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相続や離婚等による共有名義不動産のトラブルを解決しよう!

更新日2020-07-11 (土) 22:05:14 公開日2020年2月3日

共有持分

実は、日本国土の約10%以上が「所有者不明問題」または「共有持分トラブル問題」でもめている土地といわれています。

所有者不明土地の問題
✿所有者不明土地とは
土地を取得しても登記は義務付けられていないため、所有権の登記有無は任意です。そのため
・登記事項証明書を見ても所有者が分からない
・所有者が分かったとしても連絡が取れない
・自宅などの建物も含み相続が放置されていてその物件に対し長年の間なにもされていない
このような所有者不明の土地のことを言います。

共有持分トラブル問題
✿共有持分とは
複数の人が1つの不動産を共同で所有(共有名義人)している時に、それぞれの人がその不動産について持っている所有権の割合のことをいいます。

・夫婦の場合
たとえば共有名義の自宅などの物件を所有している夫婦(共有名義人)が離婚することになったとき、夫婦それぞれに意思や理由が異なり、最終的にその物件をどうするかが決まらないというトラブルが発生することがあります。

・相続の場合
相続人(共有名義人)が、物件に対し何らかの理由で争いを行っており、相続の手続きがまとまらずトラブルになることがあります。

私たちのこととして何ら関係なさそうなこれら土地の問題ですが、最も身近な問題として起こり得るのが、相続や離婚による共有名義・共有持分の問題なのです。

ここでは、そういう共有名義・共有持分に焦点を当て、どんな問題があるのか、またどんな状態がそういう土壌を生むのか、いったいどうやったらトラブルを解決することができるのかを解説していきます。

★目 次★【相続や離婚等による不動産の共有持分トラブル】


共有名義とは

そもそも共有名義の不動産とはどういったものを言うのでしょう。

✿不動産の共有名義とは

自宅などの一戸建てやマンション、土地などの不動産を取得するために共同で出資し、出資額の割合に応じた所有持分で登記(権利関係などを社会に公示するため登記簿に記載手続きをする)することを意味します。
(例)4,000万円の自宅を夫婦で2,000万円ずつ出して購入した場合
夫・妻のそれぞれが「2分の1」の所有持分で共有名義となります。

あるいは、2人以上の者(共有名義)が一つの不動産を同時所有している状態にあることを言います。

マイホーム

では、どんなときに共有名義になるのでしょうか。

(例)夫婦の場合
どちらか一人の名義では資金が足りず、夫と妻の共有名義にすることで自宅を購入したというケースがあります。
夫婦で自宅を購入した場合、その名義の登記については「単独名義」と「共有名義」の2種類の方法があります。

✿単独名義とは
一つの物を文字通り購入した人1人の名義で所有権登記手続きをすることです。

・単独名義で登記する方法
例えば、5,000万円のマンションを夫の名義で全額住宅ローンを組んで自宅を購入した場合、登記名義は夫の単独名義で登記されます。
・共有名義で登記する方法
これに対し5,000万円のマンションを夫2,500万円、妻2,500万円でお金を出し合って購入した場合、それぞれが2分の1ずつの持ち分での共有名義となります。

(例)相続の場合
不動産を相続したとき、相続人が複数人いて、財産の分け方が決まらなかったため、とりあえず相続人で共有名義にしたというケースなどもあります。

ところが...

共有持分はトラブルの元⁉ 共有持分の怖さ

共有名義の場合、単独名義では起こり得ないようなトラブルが発生するリスクがあるのです。
とはいえ、さまざまな事情で「共有名義になってしまった!」という例も多いはずですから、ここではトラブルになりやすい2つの事例を用いて、問題点と解決法を詳しく解説していきます。

共有不動産で多いトラブルの2大事例

共有名義となっているケースで最も多いのは下記の2つです。

・相続による親族間のトラブル
・夫婦による自宅の共同購入のトラブル

相続による親族間のトラブル

とりあえず
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相続で多いトラブルは、実家の思い出もあるし「とりあえずどうするか決められないので、売らないで兄弟の共有名義にしておこう」というパターンです。
ちなみに夫婦間で多いトラブルは、自宅を買うとき離婚するなんて考えられないことから共有名義で購入するというパターンです。

実はこの「とりあえず・・・」という取り決めがとても多く、このことが後になってトラブルになってしまうのです。
「売却する・賃貸する」など、いろいろ考えてみても共有名義であるため、何も決定できず何年も空き家のまま放置されてしまうケースがとても多くあります。

