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熟年離婚・介護離婚に至る原因とは…⁉

更新日2020-11-27 (金) 15:52:15 公開日2020年3月30日

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熟年離婚と介護離婚が重なるのは自然なことです。
若い時には、お互いに楽しいことや悲しい事も分かちあうことができるのです。
月日が流れお互いに年を取ってきたら相手を思いやる気持ちがだんだんなくなってきてしまいます。

子育てが終わり、やっと一息自分の時間ができたと思ったら、今度は「義理の親の介護??」 夫から妻へ介護の丸投げ⁉ 熟年離婚には、親(義理の親)の介護疲れで離婚を決断する人もいます。
少子高齢化によって、これからますます増加してくるのが、「介護離婚」です。

★目 次★

この記事の内容を【動画】でご案内しています。


介護離婚になりそうな5つの理由

離婚を決意するほどの介護疲れの原因を見てみましょう。

1 義理の親との不仲

普段から仲の悪かった義理の親を介護すること自体が嫌だと感じる妻は多いと思います。
前々から嫌がらせや文句を言われたり、偉そうな態度ばかり取っていた義理の親を介護したいと思わないです。

2 夫の非協力的な態度

妻が、自分の親の介護をすることをあたり前だと思っている夫は多いです。
普段から家事や介護を協力し、分担できていればよいですが、仕事を理由に、家事や介護を、妻に丸投げするような夫の態度にストレスが溜まってきます。
妻の介護疲れの愚痴さえ聞いてもらえないとますます介護へのストレスが溜まってしまい介護をがんばる気持ちがなくなります。
妻も仕事をし、家事もこなし介護まで・・・ハードワークで心がパンクしそうです。
「介護要員や家政婦ではない」と思い、だんだん介護をしながら「離婚しようか」と考えるようになってきます。

3 夫の兄弟姉妹が介護にまったく協力してくれない

兄弟姉妹が、協力して介護を行うほうが、一人ひとりにかかる介護の負担は少なくなります。兄弟姉妹が協力しないばかりか、介護の仕方に文句をつけるようなことがあれば、妻のストレスは増すばかり。一人だけで介護をしている孤独感もあります。
義理の親は、当然に夫の兄弟姉妹の親です。長男の嫁だからと言ってすべての介護をすべて押し付けられると不満がたまってしまいます。

4 貢献してもいたわってもらえない

法的には、義理の親の介護を妻が行う「義務」はないのです。
直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。(民法第877条第1項より)
扶養義務はその対象を『直系血族』としているため、直系血族ではない妻に同法から直接的な扶養義務は生じません。
直接的な介護義務を負うのは夫であり、妻もこれを扶助する「責任」があります。
妻は、常識や義理の親へのやさしさから介護をしているのにだれからも感謝されず
一人介護を行うことにだんだん気力がなくなり、悲しくなってきます。
夫や夫の兄弟姉妹から感謝の言葉「ありがとう」という一言でいいのです。
この言葉を聞いて、「また介護を頑張ろう」という気持ちが湧いてくるのです。義理の親の介護にもやさしくなるものです。

5 介護のほかの理由がある場合

夫の両親の介護中に夫が浮気・不倫・モラハラ・DVなどほかの問題があり夫婦関係が悪化し熟年離婚となるケースもあります。

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熟年離婚・介護離婚の回避法

この熟年離婚・介護離婚を回避することはできるのでしょうか・・?
少しのやさしさがあれば介護離婚を回避することができるとおもいます。

介護離婚を回避するいくつかの対処方をご紹介します。

1 夫婦で役割分担を決める

介護離婚を防ぐには、夫婦でよく話し合い・役割分担を決めることです。
今は、昔に比べ妻も仕事を持ち社会で働いている人も多いです。
家事や介護も役割分担を決め、夫婦で協力しながら行うことが一番です。
一人で孤独に介護に向き合っている人は、夫に協力を早い段階で要請することが大事です。

2 夫の兄弟姉妹に介護の協力をしてもらう

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があります。
兄弟姉妹も自分の両親のことなので介護にも協力してもらえるでしょう。なるべく早い段階で協力をお願いしておくとよいです。

3 介護サービスを利用する

体力的に限界を感じたら、介護ヘルパーに依頼するとよいです。
時間に余裕ができ、気分転換にもなります。
介護ヘルパーには気兼ねなくお願いできることでも、嫁にはお願いできないこともあるかもしれません。
介護レベルの親の場合、自宅を巡回してお風呂や食事の面倒も見てくれます。
介護は、一人で背負わずに介護サービスの協力をお願いしても手抜きだと思いません。

4 民間施設を利用する

自宅での介護に限界を感じたら、民間施設への入居も考えたほうが良いです。
要介護者の面倒を見てくれる施設も増えています。金銭的にも大事なことなので、夫や兄弟姉妹とよく相談して決めてください。

離婚を決めたら準備することは何?

夫や親族の協力が無く、精神的なストレスがたまり介護が原因で離婚を決めたらまず準備することをご紹介します。

1 お金の確保

介護離婚は、お金の確保が大切です。
介護離婚は熟年離婚になってきます。そのため、夫の退職金や財産分与で資金をきちんと確保してください。婚姻期間が長ければ、財産分与の金額の高額となります。
専業主婦だったら、夫の年金分割の制度もきちんと請求するようにしましょう。
請求期限は、離婚後2年間ですので忘れないでください。

年金分割方法とは2種類

① 合意分割・・・話合いや調停で分割の割合を決める

② 3号分割・・・専業主婦・平成20年4月1日以降の3号被保険者が対象
専業主婦の場合は、心配をしなくても離婚による年金分割の割合は自動的に2分の1になる
※年金分割で注意したいことは夫の年金受給「総額の半分」ではなく、婚姻期間中の厚生年金の半分になります。
 

2 新生活の準備をする

住居や仕事の確保をしましょう。
これからの生活には大事な事です。

介護離婚には離婚できるケースとできないケースがあります。

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離婚理由によって離婚が認められない場合があります。ただ単に、介護が嫌だから離婚したいだけだとできるものでもありません。

◎離婚できるケースとは

・夫婦間での話合いで同意できた場合
・夫婦関係が介護理由によって破綻している場合
  夫の介護への協力が全く無い
  介護の大変さをわかってもらえない
  介護施設への相談の話も聞いてもらえない

など法定離婚事由の「その他婚姻を継続し難い重大な事由がある」に該当する可能性があります。

◎離婚できないケース

・夫婦間での話合いで合意できなかった場合
・有責配偶者(妻)の場合

義理の親の介護を妻が行う義務は無いですが、介護義務を負うのは夫であり、妻もこれを扶助する責任があります。一人では、なかなかできないことでも親族の協力で快適な介護をすることができます。
夫や親族の協力を得られずに離婚を選ぶ方もいるとおもいます。その時は、一人で悩まず専門家や弁護士に相談することをおすすめします。

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