相続した不動産の売却:このしくみを知らない人は損をする!

更新日2020-07-11 (土) 22:10:10 公開日2019年1月16日

不動産業者の担当者(営業マン)は、相続した不動産の売却を狙っています!
表現はよくありませんが、相続した不動産というのは、営業マンにとって、とってもおいしい物件なのです。

①相続不動産はおいしい

なぜかと言うと、相続不動産の多くは、相続された人たちに、ある事情があり、その事情を営業マンが良く知っているからです。
そこには、営業マンにとって、おいしい物件となる「しくみ」があります。

相続した不動産の売却を依頼する時、この「しくみ」を知っている人と、知らない人とでは、最終的に手元に残るお金に大きな差がでてしまいます。

ここでは、損をしない不動産の売却がおこなえるように、相続された人たちのご事情や、営業マンにとってのおいしい「しくみ」についてご案内します。

🌸不動産を相続した人の事情とは

通常の不動産売却でも、さまざまな理由により、売却を急がれる売主様がいらっしゃいますが、相続した不動産の場合、特に、多くの人が急いで売却することを希望されます。

この「相続した不動産を早く売りたい」という事情こそが、営業マンにとっておいしい結果になるのです。

不動産を相続した人が「早く売りたい」と希望する中で、代表的な事情を2つご案内します。

▶税金(相続税など)の納付

②相続税

相続した不動産の場合、代表的な税金として相続税がかかります。

相続税には、申告期限(税務署に申告書を提出する期限)があります。
申告期限:「お亡くなりになったことを知った日の翌日から10カ月以内」

期限までに提出しなかった場合は、加算税や延滞税がかかってきます。

また、相続税の納付期限(納税額を税務署に納付する期限)も申告期限といっしょです。
期限内に申告しても、納付されていない場合は延納税がかかる場合もあります。

これは、相続された方が、不動産を売ったお金を相続税等の納税資金に充てたいため、売却を急がれるケースです。

▶現金化して相続人で分ける

③売却して現金を分ける

相続した不動産を売って現金化し、相続人の方々で分けるというケースです。

相続不動産でも、中には売却を急がれない方もいらっしゃいますが、それぞれのご事情があり、早く売却して現金で分けるというケースがほとんどです。

🌸おいしいしくみとなる流れ

▶スタートから売却活動まで

流れA-E

A:売主(相続人)⇒税理士・弁護士

相続した不動産の場合、相続税等の問題もありますので、税理士や弁護士の先生に相談される方が多くいらっしゃいます。

B:税理士・弁護士⇒不動産業者

相談された結果で、不動産を売却することになった時、税理士や弁護士の先生から不動産業者を紹介されるケースが多くあります。

C:売主(相続人)⇔不動産業者

不動産の売却依頼をするために、売主(相続人)と不動産業者で媒介契約を結びます。
不動産業者は売却活動を開始します。

D:不動産業者の売却活動

不動産業者は売却活動を開始するのですが、この時、多くの不動産業者は、一般の購入希望者(買主となる人)は探しません。
どうするのかと言うと、買取業者に不動産の買取りを打診するのです。

なぜなら、一般で買主を探す場合、とても時間がかかりますが、買取業者に買い取ってもらう場合は、「いつ・いくらで売れる」ということがすぐ明確になるからです。

買取業者から、買取価格を受けて、お客様に、「〇千万円で買いたいという人がいます。お客様がこの金額に納得されるのであればすぐに決まります。お金はすぐに入ってきますので安心です」というようなことを言ってきます。

相続不動産で「早く売りたい」という事情があるお客様の場合、すぐに納得されることも多くあります。

E:不動産業者⇔買取業者

売主(相続人)が納得された場合、買取業者とも媒介契約を結びます。
このことで、売主(相続人)買主(買取業者)になります。

▶営業マンにとっての更なるメリットとは

おいしい結果になるしくみはこれだけではありません。
買取業者に売ることは、即決できるだけではなく、営業マンにとって、更に大きなメリットがあります。

それは何かと言うと

F:買取業者⇒不動産業者

画像の説明

買取業者は、通常、買い取った物件のリフォームなどをして、次のお客様へ売却します。
営業マンは、買取業者がリフォームをして次のお客様へ売却する時、その情報を教えてもらうことを条件に買取業者に売るのです。

リフォーム終了後、不動産業者と買取業者は新たな媒介契約を結びます。
この時、当初、買主だった買取業者は、売主になります。
買主が見つかれば、ここでも仲介手数料を得ることができます。

🌸おいしいしくみ(仲介手数料)