この問題点は、一人が全体を所有するのではなく「兄弟姉妹で共有持分の権利者になってしまう=兄弟姉妹それぞれが共有名義人になってしまう」というところにあります。

「亡くなってすぐ親の自宅を売却する気になれない」それはよくわかります。
また「できれば親の自宅の土地や建物は残しておきたい」という考え方もあるでしょう。

ただ、相続の基本では親が亡くなり相続が起こると自然に相続人同士の「共有状態」になります。
まだ両親のうちどちらか一人がお元気であれば、何ら問題になることは無いかもしれません。
しかし、両親とも亡くなった後はどうでしょう⁉

親の生前は仲良くしていた兄弟姉妹も、親が亡くなって相続となった段階で争いになってしまう...と言うケースは残念ながらとても多いものです。

兄弟姉妹間の争いには、もちろんそれぞれの理由はあると思いますが、具体的には次のケースが考えられます。
・相続の割合に納得いかず、時間だけが過ぎて仕方なく兄弟姉妹が共有名義人となるケース
・兄弟姉妹で全く話もできず、所有権登記(名義変更登記)の手続きもできないケース
もうこうなったら大変です。

遺言書がない場合(法定相続割合)

④遺言書

遺言書があって、特定の相続人に相続させることが明らかにされていたら、その相続人が単独で相続できます。
しかし、遺言書がない場合、何も決められず手続きが進行しないというケースは少なくありません。

遺言書がないときはどうなるのか...。
相続人それぞれの共有権利に則って「法定相続割合」に応じ共有相続をすることになります。
名義変更登記も共有者全員(共有名義人全員)となり、その物件は兄弟姉妹の共有状態になってしまうというケースが多く発生しています。

たとえば、兄弟3人が相続した場合、それぞれの法定相続割合は3分の1ずつになりますので、共有持分割合も3分の1ずつとして登記手続きをすることになります。

しかし、こういう遺産分割時には法定合意をしていたものの、その後、兄弟姉妹それぞれの理由や状況が変化し、トラブルに発展するケースが多いのです。
これは、遺言書もなく、遺産分割協議も行われなかった場合に特に多くみられている傾向です。

遺産分割協議

✿遺産分割協議とは
相続人全員で被相続人(亡くなった方)の遺産の分け方を決める話し合いのことを言います。
話し合いですべての相続人が合意した内容を取りまとめて「遺産分割協議書」という書面にします。
一度合意した遺産分割協議の内容は原則として相続人全員の合意がなければ変更できませんので、後から「やっぱり納得できない」などとトラブル発言をしてくる人がいても、そのトラブルを回避する効果もあります。
ちなみに遺言書が有る場合は、遺産分割協議書は必要ありません。

このように遺言書がない場合でも、相続人が全員参加して遺産分割協議を行い、その中で誰か1人が相続することに決まれば、決まった1人が単独で相続できます。
しかし、なかなかそのようにきれいに決まらないのが相続なのです。
だから争続とも揶揄されているのですから。

空き家・空き地問題

画像の説明

こういう相続によるトラブルの詳細として考えられるのは「一方が売却を希望し、もう一方は売却を拒否する」という対立です。
このように対立してしまうと長期間にわたる傾向が多く、その結果、再度、相続することにもなり兼ねません。
そうなると相続人の関係がだんだん複雑になってきて、空き家・空き地のまま放置されることになってしまいます。

日本全国には今、空き家のまま放置されている物件の他、相続人不明の土地が驚くほどあります。
2016年度の地籍調査では登記簿上の所有者不明土地の割合は約20%(九州の面積以上)です。
このままで行くと2040年には所有者不明土地が北海道の面積に迫るまで増加すると推計されています。

そもそも相続した共有持分にメリットはあるのか

実は、相続により共有持分を取得しても、あまりメリットはありません。
なぜなら、共有持分権者の権利は非常に限定されるからです。

① 自分の持ち物なのに自由がきかない
② 活用していないのに毎年固定資産税がかかる

など、メリットは発揮できないまま兄弟姉妹間などでトラブルとなり、デメリットばかりが発生しているケースが多々あります。
しかも、自宅などを相続したときにかかる税金は固定資産税だけではありません。
大きくなる可能性がある税金として「相続税」もあります。

