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母子家庭・父子家庭が新たな生活をするための支援制度について

更新日2020-07-11 (土) 22:04:29 公開日2020年5月4日

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母子家庭・父子家庭には、国から支援制度や手当があること知っていますか?
日本でも、3組に1組が離婚している現状です。シングルマザーとして、子育てするのに不安なことは金銭的援助です。その不安なことを、少しでも和らげるために今回は、国からの援助や特別手当や特別控除をご紹介します。

まず初めに、離婚したらもらえる可能性のあるお金からご紹介します。


★目 次★【基礎編】母子家庭・父子家庭が新しい生活するときの支援制度・手当について


初めに離婚したらもらえる可能性があるお金(離婚相手)

1 慰謝料

この慰謝料請求は誰でも請求できるわけではありません。精神的損害に対する損害賠償金になります。離婚に至る原因を作った有責配偶者に対して、精神的苦痛を被った他方の配偶者が慰謝料の請求をすることができるのです。

【離婚時に慰謝料請求できるケース】

・浮気など相手の不貞行為
・DVやモラハラなどの暴力行為
・生活費を渡さない
・専業主婦なのに家事をしないなどの悪意の遺棄
・長年にわたる性交渉の拒否・セックスレス
・嫁姑のいさかいを仲介しないなど

【離婚時に慰謝料請求できないケース】

・性格の不一致
・重度の精神障害
・自分にも何らかの非がある
・宗教上の対立
・すでに夫婦生活が破綻している状態での不倫など
離婚にあたって相手に慰謝料を請求するかどうかは、慎重に検討するとよいです。
離婚時に生じる慰謝料は、離婚の成立から3年間は請求できます。

2 養育費

養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用です。
養育費は永遠にもらえるわけではないです。一般には、成人(20歳)までとか、高校、大学などを卒業して就職できるまでの間に養育費を負担することが父母の間で決められています。

3 財産分与

財産分与とは、結婚期間中に夫婦が協力して築いた財産の事です。

【財産分与の対象となる財産】

・現金・預貯金
・株
・マイホーム
・車

【財産分与の対象とならない財産】

・結婚前に築いた財産
・結婚前に貯めた預貯金
・結婚前に購入した家具
・結婚後に親兄弟から贈与されたものや相続遺産

次に、各自治体・国からの援助や特別手当や特別控除をご紹介

離婚後母子家庭・父子家庭になって利用できる手当

1 児童手当
2 児童扶養手当
3 特別児童扶養手当
4 母子家庭(父子家庭)住宅手当
5 母子家庭の遺族年金
6 ひとり親家庭の医療費助成金制度
7 こども医療費助成制度
8 生活保護
9 児童育成手当

個別にご紹介します。

1 児童手当とは

全家庭に対象の制度で、国から子供がいる家庭に支給されます。

【対象年齢】

・0歳から15歳までの子ども
・15歳の誕生日後の最初の3月31日まで。中学卒業まで

【支給額】

児童の年齢 児童手当の額(一人あたり月額)
3歳未満 一律15,000円
3歳以上小学校修了前 10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円
0歳から中学生 所得制限限度額以上 5,000円
※「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいいます。

【支給時期】

原則として、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当を支給
例)6月の支給日には、2~5月分の手当を支給します

2 児童扶養手当

児童扶養手当とは、父母が離婚した児童、父または母が死亡した児童、父または母が一定の障害状態にある児童などの養育者に支給されます。
ひとり親家庭は、児童手当と児童扶養手当の両方をもらうことが可能です。

【支給対象者】

子どもが18歳の誕生日の後の最初の3月31日まで(障害児は20歳未満)支給されます。

【支給金額】

児童手当と同様に扶養人数や所得によって、支給金額が異なるので注意が必要です。支給区分は「全額支給」「一部支給」「不支給」の3区分に分かれています

【所得制限】

所得制限とは前年の所得が限度額以上ある場合、その年の8月分から翌年7月分までの児童扶養手当の全部または一部支給が停止となることを言います。

【全額支給される場合】

扶養者の所得などにより全額支給されないケース
・子供が1人のケース:月額43,160円
・子供が2人のケース:月額47,000円
・子供が3人目以降のケース:1人増えるごとに月額3,000円が加算されます。

