不動産売却・決済に必要な書類と取得方法について

更新日2018-11-16 (金) 00:03:16

不動産売却に必要な書類

不動産を売却するときには、とてもたくさんの書類が必要です。
必要書類については、不動産業者から、どのような書類が必要になるかの具体的な指示があります。
その中で、不動産業者が取得してくれる書類もありますが、自分(売主)が所持しているものについては、自分で準備しなければいけません。

必要書類は、戸建・マンション・土地などの売却する物件によって、多少異なるものもありますが、ほとんど共通しています。
ここでは、“必要書類にはどのようなものがあるのか、またその書類の取得はどうすれば良いのか”ということについてお話します。
必要書類を正しく揃えることは、不動産売却にとって、とても重要なことです。
スムーズに必要書類を準備できるようにぜひ参考にされてください。


★目 次★


不動産売却依頼時に必要となる書類と取得方法

不動産売却依頼時に必要となる書類と取得方法

リストに沿って1つずつ説明します。

①.登記事項証明書(登記簿謄本)

■登記事項証明書と登記簿謄本は何が違うのか

不動産登記簿謄本と登記事項証明書は、名称が異なるだけでどちらも証明内容は同じです。
登記事項証明書は、コンピューター化(オンライン)によって、どの法務局でも全国の謄本を取得することが可能となりました。
不動産の所在地管轄の法務局へ行く必要がなくなり、最寄りの法務局で登記事項証明書を取得できます。

≫不動産登記簿謄本とは

不動産登記簿は土地・建物に関する所在・面積、所有者の住所・氏名、その物件の権利関係等
が記載されていて、登記簿謄本とはその写しのことを言います。
不動産登記法により公示が義務付けられているので、手数料(登記印紙で納付)を払えば
誰でも交付、閲覧が可能です。


≫登記事項証明書とは

登記事務をコンピューターで処理している登記所では登記事項は磁気ディスクに記録されており、その内容を用紙に印刷し証明したものです。


■取得方法

登記事項証明書(登記簿謄本)の交付請求方法は次の3パターンありますが、手数料が安く、
自宅から請求可能で平日21時まで請求可能という点からオンラインでの交付請求をおすすめします。

不動産売却依頼時に必要となる書類と取得方法②

法務局管理のサイト:「登記・供託オンライン申請システム」はこちら

■注意点

事前に土地の地番・建物の家屋番号を調べることをお勧めします。
なぜなら地番・家屋番号は、住所とはことなるからです。
登記権利証や固定資産税の納税通知書などに記載されている番号を確認してください。
また、もし売却される不動産が“土地+建物”の場合、登記は別になりますので、それぞれの登記事項証明書が必要です。

②.不動産取得時の契約書、重要事項説明書

不動産取得時には次の契約書が必要です。
「売買契約書」売却しようとしている不動産を取得した時に締結した書類
「建築工事請負契約書」:建物建築時に締結した書類
「重要事項説明書」:その不動産に関わる重要事項が記載されている書類


■取得方法

これらの書類は、売却予定の不動産を取得した時から所有されていると思います。
必ず必要な書類というわけではありませんが、さまざまな取り決め事項や確認ポイントが記載されていますので、売却時にはあった方が良い書類になります。

③.地積測量図、境界確認書

≫地籍測量図とは

地籍(土地の面積)や土地の正確な形状、位置関係、境界線の位置、地積の求積方法などを明らかにする法的な図面です。


≫境界(筆界)確認書とは

隣接する土地の境界線について、双方の所有者が合意を交わした旨を記した書面です。
売却するときには隣接する土地との境界線を明確にする必要があるため、この書類は重要です。


■取得方法

不動産売却依頼時に必要となる書類と取得方法③

法務局管理のサイト:「登記・供託オンライン申請システム」はこちら

■注意点

事前に土地の所在(〇〇市△△町□丁目)や地番を調べることをお勧めします。
所有している「登記識別情報」や「登記済権利証」でも確認できます。
もし地積測量図がない場合や境界確認書を作成していない場合は、トラブル回避のために土地家屋調査士に依頼し、境界を明確にすることをおすすめします。
費用は、土地の形状や面積、隣接所有者の人数、道路状況などにより大きく異なります。
時間と大きな費用が発生する可能性がありますので、事前確認が必要です。

④.固定資産税納税通知書と課税明細書、納付書

≫固定資産税とは

不動産の所有者に対し、毎年1月1日時点で課税され、市区町村から5月以降に固定資産税・都市計画税の納税通知書と課税明細書が入った封書が届きます。
納税通知書には評価額の内訳も記載されています。
評価額は、「査定の参考」「移転登記等に必要な登録免許税の算出」「売却時の納税額の精算」などの目的に使用されますので、紛失しないように注意が必要です。

