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離婚後の戸籍・姓(苗字・名字)はどうする?どうなる?

更新日2021-07-09 (金) 17:14:16 公開日2019年12月14日

離婚することになったら
あなたや子供の戸籍(姓)はどうなるか決まっていますか?
姓(苗字・名字)は旧姓?
それとも結婚時のまま?

姓

離婚協議中は、離婚の条件(養育費・財産分与など)に目が行ってしまって「戸籍・姓(苗字・名字)がどうなるか、またどうするか」というところまで、なかなか気が回らない人が多いようです。

とは言っても、お子さんがいる場合は離婚後の「戸籍や姓(苗字・名字)をどうするか、どうなるか」という問題はとても重要になってきますので、前もって考える必要があります。

ここでは、離婚した後の、自分と子どもの戸籍、とくに姓(苗字・名字)に対する選択肢や手続き方法、メリット・デメリットについて解説します。


★目 次★


離婚後の姓(苗字・名字)はどうなるか

日本の法律では夫婦同氏が定められているため、結婚をすると、もともとの実家の戸籍から夫または妻(どちらか)の戸籍に入り姓(苗字・名字)が変わります。
そして離婚が成立すると、結婚により姓(苗字・名字)が変わった人はその戸籍から除籍され、通常であれば、さらに姓(苗字・名字)が変わります。

離婚により戸籍から除籍される妻には次の選択肢があります。
①「復氏(ふくうじ)」:婚姻前の姓(苗字・名字)に戻る
②「婚氏続称(こんうじぞくしょう」:婚姻中の姓(苗字・名字)を継続して使用する

仮に元妻が①「復氏(ふくうじ)」を選択して婚姻前の姓に戻った場合、子どもの姓(苗字・名字)はどうなるでしょう。

(例)「元妻が子どもの親権者になる」
この例の場合どうなるかというと、戸籍にともなう手続きを何もしていないのであれば、離婚後の戸籍上の子どもの姓(苗字・名字)の変更や子どもの戸籍の移動は変更されません。
つまり離婚したあと、子どもの親権者となった元妻が、子どもと一緒に新たな生活をはじめたとしても、母親と子どもが同じ戸籍、同じ姓(苗字・名字)にはならないということです。

母親と子どもの姓(苗字・名字)が違うということになれば、いろいろと不具合やトラブルが発生します。
そのような理由があることから、離婚後も②「婚氏続称(こんうじぞくしょう」を選択して婚姻中の姓(苗字・名字)を継続して使用する人も少なくありません。

このように子どもがいる場合は離婚した後の「子どもの戸籍がどうなるか、どうするか」という件はとても大きな問題になります。

婚姻時と同じ姓(苗字・名字)を名乗りたいとき

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画像の説明

婚姻中の姓(苗字・名字)を名乗りたいときの方法について説明します。

離婚の日から3ヵ月以内に、戸籍法上の「婚氏続称届」を提出する必要があります。(婚氏続称制度)

婚氏続称制度とは、離婚の日から3ヶ月以内に戸籍係へ届けることによって婚姻中の姓(苗字・名前)を名乗ることができるという制度です(民法767条2項)
可能であれば離婚届と同時に提出するのがスムーズです。

「婚氏続称届」の入手方法

・全国の市区町村役場の戸籍担当窓口
・各自治体によってはホームページからダウンロードも可

「婚氏続称届」の提出先

結婚していたときの本籍地の役所(戸籍係)への提出するのが一般的ですが、新しく戸籍をつくる役所の戸籍係へ提出することも可能です。

婚姻時の姓(苗字・名字)を名乗っていたけどやはり旧姓に戻りたいとき

「離婚したあと婚姻時の姓(苗字・名字)を名乗っていたらもう変更できなくなる?」という疑問も出てくると思います。
このケースの場合はどうなるでしょう。

結論を言えば戻すことは可能です。 
ただし、家庭裁判所に「氏の変更許可の申立て」(戸籍法107条1項)をする必要があります。

「氏の変更許可の申立て」は必ず認められるのか?

