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親族間売買、親子間売買時の住宅ローン利用法|住宅ローンアドバイザーが解説!

更新日2020-07-11 (土) 22:22:56 公開日2019年12月14日

親族間売買時の住宅ローン借入方 (1)

ここでは親族間売買における住宅ローンの利用方法を、親子間の不動産売買を例にとり、Q&Aの形式で解説します。
親族間売買時には住宅ローンをはじめ融資の取り付け方が少々面倒なことで有名なので、ここを読んでローン取付で失敗しないようにしましょう。

★目 次★【親族間売買時の住宅ローン利用法について、手順や注意点を詳細解説】


親族間売買に住宅ローン利用は利用できますか?

親子間で不動産売買をしようと考えています。不動産を親子間売買することは可能ですか?また可能な場合、住宅ローンの借入も行いたいのですが、親子など親族間売買時にはどのような点に注意して、どう進めたらいいか教えてください。

親子間の背景は、
親:築10年の一軒家で、住宅ローン借り入れ残が1700万円程有り。既に仕事の都合で海外赴任し夫婦で居住中
子:会社員として7年目。年収450万円。マイカーローン残が100万円有り。

答え・はい条件付きで可能です。

この状況では、親子間売買し、買い手の子供が新規に住宅ローンを組む事が可能でしょう。
親子間で不動産売買を行う事は違法でもなんでもなく可能です。日本ではだれがだれと不動産を売買しても法に抵触するような事は有りません。
親子間売買は親族間売買の中の一種と言えますが、ただこの親族間売買では住宅ローンの利用に大きな制限が有り、銀行等各金融機関ではなかなか利用させてくれないのが実情となっています。
但し全く不可能かと言うとそうでもありません。よく探せば住宅ローンを利用させてくれる金融機関は有ったりします。



親子間売買など親族間売買時に住宅ローンを利用したい時の方法、借入手順、気を付けるポイントは以下の通りです。

親子間売買など親族間売買時に住宅ローンを利用したい時の方法、借入手順、気を付けるポイント

まず親が既に住宅ローンを組んで一軒家を買っているときに、住宅ローンが残っている一軒家を住宅ローンが残ったままで売買する事も、生前贈与する事も違法ではありません。

ただ、注意しなかればならないのは、法律ではなく住宅ローンを借り入れしている金融機関との住宅ローン契約です。

この住宅ローン契約を金銭消費貸借契約と言い、もし、住宅ローンが残っている一軒家を親から子供へ売買し、または生前贈与し、そのうえで所有権移転までしてしまったときに、金融機関はこの金銭消費貸借契約の約定に従い、競売してしまう可能性があるという事を知っておいた方が良いのです。
ゆえに、住宅ローンが残ったままの家を、住宅ローンが残ったまま売買する事は事実上難しいと言えるでしょう。

負担付き贈与と親族間売買、住宅ローンを利用したい時、どちらが良いの?

よく、売主の住宅ローンを買主が支払うことを前提とした親族間贈与(又は売買)をできないかと質問を受けます。
これを『負担付き贈与』と言いますが、この負担付き贈与も違法ではありませんが、ハッキリ言って住宅ローンを組んでいる銀行が負担付き贈与は99.9%認めません。
これはその他の親族、兄弟姉妹間や親戚間でも同じです。

親族間売買時の売主名義の住宅ローンの買主への変更は難しい

仮にお願いしても、銀行には住宅ローンの名義変更という概念がそもそも無いので、お願いをしても全く相手にされません。
負担付き贈与は認めないと、住宅ローン借入時に借入利用者と契約する金銭消費貸借契約書にしっかり記載されています。
住宅ローンは借入する本人を審査して融資するローンなので、名義変更という考えは無いのです。
なお、負担付き贈与より親子間売買の方が、銀行にとっても貴方にとっても手続きが簡単です。

親の所有する住宅ローンのまだ残っている不動産を、その子供が買い受けるとき、負担付き贈与にするより、親子間売買し、子供が新規で住宅ローンを組み親の住宅ローンを全額返済した方が、負担付き贈与よりとても簡単でスムーズなのです。

銀行融資(ローン)の解決には、親族間売買すべし!

親族間売買とはその名の通り親と親族間で売買する事を言い、親子間なら親子間売買、兄弟間なら兄弟間売買、夫婦なら夫婦間売買といい、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を親族、それらの間で売買する事を総称して親族間売買と言っています。

ただ、この時、最も注意すべきは税務署から『みなし贈与』とされない事です。

親族間売買時の売買価格

住宅ローン

親族間売買時の売買価格は、一般的に流通するであろうと考えられる相場金額(時価)でないと、税務署から売主から買主への贈与と認定される場合があります。
もし時価3000万円の一戸建てを2000万円で兄から弟へ売った場合、この差額1000万円が兄から弟へ贈与が有ったとみなされ高い税率で有名な贈与税が掛けられるのです。