【一部支給の場合】

扶養者の所得などにより全額支給されないケース。
計算式が用いられ金額に幅が出てしまいます。
一部支給の手当月額計算式:
本体額 = 43,160円 ―〔(受給資格者の所得額 ― 所得制限限度額(全部支給所得ベース))× 0.0230559 +10円〕
(例)親1人子ども1人 就労収入181万円(年額)、養育費30万円(年額)の場合
43,160円 ― 〔(124.7万円(※)― 87万円) × 0.0230559+ 10円〕=34,460円
※ 124.7万円=108.7万円(就労収入181万円の給与所得控除後)- 8万円(社会保険料相当)+24万円(養育費の8割)

支給制限限度額

税務上の扶養親族等の数受給者本人の所得制限限度額
(母または父、養育者)全部支給
受給者本人の所得制限限度額
(母または父、養育者)一部支給
不要義務者の所得制限限度額及び
孤児等の養育者の所得制限限度額
0人490,000円1,920,000円2,360,000円
1人870,000円2,300,000円2,740,000円
2人1,250,000円2,680,000円3,120,000円
3人1,630,000円3,060,000円3,500,000円
4人2,010,000円3,440,000円3,880,000円
5人2,390,000円3,820,000円4,260,000円

※厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課 (ひとり親家庭の支援について)参照
※①児童扶養手当の算定対象となる所得の範囲は地方税法の道府県民税についての非課税所得以外の所得等。
※②政令上は所得額で規定されており、ここに掲げた収入額は、給与所得者を例として給与所得控除額等を加えて表示した額。

3 特別児童扶養手当

特別児童扶養手当とは、精神又は身体に障害を有する20歳未満の児童の福祉増進を図ることを目的として、その児童の保護者に対して支給される国の手当です。
所得制限額を超える場合には手当は支給されません。

【支給対象者】

精神または身体に障害があるという条件が必要
・身体に障害があり、長期にわたる安静が必要な症状がある
・精神障害があり精神の発達が遅れている
・日常生活に著しい制限を受けている

【支給額(月額)】

特別児童扶養手当の金額は子供の人数と障害の度合いによって変わってきます。
支給額(令和2年4月分から)
1級(身体障害者手帳1〜2級・療育手帳A判定 )52,500円
2級(身体障害者手帳3〜4級・療育手帳B判定) 34,970円

【支払時期】

特別児童扶養手当は、原則として毎年4月、8月、12月に、それぞれの前月分までが支給されます。

4 母子家庭(父子家庭)住宅手当

母子家庭の住宅手当とは、母子(父子)家庭で20歳未満の子供を養育しているケースで、家族で居住するための住宅を借りて、月額10,000円を越える家賃を払っている人を対象としている制度です。地方自治体によっては、ひとり親家庭への支援制度として、住宅手当や家賃補助の制度を設けている自治体もあります。

【対象者となる条件】

・ひとり親家庭(もしくは母子家庭)である
・18歳未満(もしくは20歳未満)の児童を養育している
・民間の賃貸住宅に居住していて住民票の住所もその場所である
・6ヶ月以上(もしくは1年以上)その自治体に住んでいる
・申請者(シングルマザー)とその扶養者の前年所得が所得制限内である
⇒児童扶養手当の基準と同じ市区町村が多いようです
・生活保護を受けていない

【民間賃貸住宅とは?】

下記に属しない賃貸住宅であれば「民間賃貸住宅」になります。一軒家、アパート、マンションなど形態は問いません。
・社宅
・公営住宅
・官舎
・UR賃貸住宅
・元配偶者
・三親等以内の親族が所有する住宅

【申請に必要なもの】

・借家賃貸借契約書
・印鑑
・ひとり親であることを証明する書類(児童扶養手当証書、戸籍謄本など)
・申請者の銀行口座番号が確認できるもの(通帳等)
・住民税課税証明書(所得金額・扶養親族等の人数・所得控除額の内訳のわかるもの)(発行日より1カ月以内のもの)

【支給される金額】

支給される金額は市区町村によって異なりますが、平均で5,000円〜10,000円が相場です。

東京では、目黒区・江戸川区・板橋区・豊島区・新宿区・渋谷区・北区・荒川区・千代田区・文京区などでそれぞれ住宅費助成制度を利用できます。

5 母子家庭・父子家庭の遺族年金

母子家庭・父子家庭の遺族年金とは、夫もしくは妻が死亡した場合に受取れる年金が遺族年金となります。遺族年金の支給額は、加入している社会保障制度・家族構成によって受け取れる金額が異なります。