※氏の変更許可の申立てをしたときに、どういった理由のときに許可になるの?
・氏の変更が認められるためには,社会生活上,氏の変更をすることに「やむを得ない事由」があることが必要です。「やむを得ない事由」とは,氏の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合をいうとされています。裁判官は,申立てに「やむを得ない事由」があるかどうかを審理し,判断しますが,一般的に,姓名判断を理由とするものは認められていません。

「氏の変更許可」の申立てをするときの必要事項

1 申立人
 申立人は「戸籍の筆頭者及びその配偶者」です。

2 申立先
・申立人の住所地の家庭裁判所

3 申立てに必要な費用
 ・収入印紙800円分
 ・連絡用の郵便切手

4 必要書類

① 申立書

② 標準的な申立添付書類
・申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
・氏の変更の理由を証する資料
・同一戸籍内にある15歳以上の者の同意書
※審理によって、追加書類の提出が必要なってくることがあります。
 同じ書類は、1通です。

簡単に、姓(苗字・名字)を戻すことができませんので慎重に手続きをしましょう。

子どもに元妻の旧姓を名乗らせたい場合

「子の氏の変更許可申し立て」を家庭裁判所に対して行う必要があります。
この手続は子どもの住所地にある家庭裁判所に対し、子どもが15歳以上であれば本人から、15歳未満であれば法定代理人である親権者から行なうことができます。

「子の氏の変更許可申し立て」の手続きをした場合、子どもの姓(苗字・名字)はもう変更できないのか?

「子の氏の変更許可申し立て」の手続きをした場合、子どもが成年になってから1年以内であれば、家庭裁判所の許可なく、子どもの姓(苗字・名字)を戻すことが可能です。

申立先

子どもの住所地の家庭裁判所

申し立てに必要な費用

・収入印紙800円分(子ども1人につき)
・連絡用の郵便切手

申し立てに必要な書類

・申立書
 書式記載例(子どもが15歳以上の場合)
 書式記載例(子どもが15歳未満の場合)
・申立人(子)の戸籍謄本(全部事項証明書)
・父・母の戸籍謄本(全部事項証明書)(離婚記載のあるもの)

参照:裁判所(この氏の変更許可)

画像の説明

画像の説明

婚姻中の姓(苗字・名字)を名乗るときのメリット・デメリット?

メリット

・姓(苗字・名字)が変わらないため離婚の事実をまわりに知られない
・銀行・クレジットカードなどの名義変更不要
・子どもがいる場合、子供の姓(苗字・名字)を変更する必要がない

デメリット

・離婚して「これから再出発」と思っても婚姻時のままの姓(苗字・名字)であれば気持ちの整理がつきにくくなる
・ケースによっては元夫の姓(苗字・名字)を名乗ることの違和感や抵抗を感じるようになる
・離婚→再婚→離婚と離婚を繰り返すことになった場合、旧姓に戻れなくなる
※離婚後に戻せるのは「ひとつ前の姓(苗字・名字)」に限られるという決まりがあります。

旧姓を名乗るときのメリットデメリット

メリット

・精神的なリセットができる
・離婚→再婚→離婚と離婚を繰り返すことになったとしても旧姓に戻ることができる

デメリット

・姓(苗字・名字)が変わることで周りに離婚が知られてしまうことになる
・銀行・クレジットカードなどの名義変更が必要になる
・場合によっては母親と子どもの姓(苗字・名字)が違うことになる
※子どもの姓(苗字・名字)について
子どもにとっては、生を受けた夫婦の姓(苗字・名字)が1つ目の姓であるため、離婚時に自動的に旧姓に戻った元妻と同じ姓(苗字・名字)になることはありません。

まとめ

今回は、「離婚後の姓(苗字・名字)はどうなる?どうする?」というお話をしました。

姓(苗字・名字)はずっと付き合っていくものです。
手続きには期間も限られています。
「離婚したあとの自分や子どもの苗字(名字)はどうなるのか、どうするのが一番いいのか、その他手続き方法」などを前もって慎重に考えることが大切です。

この記事の内容を【動画】でご案内しています。



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