不動産売却、高くしかも早く売るなんて同時に出来ない!
更新日2020-07-11 (土) 23:32:30 公開日2018年11月26日
先に結論を書きますが、不動産は早く売るという事と、高く売るという事を並立することはとても難しいと言えます。
高く売るには、一般消費者(エンドユーザー)に売るしかなく、その方法は不動産会社を仲介として売却するしかありません。
その場合はどうしても時間がかかるものなのです。
不動産は株などと違い、売りたいからとすぐに換金するためには、不動産買取会社へ売るしか方法が無いのです。
エンドユーザーに売るには、仮にすぐに買主さんが見つかっても、買主の住宅ローンや登記上の手続など、約1カ月程度は時間がかかります。
また売買契約しても住宅ローンの承認が下りなければ、折角交わした売買契約も白紙解約にせざるを得ないことだって想定しなければなりません。
従ってどうしても、どんなに早くても現金を持って、住宅ローンを使わない買い手でなければ約1カ月はかかってしまうのです。
そのため、どうしても早く売りたいのなら、ローンが無い不動産会社への買い取りをお勧めするしかないのです。
不動産業者は即決してくれます。
資金的なこともありません。
但し、不動産会社は買取り後、もう一度リノベーションやリフォームをして売却することを前提として買います。
いわゆる商売として、不動産を買っています。
その物件を買い取ってから時間と手間ひまに利益を乗せて再販売するので、やはり安くしなければ買う事が出来ません。
逆にエンドユーザーは「検討するのに時間をください」「買うのに住宅ローンを使いたい」。さらには「ローンがつかなかったら白紙で解約させてください」など、時間のかかることばかりなのです。
特にネット社会になってからと言うもの、比較対象できる物件が多くなっているので検討する時間は約10年前の2、3倍にもなってきています。
検討した結果、良い物件でも「間取りが気に入らない」「場所が気に入らない」など、あなたが以前不動産を購入したとき同様色々な交渉をされてきます。
当然それ相当の時間がかかってしまいますし、なかなか決まらず時間が過ぎてしまうのです。
それでも不動産会社に売るよりは高く買ってくれます。
どちらを選択するのかは売主の自由です。
買い替えなどでどうしても売却しなければならない時期が決まっている場合や、早急にまとまったお金が必要な場合、時間をかけて不動産売却をしたくない場合などは、不動産業者向けの価格設定をする必要があります。
どちらも叶えることはできないのです。
例えば不動産会社に問い合わせに「できるだけ早く、なおかつ高く売りたい」というご希望が来ることがあります。
そんなとき、査定担当者はそのご希望には、基本的にはお断りするしかありません。
しかし、不動産会社も商売です。
そう簡単には鴨が葱抱えてやってきたのに、お断りするなんてするはずがありません。
早くということと高くという事を並立出来ないことは分かっているのに、そこはそこで一応は努力する素振りだけはするのです。
あなたに、猶予可能な時間だけ確認して、当初は仲介で高く売る素振りだけして、結果は不動産買取会社へ買い取らせることで決着させてしまうのです。
買取会社へ買ってもらわなくても、仲介会社が直接買い取るケースもあるでしょう。
実はこのケースが最も安く買いたたかれてしまうのですが、そこは上手に不動産仲介会社はごまかしてしまうのです。
できないことをできると言って期待されても困るとは言えず、上手にまな板の上に乗せ調理するように持っていくのが不動産仲介会社なのです。
不動産はこの世に一つと同じものがありません。
たった一人の買い手を探すということが高額成約に結びつけることなのですが、どれだけたくさん広告宣伝活動しても、たった一人にめぐり会うことは大変なことです。
そのため早く売るということは、たった一人よりたくさんの人が買いたいという値段を付けなければなりません。
当然そうなれば、安くしなければなりません。
いわば不動産売却とは、公開市場を使ったオークションと同じ原理なのです。
早く売りたいのなら、誰もが買う値段設定が必要になります。
これに対して、高く売るのは時間がかかります。
人にはそれぞれ好みがありますし、ライフスタイルだって違います。
買主さんも単なる価格だけで判断するのであれば、それほど難しい問題でもないかもしれませんが、それに好み、ライフスタイルなどが複雑な価格形成要因をなすため、単純な希望にも応えられないわけがあるのです。
万一を信じて高く売りたい気持ちもわかりますが、現実はそう甘くはありません。
そんな考えで、いつまで経っても売却できないで「さらし物件」になっている不動産は、たくさんあるのです。
不動産屋は千三つ屋
不動産屋を揶揄的に言う言葉に千三つ屋と言う言葉があります。
意味は、千にみっつしか本当の事を言わないという事なのですが、その通りに行動している不動産屋がとても多いのも事実でしょう。
なぜ、そうなってしまうか⁉