これを『みなし贈与』と言います。

みなし贈与が有ったとして贈与税を掛けられない為には、少なくとも時価相当額で売買取引にする必要が有ります。

なお、よく不動産鑑定士の鑑定が必要になりますかとの質問を受けますが、余程広大な土地や大きなビルなどでない限り鑑定までは不要です。

親族間売買と銀行

ただ、親族間売買に銀行は積極的に住宅ローンなどの融資をすることは有りません。

なぜなら、親族間売買は利益相反関係が成り立たず、売買価格の妥当性、融資資金の使い道、兄弟の借金の付け替えなどを疑い、そのような行為を嫌うからなのです。

なお住宅ローンを貸し出す金融機関は、みなし贈与を嫌いっていますから、住宅ローンを利用するときは時価相当額で売買取引する必要が有ります。

金融機関の全部が全部、親族間売買時に住宅ローンの利用を禁止しているわけではありません。
ただ、住宅ローンを借り入れたいなら、最低限必要な作業が有りますから、知っておきましょう。

親族間(親子間)売買に住宅ローンを利用する方法

住宅ローンを借り入れるなら、不動産業者(宅地建物取引業者)の作成する重要事項説明書と売買契約書が必要です。絶対的に住宅ローンが借りられるかはわかりませんが、少なくともこの書類2つが無いと融資可能な場合でも不可能になります。

よく不動産売買になれた司法書士や行政書士にシンプルな売買契約書を作成してもらって、その後銀行に行き住宅ローンの借り入れできるかどうかを相談しましょうというサイトを見かけますが、100%絶対にこの方法では住宅ローンの借入は出来ません。

司法書士や行政書士は不動産売買での専門家ではありません。
また銀行の求める書類も作成できないのです。

故に、住宅ローンの利用を考えている方は宅地建物取引業者(宅地建物取引士)の作成する2つの書類が必要になります。
但し、売買した後の所有権移転登記は売買当事者本人か司法書士しかできません。

住宅ローンの借入手順

親子間売買でも住宅ローンの借入方法は第三者と行う売買と同じです。銀行の対応もほぼ変わりません。

その流れを順をおって説明しましょう。

①銀行に事前審査を申し込む

中谷寛理事

住宅ローンの事前審査とは、「この価格であれば融資の事前承認をしましょう」という借入尺度を得ることです。
この制度のメリットとして、重要事項説明、売買契約書締結を行う前に審査を受けて、その結果によってローン借入が出来そうかどうかを知る事ができるというところになります。最近では、ほとんどの金融機関で住宅ローンの事前審査制度を導入していますし、その斡旋を不動産業者も行えます。なお審査には費用はかかりません。

売買契約締結前に、借り入れ可能限度の試算・住宅ローン返済の目安が解りますから、「借りられるの借りられないの⁉」とか「幾ら借り入れられるのか全く分からないんだけど・・・」と心配しなくて済みます。

事前審査の方法は、各金融機関の所定の申込書にご住所・お名前・お勤め先など必要事項を記入して申し込みます。
この審査には金融機関に赴くことはほぼ有りません。仲介者の不動産業者が取り持ちます。また費用はかかりませんが、ご購入者様にご用意頂くものがあります。
ご用意頂くものは以下のものです。

 1)ご印鑑(お認印で問題ありません)
 2)ご本人様確認資料(免許証・健康保険証・パスポートなど)
 3)所得証明資料(源泉徴収票など)

上記が揃えばほとんどの方は審査ができます。
(お客様により変わる場合があります。詳しくは担当者までお問合せください。)

買う物件が担保不足な場合、住宅ローンは組めません。
借りられる可能性が一番高いのは、売主が借りている銀行です
買い手の個人情報等に問題が有るとき(ブラックリスト)、どの銀行であっても住宅ローン審査は通りません
売主が住宅ローンを滞納していると少々話は変わりますが、物件の担保不足・個人情報・借入条件いずれにも問題がないなら承認されます。

②事前審査がパスしたら重要事項説明書、売買契約書を作成する

重要事項説明書は、不動産取引時における契約前の段階において、物件などに関する重要事項の説明を行うことをいいます。
実際には宅地建物取引業法に則って、専任の宅地建物取引士が、売買する不動産について事細かくその状態を説明したり、売買についての取り決めなどを説明したりします。

売買契約書は売買する物件をどのように売買するのかを決め、売主買主がそれぞれに決め事を守ることを約し署名押印します。
親が海外在住の場合には、日本国内に非居住者の売買に手慣れている不動産会社でないと後手後手になる可能性がありますから注意しましょう。
YUIKAの場合、この日本国内に非居住者の売買に手慣れている不動産会社をご紹介できますからご安心ください。

③金融機関(銀行)に本審査を申し込む

事前審査でパスしている金融機関へ重要事項説明書、売買契約書やその他申込に必要な書面を添えて申し込みます。買主ご本人が金融機関の窓口に赴いて申し込むことになります。
この本審査完了までには通常約2週間から1カ月かかります。