不動産の売却は、売買が成立した時点で、不動産業者への仲介手数料が発生します。

仲介手数料の計算方法
仲介手数料=売却価格×3%+6万円(消費税別

仲介手数料①②

売主(相続人)から不動産業者へ仲介手数料支払い
買主(買取業者)から不動産業者へ仲介手数料支払い

営業マンは、このように、売主(相続人)と買主(買取業者)の両方から仲介手数料を得ることができます。
これを両手取引と言います。

ちなみに、買主をその不動産業者が探せず、他社の不動産業者がみつけてきた場合は、片手取引となります。

片手取引 両手取引

仮に、一般の買主を探そうとしても、不動産はなかなかすぐに売れるものではありません。
売れなければ売主側からも買主側からも仲介手数料を受け取ることはできません。

買取業者に買い取ってもらうことで、即決となり、売主側、買主側の両方から、早い段階で仲介手数料を得ることができるわけです。

また、「F:買取業者⇒不動産業者」で、買取業者が不動産業者へリフォーム済物件の売却を依頼することになりますので、ここでも売買が成立した時、仲介手数料が支払われることになります。

仲介手数料③④

売主(買取業者)から不動産業者へ仲介手数料支払い

更に、不動産業者が売却活動を行い、自社で買主をみつけた場合
買主から不動産業者へ仲介手数料支払い
となります。

不動産業者が自社で買主を見つけられなかった場合、買主からは仲介手数料を得ることはできませんが売主である買取業者からの仲介手数料は得ることができます。

🌸おいしいしくみ(紹介)

⓼バックマージン

H:不動産業者→税理士・弁護士

不動産業者から、相続不動産を紹介してくれた税理士や弁護士の先生へバックマージンを払っているケースが多くあります。
不動産業者が得た仲介手数料の中から支払っています。

バックマージンを払う目的は、また次の案件を紹介してもらうためです。

🌸営業マンの成績

今回お話した流れで、すべて理想通りにすすんだ場合、この営業マンが得る仲介手数料「売却価格×3%+6万円(消費税別)」はどうなるかと言うと

売主(相続人)より
買主(買取業者)より
売主(買取業者)より
買主(一般)より

合計 12%+24万円(消費税別)となります。

売却価格は、そのタイミングで異なりますので数字では表せませんが、これが「おいしい結果」なのです。

🌸損をしないための解決策

それでは、不動産を相続した場合、どうすれば良いのでしょうか・・

今は、インターネットで何でも調べることができます。
買取業者を調べてください。
直接依頼しても、買取業者は買い取ってくれます。

▶買取業者へ直接依頼する場合のメリット

直接依頼する場合、買取業者が買主になります。
そのため、中間マージンが必要ありません。
また、仲介者も存在しませんので、もちろん仲介手数料も必要ありません

例:買取り価格3.000万円

◩売主(相続人)⇒税理士・弁護士⇒不動産業者⇒買取業者の場合

:売主(相続人)から不動産業者へ仲介手数料の支払い
3.000万円×3%+6万円+8%(消費税)=約103万円
となります。
結果として、3.000万円で買取ってもらったとしても、売主(相続人)の手元に残るお金は、「3.000万円-103万円=約2.897万円」となります。

◩売主(相続人)⇒買取業者(直接取引)

仲介手数料等必要ありませんので、売主(相続人)の手元にのこるお金は、買取価格そのままの3.000万円となります。

手元に残るお金に103万円の差がでるということになります。

▶買取業者へ直接依頼する場合のデメリット

取引きはお客様ご自身で選択できます。
今はインターネットの時代です。
買取業者をご自身で探すことができます。

とは言っても、直接取引となると不安に感じられる方もいらっしゃると思います。

確かに、さまざまな業者がいます。
その中でも良い買取業者を選ぶためには、複数の業者に査定見積もりを依頼することです。

買取価格はもちろんですが、直接会って特に
・税金の相談にのってくれるか
・今回の例とは反対に、必要に応じて、税理士、弁護士の先生の紹介をしてくれるか
そのようなアドバイスを細かくきちんとしてくれるかなど確認されてください。

もとろん、その買取業者に納得できなければ、お断りすることは問題ありません。

🌸手元に残るお金を減らさないように

いかがでしょうか。

相続物件の依頼を受けた時、不動産業者は、一般の買主を探すつもりは全くないと言っても過言ではありません。
買取業者に売れば、折り返しの可能性もありますし、即決できますので、断然お得なのです。

相続した不動産の売却をするときは、このしくみを知らなければ損をすることになります。

不動産売却は売却価格が大きいため仲介手数料も多額です。

直接依頼したのではなく、途中で買取業者が現れた時は、今回ご紹介したような流れになっている可能性があります。

無駄に手元に残るお金を減らすことにならないように、十分に注意されてください。

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