相続税の計算と相続税シミュレーション

相続税は遺産の総額に基づいて計算します。
プラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産額を差し引くことができます。
遺産の総額から基礎控除額を差し引いた金額が課税対象金額です。
「(遺産の総額-基礎控除額)×税率-控除額」
遺産の総額が基礎控除額に満たない場合は相続税はかかりません。

■相続税の基礎控除額の計算
基礎控除額は法定相続人の人数により計算します。
「基礎控除=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)」

■相続税シミュレーション
「自分は相続税がかかる?かからない?かかるならどれくらい?」と気になる
方はの相続税シミュレーションをご活用ください。
引用:三井住友信託銀行 相続税シミュレーション

相続対策(相続による親族間のトラブルにならないために)

ご紹介しているように相続によって兄弟姉妹間など親族間のトラブルが発生しないようにするためには相続対策が必要です。

(例)被相続人(父)相続人(息子たち)
相続対策とは、自分(父)が死んだあと、相続する息子たちに多額の税金がかからないように、また相続人同士でトラブルが発生しないようにするための準備と言える対策です。

相続の対象となるのが自宅などの土地や建物である場合、相続人は相続税を現金で支払う必要があります。
しかも相続税の納付は相続が発生してから10ヶ月までという期限があります。
物件の資産価値が高ければ高い程、相続人は大変な状況になります。
相続税対策の中から3つご紹介しましょう。

■①生命保険加入

被相続人(父)が相続人(息子)を受取人にした生命保険に加入すると相続税対策として効果があります。
なぜなら「500万円×法定相続人(民法で定められた範囲の相続人)の数」までは相続税の課税財産の計算で「非課税」扱いになるからです。
たとえば、兄弟が3人であれば「500万円×3人=1,500万円」となり1,500万円を超えた額から課税対象になります。

もし兄弟姉妹の間で自宅などの不動産を子どもたちの誰かに相続させるという場合「トラブルになるかも...」懸念されるようであれば生命保険の加入は効果的と言えます。
取り分が少ない子どもたちに死亡保険金を受け取らせることで不公平感を避けることもできます。

■②投資用不動産

投資用不動産は、相続税を計算する上での評価が現預金よりも低くなるためその分相続税額を下げる効果があります。

現金を投資用不動産に変えることにより財産としての評価額が下がります。
その結果、相続税を引き下げる効果があるということです。
たとえば
6,000万円を現預金で相続した場合6,000万円がそのまま評価額になります。
投資用不動産の評価は路線価のほかに賃貸している点なども考慮されますので額面の約5〜6割の評価になります。
この例であれば投資用不動産の評価額は約3,000万円~3,600万円となります。
評価額が低いほど相続税が少なくなるというしくみです。

■③生前贈与

相続or贈与

生前に贈与することで相続財産を分配する方法です。
相続税は亡くなった時点での相続財産の評価額合計に対し課税されます。
そのため、生前贈与で相続財産の評価額合計を小さくすることで課税対策となります。
ただし、生前贈与には贈与税がかかります。
贈与税の対策として考えられるのは「暦年贈与」と呼ばれる方法です。
贈与税には受贈者(もらう人)1人あたりの基礎控除として年間110万円までの非課税枠があります。
年間110万円ですのでまいとし少しずつ贈与するなど上手に使えば相続財産を減らすこともでき、贈与税も回避できることになります。
ただし、相続開始前の3年以内になされた贈与は「相続財産に持ち戻す」と定められているため、できるだけ早く生前贈与を開始する必要があります。

ほかにも相続税対策で節税する方法はあります。
相続税対策は、それぞれの状況でさまざまです。「自分の場合はどの方法がいちばん良いのか」というのは個別で異なりますので、詳しいことは税理士など専門家に相談されることをおすすめします。

離婚による夫婦間のトラブル

性格の不一致などから夫婦関係が破綻し、離婚に繋がる可能性も珍しくないでしょう。
今や3組に1組が離婚しているというデータもあるくらいですから、決して他人事ではありません。

そうなった場合、財産分与の話し合いの中で「自宅をどうするか」を取り決めることになります。
これがなかなかスムーズにはいきません。

このトラブル問題は、離婚の前後で大きく異なってきます。

離婚前

■自宅の売却についてのトラブル [#cab9eac0]

まず最も解決にスムーズなのは、お互い同意の上、第三者へ売却して住宅ローンなどの借入金があればその代金で返済するという方法がありますが、この方法も思うようにならないことがあります。

