不動産売却方法(不動産情報の公開と非公開)

更新日2020-07-11 (土) 23:36:54 公開日2019年2月5日

①マル秘

不動産の売却をする時、不動産情報を非公開(未公開物件とも言いますで売るという方法があります。

通常の売却方法と非公開で売却する方法のどちらを選択した方が“得”と言うことではありません。

なぜなら、売却する物件は、1つしかなく、1度しか売ることができないため、どちらの売却方法が良いかということを試すこともできないためです。

物件によって様々ありますので、物件ごとにケースバイケースで選択する必要があります。

ここでは、「不動産の情報を非公開で売るというのはどういうことなのか」「どんな物件のとき非公開での売却がいいのか」ということについてご案内します。

不動産情報公開での売却方法(通常の売却方法)

通常、不動産を売却する時は、次のステップで進行します。
①不動産業者へ査定依頼
②不動産業者の現地調査
③不動産業者と媒介契約締結
④売却活動開始

売却活動

④の売却活動では、レインズ、不動産ポータルサイト、不動産業者のホームページ、不動産専門誌、チラシ新聞折り込みやポスティングなど、できるだけたくさんの人の目について買主がみつかるように、幅広く情報を公開します。

不動産情報非公開での売却方法

不動産の情報を、誰にも公開することなく売却します。
通常とは、まったく逆の売却方法です。

情報を公開しなくても、または公開していないからこそ、高く売れる場合があります。

非公開物件とはたとえばどんな物件?

不動産を買いたいと思っている人は、通常、不動産業者に依頼したり、不動産ポータルサイトを見たりして買いたい家を探します。

しかし、なかなか良い物件がみつからない場合、「良い物件は、特別に隠してあるのではないか?」などと疑われる人も中には、いらっしゃいます。
そのような方は、「非公開物件=いい物件だから特別に隠してある」と考えていらっしゃるかもしれません。

②情報を隠す

実際は、不動産業者も、売らなければ何もなりませんので、いい物件だから隠しているということは、よほどのことがない限り、考えにくいと思います。

では、非公開物件とはどんな物件なのでしょうか?

▶ご近所に知られたくないという心理による物件

噂話

たとえば、住んだままで家を売りに出すパターンがあります。
「転居先がまだ決まっていない」という場合や、「マンションに住んでいて、新築の戸建住宅を買ったが、引っ越しができるようになるまでは、そのマンションに住みたい」というようなさまざまな事情によるものです。

住んでいる状態で売却するとなると、やはり、ご近所に、売りにだしている事実、売り出し価格などを知られたくないと思われる方が少なくありません。

このような理由から、不動産情報を公開することなく、非公開で売却をすすめるというケースです。

▶このケースのメリット

非公開となりますので、ご近所に知られることはありません。
誰にも知られず、ひそかに売却をすすめることができます。

▶このケースのデメリット

情報がどこにも公開されませんので、買いたいと思っている人がいたとしても、その物件をみつけることはできません。

非公開での売却を依頼した不動産業者がもっているお客様や、新たにその不動産業者に訪ねてきたお客様のみとなります。

言いかえれば、その不動産業者だけが買主さんをみつけることができるということになりますが、かなり範囲が絞られてしまいますので、売却するまでにとても時間がかかることになります。

非公開で売却した方が良い物件とは?

③非公開がいい物件

▶希少性がある物件

✿希少性がある物件とは
たとえば、原宿や渋谷などのめったに出ないような一等地の物件です。

なかなか出ないような物件であれば、それはとても希少です。
このような物件は、非公開で売却活動を行った方が良い場合があります。

「今出たばかりです!」
「今だったら買えます!」
「まだ非公開ですが公開されたらすぐ売れてしまいます!」
そのようなトークで営業することで、買いたいと言ってくる人が現れる可能性は大きいと思います。