それは、ちょっと勉強して宅地建物取引士の資格を取り、おおよそ300万円程の資金さえあれば保証協会にも加入できてしまい、その後何千万円のもする不動産の売買を仲介することで、その一つの取引だけで売主さんから約100万円、もしこれが買主さんも直接見つけ売買契約させれば、その買主さんからも約100万円の合計200万円の利益をになるからなのです。
子お取引の場合、両手仲介となりますが、この商売には在庫は無く、純利益200万円ということにもなります。
そんな美味しい商売って他に無いのではないでしょうか。
そんな両手仲介を年2回行えば、年400万円の利益なのです。
しかも、定年が有りません。
そんなことで、不動産屋は全国に12万社以上も有り、その数コンビニ総数よりも多いとも言われています。
本当の事は言えない、言わない
だから、不動産屋は、そんなに美味しい商売だという事です。
しかし、売却における不動産営業の難しいところは、どうしても本当の事は言えない、言わないという事でしょうか。
本当の事を言えば、売却の委任を取得するなんて全然できなくなることでしょう。反対に初め「高く早く売ります」なんて嘘を言って売却委任を取得してもその後が大変になることは明白なのです。
嘘を言って売却委任を取っても売れるはずもなく、だからと言って売主に向かって「値下げしましょう」とも言えず、専任媒介契約や専属前任媒介契約のスタイルだったら2週間や1週間で業務報告をしなければならず、でも、販売価格が高いので、反響なんて無いのですが、問い合わせがあったという報告をして、その場をしのぐことしか考えていないのです。
そんなこんなで2、3カ月放置しています。
3カ月後の更新時期には、「内覧希望者が有ります、ただ、媒介契約が切れる後の予約なので、媒介契約は更新をお願いします。」というと言ってきます。
ただ、その内覧希望者はほぼ、不動産屋の用意したダミーでしょう。
そのダミーで内覧させ、その後ダミーの内覧者をダミーに購入希望者に仕立て大幅な価格交渉して売主へ認めるはずもない価格で購入交渉を仕掛けます。
ここで、大幅な価格を提示するので、ここで断られても、それはそれでいいのです。
初めから、価格を大幅に下げることを仕掛けることが目的なのですから。
その後は、パタリと問い合わせも無く、しかも内覧者も無いことを売主へ報告して、ここから先は「価格を下げなければ売れませんね」の一点張りで売主への説得の事ばかりになるのです。
はじめから、本当は高い価格でなんか売れないのですが、しかしそんなことを言っては他社からのアプローチに負けてしまい、媒介契約をもらえませんから、絶対に不動産屋は正直に言う事は無いのです。
いくら専任媒介契約を売主と締結しても、そんなことはお構いなしに直接売主さんに対して「当社がこの物件を売りますので任せてください」なんてアプローチをかけてくる業者もたくさんいるからです。
そうなると、売主さんだって心が動きます。
専任媒介を締結しているA社は値下げばかり言うけど、「今度来たB社はお客もいるようだし、値下げしなくても売れると言ってくれている。媒介契約も3ヶ月になろうとしているし、B社に任せようか」なんて思われるのが怖いのです。
しかし、これでは前出の査定の件との繰り返しなのですが、やはり売主さんにとっては良い言葉ばかり信じたくなります。
営業マンはそれを知っているので、本当のことが言えない場合もあるのです。
その結果、売れない時間ばかりが過ぎ去ってしまうのです。
「売主が悪い」と言っているわけではありません。
業界の仕組みが悪いのです。
騙す不動産屋、騙される売主
ただ、その仕組みによって騙されるのかは、一消費者の売主なのです。
不動産売買の現場では高額のお金が動きますので、不動産業者同士の仁義なき戦いは一消費者の売主の損として反映されてしまいます。
売主であるあなたが損をしないためには、あなたも情報を良く取ることをするしか方法がありません。
今は、情報を取ることで役に立つシステムが準備されています。
例えば、医療の現場でおなじみセカンドオピニオン。
あなたがしっかり勉強して不動産屋の千にみっつしか言わない本当の事実を知るべきかもしれないのです。
不動産売却委任先の決定権は、当然なことですが、基本的に不動産会社はありません。あなたにあります。
多数ある不動産会社から選ばれるのを待つだけなのです。
不動産屋は断られないように本当のことが言えない場合もあるのですから、しっかり情報を取ることで本当の事を言う勇気も必要なのかもしれません。
不動産売買とは、そういう微妙なところがあるので難しいのです。
まとめ
『早く売る』と『高く売る』は並立しません。
「よく、しかもく早く売ってください!」という方がいますが、そうそうあなたの希望通りに不動産は売れることはありません!
しかし、不動産屋はその本当のことが言えません。
断られるのが怖いのです。
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