④本審査がパスしたら銀行と金銭消費貸借契約書を締結する

上記の本審査にパスしたら、金融機関へ赴いて銀行の用意する金銭消費貸借契約書を締結します。この時金融機関所定の手数料が掛かります。

⑤銀行から住宅ローン融資実行と共に売買決済を行う

金銭消費貸借契約書締結から早ければ3日~1週間後に融資実行が可能になりますから、その日を決めて売買決済を執り行います。
このとき、売主、買主、仲介不動産会社、司法書士が借入先の金融機関に勢ぞろいして売買に立ち合い決済を進めます。住宅ローンの実行は売買種類が全て揃ったら銀行から即実行されます。
なお親が海外在住の場合には、日本国内に非居住者の売買に手慣れている不動産会社でないと後手後手になる可能性がありますから注意しましょう。
親が日本に帰ってこなくても売買決済が可能な方法がありますが、ほぼ多くの不動産業者がその方法を知りません。
YUIKAの場合、この日本国内に非居住者の売買に手慣れている不動産会社をご紹介できますからご安心ください。

⑥所有権移転登記、抵当権設定登記をする。

売買決済に立ち合った司法書士が所有権移転登記、抵当権設定登記を不動産所在地の法務局へ申請し登記します。
所有権移転登記とは、売主から買主へ所有者名義が変わったという事の登記で、抵当権設定登記は住宅ローン借入ましたので担保設定しましたと言う登記になります。

⑦税務署から移転に関するお尋ね書が来ます。

売買完了から数か月後(通常4カ月後から5カ月後)に税務署からお尋ね書が来ます。このお尋ね書には売買代金やその方法を買いて提出します。

⑧確定申告をする

売買を終えた年の翌年の確定申告期日(通例2月15日から3月15日まで)に売買について確定申告します。売主に利益が出た場合は譲渡所得税の申告が必要になります。また買主に贈与税がかかる場合には贈与税の申告が必要になります。


この贈与税がかからないようにする為に、またできれば売主の譲渡所得税がかからないようにする為に、結局は、親子間でもその他の親族間でも、相場価格(時価)で売買しなければいけないと言え、しかも住宅ローンを利用したいなら不動産会社の仲介を利用するしかないと言えるのです。

親族間売買時の住宅ローンの金利

親族間売買時の住宅ローン利用は、けっこう難しいという理由を確認していただきましたが、それでもどうしても親族間売買を行いたいという方もいるでしょう。
それではどうしても住宅ローンを利用したいとき、利用できる数少ない金融機関の対応をご説明しましょう。
まずは金利についてです。
住宅ローンの金利は、他のローンの金利と比べとても低いというのが現状です。
例えば不動産担保ローンの短期レート対応変動金利が実質3.5%のとき、住宅ローンの金利は変動で0.5%だったりなのです。
しかし、親族間売買時の住宅ローン金利はこれより少々高い場合は多いです。
例えば、変動金利で0.7%だったり、0.9%だったりです。

親族間ではない第三者間で行う不動産売買時の住宅ローンの実行金利より約0.2%から0.4%高い可能性があります。

では次に借入が比較的緩やかな金融機関をご紹介しましょう。

親族間売買時に借入可能な金融機関

親族間売買時に借入可能な金融機関は全く無いかと言えば、全く無い訳ではありません。
ただ、その時々により融資可能な金融機関が違いますから、その都度最新の情報を注意する必要が有ります。
親族間売買に慣れた不動産業者なら、それらの動きも把握しているはずですので、売買時はやはり親族間売買に慣れた不動産会社を利用すべきでしょう。
一般社団法人 結い円滑支援機構(yuika)では、親子間や親族間売買時に住宅ローンや不動産担保ローンなどの利用可能な金融機関を多数把握しておりますので、どうぞお問い合わせいただければと存じます。

なお、金融機関の対応は適時変更しますので、その都度最新情報で確認しましょう。

親族間売買時の住宅ローンの組み方・まとめ

兄弟姉妹や親子など親族間で不動産を売買する時の住宅ローン利用は、多くの金融機関で申し込みの段階においてほぼ断られる状況にあります。
断りの理由は、通常考えられる申込者の返済能力や担保評価などの問題でなく、資金使途の問題として断るケースが多いのです。

これは金融機関ごとに定めている住宅ローンのルールなので、年収が多く返済能力に何ら問題がなくても利用そのものをできないようにされていると言っていいでしょう。

ただ、住宅金融支援機構のフラット35などのように、不動産業者による重要事項説明書、売買契約書など通常の契約と同様の書類があり、売買価格もしっかり担保されているようなケースの場合、通常の住宅ローンと同じように対応している金融機関も多少ですが有りますので、実際に親族間売買時に住宅ローン利用を考えている場合は、実績のある不動産業者に相談するようにしましょう。

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