しかも、本当に希少性のある物件であれば、少し高めでも買いたいと言う人もいます。

▶価格が高すぎる物件

たとえば、2億、3億・・5億などで売りにだす物件です。
一般的な住宅であれば、なかなか億を超えるとなると、買える人はかなり少なくなります。

そんな高額な不動産を買ってくれるのは富裕層の人たちです。
広く公開してしまうと、富裕層には届きません。

この場合も、富裕層と取り引きがある不動産業者に直接、非公開物件として話をもっていってもらった方が、希少性とあわせて、買ってくれる可能性は高いと思います。

▶面積が広すぎる物件

たとえば面積が200㎡の家となると、広すぎて、そこを買いたいという人は少なくなります。

この場合、希少性も含めて「なかなかでない広い家です!」というトークでもっていったほうが良い場合があります。

しかし、どんなに広くても、田舎の物件は非公開の意味はありません。
その場合は、通常の情報を公開して売却する方法で、多くの人に情報を届けた方が間違いありません。。

④田舎

非公開として売るメリット

▶希少性が出る

一般的ではない、希少があるということで、''多少売り出し価格を高めに設定しても買い手が現れる''可能性があります。。

▶特別感が出て購買意欲がアップする

限定

非公開ということは、「限定」ということになります。
たとえば、「限定商品!」「いまだけ10%OFF!」など、よく聞かれると思います。
そう聞くと、「その期間中に買おう!」となるのではないでしょうか。

このような言葉は購買意欲がアップするのです。
「特別に先に公開します!」と言うと、欲しいと思っている人の背中を押してあげることにもなります。

▶ご近所に知られない

先ほどお話しましたが、非公開であれば、ご近所に知られることなく売却をすすめることが可能です。

未公開として売るデメリット

情報を公開して売却する場合、非公開と比べると希少性はなくなります。
一般的に広く公開していますので、腕のいい不動産業者が、その情報を見て、バンバン拡散してくれます。
多くの人の目につき、本当に欲しいと思っている人に見てもらって、買主がみつかる可能性があります。

不動産情報を非公開で売却する場合は、その逆となりますので、それが最も大きなデメリットになるかもしれません。

希少性があるどころか、絞りすぎて、誰も情報を知らなくて、買いたいという人が、まったく現れない可能性もあります。

非公開で売却する時の不動産業者の選び方

非公開での売却は、不動産業者(営業マン)の人脈に大きく依存することになります。

不動産業者の人脈(顧客リスト)どれだけの顧客をかかえているかということです。
まったく営業力のない不動産業者であれば、非公開で売却しようとしても、売れるはずがありません。
非公開物件を預ける不動産業者は、厳選する必要があります。

非公開物件の流れ

非公開のステップは3段階あります。

▶ステップ1.不動産業者1社限定で売却

依頼した不動産業者の中だけで売却先を探すという方法です。
この方法は、かなり範囲を絞ることになりますので、不動産業者の営業力が大きく影響します。
場合によっては、売れない可能性が高いと思います。

▶ステップ2.他の不動産業者にも紹介して売却

依頼した不動産業者から、他社の不動産業者へ非公開情報を紹介するという方法です。
この方法であれば、それなりに情報は広まりますので、ステップ1に比べると、買い手が見つかる可能性は少し増えます。
非公開で売却する場合は、この方法が一番多いようです。

▶3.レインズに掲載

更にすすむと、”レインズ”といって、不動産業者だけが情報を確認できるサイトがあります。
このレインズの中だけで情報を公開するという方法もあります。

ただ、レインズに掲載してしまうと、不動産業者であれば誰でも見えてしまいますし、中には、そこから情報を流したりする業者もいますので、レインズに掲載した場合、未公開感はあまりないと思ったほうが良いと思います。

非公開での売却は、この3段階の手順を、上から順に攻めていき、徐々に広げながら、様子を見ていくことになります。

慎重に選択することが重要

⑤選択

不動産をどのような方法で売却するかは、ケースバイケースです。

希少性がある物件であれば確かに隠した方が良いのですが、どっちのパターンがより高く買いたいという人が現れるかというのはわかりません。

公開したあとに、非公開には出来ませんので、慎重に選択することが重要です。

原則としては、情報を公開して売却する方法が良いのではないかと思います。

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