【遺族年金の種類】

・遺族厚生年金・・遺族厚生年金は、被保険者が会社員などで厚生年金に加入していた場合にのみ支給され、「子」がいなくても受給できる場合があります。
・遺族基礎年金・・遺族基礎年金は「18歳未満※の子がいること」が必須条件です。
※20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子。
 ※18歳になった年度の3月31日までの間にある子。
(受給要件を満たした国民年金または厚生年金保険の被保険者(被保険者であった方)が死亡した当時、胎児であった子も出生以降に対象となります。)

【遺族基礎年金 給付額】

18歳未満の子どもが1人・・年間1,004,600円
18歳未満の子どもが2人・・年間1,229,100円
18歳未満の子どもが3人・・年間1,303,900円
4人以降・・・・・・・・・・4人以降の子ども1人につき74,800円

【支給期間】

子どもが18歳になるまで(18歳の年度末まで)

【遺族厚生年金 給付額】

本人が受け取る予定だった厚生年金のおよそ3/4の金額が支給
【支給期間】
支給期間は、もう一方の配偶者が死亡するまで(但し、妻が夫の死亡時に30歳未満のケースでは、遺族年金の資格を失ってから5年間で停止)となっております。

6 ひとり親家庭の医療費助成金制度

母子家庭・父子家庭を対象に、世帯の保護者や子供が病院や診療所で診察を受けた際の健康保険自己負担分を居住する市区町村が助成する制度です。所得制限がありこの額を越えていると制度を利用できません。

【支給対象年齢】

・0~18歳に到達して最初の3月31日までの間の年齢の子供

【支給対象】

各市区町村によって違います
・18歳までの子供の医療費が無料となるケース
・入院や通院毎に一定の金額が助成されるケース
・薬局での自己負担額が無料となるケース

7 こども医療費助成制度

ひとり親世帯を対象に、世帯の子供が病院や診療所で診察を受けた際の健康保険自己負担分を市区町村が助成する制度です。

【支給対象者】

小学校就学前、小学4年生まで、中学卒業までなど市区町村によって対象者が異なります

【支給される金額】

各市区町村によって異なりますが、入院や通院毎に一定の金額が助成されるケースなどことなります

8 生活保護

生活保護とは、何らかの理由で働けない場合や働いても収入が少ない場合は、生活保護を受けることができます。国が必要な保護をして最低限度の生活を保障しながら、本人が自立することを目的とした制度です。

【生活保護には8種類の扶助】

①生活扶助・・日常生活に必要な費用
②住宅扶助・・アパート等の家賃
③教育扶助・・義務教育を受けるために必要な費用(学用品、給食費など)
規定の基準額を支給
④医療扶助・・医療サービスの費用
費用は直接医療機関へ支払われる(本人負担なし)
⑤介護扶助・・介護サービスの費用
費用は直接介護事業者へ支払われる(本人負担なし)
⑥出産扶助・・出産にかかわる費用
定められた範囲内で実費を支給
⑦生業扶助・・就労に必要な技能の修得等にかかる費用
定められた範囲内で実費を支給
⑧葬祭扶助・・葬儀のための費用
定められた範囲内で実費を支給

【支給対象者】

①援助してくれる身内や親類がいない
申込者の親や兄弟3親等以内の親類に扶養照会という書類が届き、申込者を援助できるかどうか確認が行われ、援助を受けられない場合のみ対象となります。
②資産をもっていない
貯金、土地(持ち家)や車などの資産をもっている人は対象外になります。
③働くことができない人
病気やけがなど、何らかの理由があって働けない人は生活保護を受けられます。
④月の収入が最低生活費を下回り、上記①~③の条件を満たしている

9 児童育成手当

児童育成手当とは、18歳までの児童を扶養するひとり親世帯が対象
各市区町村で受給制限が違ってきます。

【対象者】

・父母が離婚した
・父または母が死亡または生死不明
・父または母に1年以上遺棄されている
・父または母が法令により1年以上拘禁されている
・婚姻によらないで出生した
・父または母が重度の障害を有する
・父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた児童

【支給金額】

児童1人につき月額13,000から13,500円が支給。
金額は、市区町村によって金額は多少異なります。

まとめ

母子家庭・父子家庭世帯にはいろいろな支援制度や手当があります。
ただし、この制度は自分自身で市区町村の窓口に行って手続きが必要となっています。
自動的には、お金は振り込まれませんので、しっかりと情報を調べ利用しましょう。

次回は、母子家庭が利用できる減免と割引手当制度についてご紹介します。

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