たとえば離婚したあとは夫または妻のどちらかがそのまま自宅に住み続けたいという場合、どちらが所有権をもつのか、どちらがローンを負担するのかをめぐり、離婚話が泥沼化することも多くあります。
このとき離婚するときの財産分与の話し合いで解決できればいいのですが、なかなか難しい問題です。

■住宅ローンに関するトラブル [#n81e6124]

住宅ローンを利用して自宅を買ったときには、離婚した後、自宅に住みたい人に住宅ローン借入人の変更をする必要があります。しかしこれもまたスムーズにはいきません。
銀行にとっては、夫婦の離婚問題は夫婦の問題としてあるのであって、そのことが直ちに住宅ローンに何ら影響を受けないというのが原則なのです。

■持分割合の主張によるトラブル

(例)婚姻時に共有名義で自宅を購入。共有持分(夫:3分の2 妻:3分の1)
夫婦の話し合いでは自宅を売却するしないの結論がでないままでトラブルとなり裁判をすることになったとしましょう。

夫が裁判で「3分の2は自分が持分を持っている」と主張した場合どうなるでしょう。
裁判ではその主張は認められません。
なぜなら、「共有名義で購入した自宅は婚姻中に共同で取得した共有財産であるため財産分与の対象になる。そのため実際の持分比率にかかわらず基本的に夫婦平等で妻にも潜在的持分として2分の1がある」とする例が主流であるためです。

つまり、離婚が成立するまでは、夫の持分も妻の持分も2分の1となり、しかも潜在的(表面に現れないで存在するさま)にしか持っていないとみなされてしまうのです。

いつになったら、潜在的持分が顕在化(現実化)するのか。
顕在化(現実化)するのは、離婚が成立して財産分与がなされたあとになります。

■扶助業務に反するトラブル

民法では、夫婦の協力扶助義務について「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定めています(民法第752条)

✿扶助義務とは
夫婦がお互い助け合い同じレベルで生活出来るようにすることを言います。
共働きの場合は「収入格差」などを考慮し、生計の主となる側が、もう一方のパートナーを支えるなど「扶助の義務」が発生します。

たとえば、夫が妻と一緒に暮らしていた自宅を第三者に売却するとなると、「扶助の義務」に反することになるのです。
そのため、裁判所は、離婚が成立する前に夫婦が婚姻中に共同購入した自宅などの不動産持分を夫または妻が処分することや、共有名義の不動産の分割を求めることに対して否定的な見解を示しています。

離婚後

離婚が成立したということは、通常であれば財産分与も終わり、各自の持分も確定しているはずです。
元夫と元妻の間には扶助義務も存在しないため、その状態で持分を売却したり、不動産の分割を求めることは問題なく行うことができます。

このように離婚にともない「共有名義の自宅などをどうするか」という件は、とても難解な揉めごとの一つと言えます。

共有名義のリスク

これらのトラブルは、そもそも共有名義でなければ起こり得ません。

共有名義人による裁判で親族は疲れ果てるかもしれません。
世代を超えた子供や孫の争いに発展しトラブルが複雑化する可能性もあります。

自宅を購入するとき「離婚する」ことなど考える人はいませんが「離婚しない」とも言い切れません。
離婚するだけでも精神的につらいのにさらに追い詰められることにもなります。
それだけではなく、有効利活用することもできず、多額の税金だけを払い続けることになるやもしれないのです。

遺産分割協議をするときや自宅を購入するときに後のことを考えず、しっかり解決しないまま判断を伸ばして共有名義にしてしまうと大きなトラブルを招く原因となってしまいます。

共有名義不動産のトラブル解決法

共有名義のトラブルを解消する一般的な解決法は、

① 話し合いのうえで売却し、現金にして分ける方法があります。また共有物を物理的に分割して分ける方法が考えられます。
この方法が一番楽で解決も早いのですが、この方法の欠点は共有名義人全員の同意が必要になるということです。ゆえに選択できない時もあるでしょう。

② 共有者全員の持ち分を買い取る
話し合いのもと利活用したい人が買い取ることも考えられます。
ただしこの場合は相手の同意が必要で買い取れない可能性もあります。

③ 自分の持ち分を買い取ってもらう
離婚する場合、相手に自分の持分を買い取ってもらう手段もあるでしょう。

いずれにしても、共有名義、共有持分についてはとてもやっかいです。
親族間のトラブルは親族間だからこそ解決できないというところもあります。

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