大のポイントは信頼できる不動産会社との出会いです

【S4】信頼

今回はとくに3点に絞ってお話をしました。
なかなか一般の方は、この3点であっても、ご自身でそれを実践して、
その物件を気に入っていただけるような買主を探すのは難しいと思い
ます。

大事なことは、信頼できる不動産会社をみつけることです。
「建物検査」を実施した方いいか、「耐震基準適合証聖書」を売主側で
取得したほうがいいか、またリフォームをした方がいいか、そのあたり
のアドバイスや提案もしてくれます。


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