⑤.間取り図、付帯設備、パンフレット、地図等

すべての物件であった方がいい書類です。
売却を依頼するときに、どういった物件(間取りや付帯設備)かというアピールポイントを不動産業者が把握することで、販売広告の作成が大きく変わります。
不動産業者が作成してくれる場合もありますが、買い手となる人が広告を見て物件に興味を持つように、できるだけ準備することをおすすめします。

⑥.マンションの管理規約や使用細則、維持費に関する書類

マンションを売る場合のみの必要書類です。
管理規約・使用細則・維持費(管理費・修繕積立金・管理組合日・町内会費など)に関する書類です。
マンションの場合、購入予定者は、販売価格はもちろん、その他、制限(ルール)や年間のランニングコストも気になるのが当然です。
購入予定者が現れた時、きちんと説明できるよう早めに準備することが大切です。

不動産売却依頼時に必要となる6つの書類についてご説明しました。
必ず必要となる書類はもちろんのこと、売却する不動産の情報が記載された書類を出来るだけ多く準備することが、売却活動や、購入するかどうかの購入予定者の判断にも大きく関わってきますので、できるだけ多くの書類を準備されることをおすすめします。

不動産売買決済時(引き渡す時)に必要となる書類と取得方法

不動産を引き渡す時に必要となる書類と取得方法

①.本人確認書類(身分証明書)

一般的には「運転免許証」「パスポート」が使用されます。

本人確認書類(身分証明書)

②.実印、印鑑登録証明書

不動産の売買契約時には通常「実印」を使用します。
そのため、準備した印鑑が実印であることを証明するための「印鑑登録証明書」が必要になります。
「印鑑登録証明書」は、印鑑登録をした役所で取得できます。

印鑑登録証明書取得について

■注意点
発行後3か月以内のものが有効となりますので、有効期限に気をつけてください。

③.住民票もしくは戸籍の附票

売却する不動産を登記している住所と現在の住所が異なる場合、住民票・住民票の除票・戸籍の附票などが必要になります。

住民票もしくは戸籍の附票の取得について


■注意点
※いずれの書類も発行後3か月以内のものが有効
※住民票除票の保管期限は5年
※手数料はいずれも300〜500円(自治体により異なる)

④.銀行口座情報(通帳)

不動産の売買金額は、高額になるため一般的には、金融機関への振り込みとなります。
振り込みをしてもらうための銀行口座情報の準備が必要です。

⑤.ローン残高証明書

売却する不動産のローンが残っている場合は、「ローン残高証明書」または「ローン返済予定表」が必要になります。


■取得先

「ローン残高証明書」または「ローン返済予定表」は、定期的に郵便で届く場合もありますが、新たに
取得する場合は、借入先の金融機関への申請で可能です。

⑥.登記識別情報もしくは登記済権利証

≫「登記識別情報」もしくは「登記済権利証」とは

不動産に登記してある登記名義人が正しい所有者であることを証明する書類です。
以前は「権利証または権利書」と呼ばれていました。
現在は、登記識別情報で本人を確認する制度になっています。

司法書士さんに依頼し、登記の抹消手続き、買主に名義変更する手続きなどに必要となる非常に重要な書類です。


■取得先
法務局 登記識別情報の通知の方法について

⑦.建築確認済証、検査済証

≫建築確認証とは
建物を建築する際に建築基準法に適合しているかを審査し、適合している場合、交付される書類です。


≫検査済証とは
建物の建築後の現地検査において建築基準法に適合している場合、交付される書類です。


■取得先
いずれも市区町村の役所または検査をおこなった検査機関から交付されます。


■注意点
建築確認済証および検査済証は、どちらも再発行はされませんので大切に保管してください。
また、戸建の不動産を売却するときは、トラブル回避のためにも、この書類の提供は必要です。

⑧.建築設計図書、工事記録書

≫建築設計図書とは

建築物の施工にあたって、必要な設計図面や書類の総称です。
工事記録書とは
施工の工事項目、その項目に対するスケジュールや実績などを記録した書面です。


■取得先
戸建新築の場合:設計事務所や施工会社から渡されます
中古物件の場合:前所有者から渡されます。
マンションの場合:管理組合や管理会社で保管されています。


■注意点
この書類は必要書類として必須ではありませんが、購入予定者の信頼を得るために効果的です。

⑨.耐震診断報告書

重要事項の一つとして、耐震診断報告書の有無について、不動産会社が買主に対し説明を行うことが義務付けられています。
買主から提出を求められることが多いため、必要書類として、耐震診断を受け、耐震診断報告書を所有しておくことをおすすめします。


■取得方法

マンションの場合:耐震診断をしたことがあるかどうかを管理組合や管理会社に確認してください。
戸建の場合:設計事務所や施工会社から専門の業者に依頼することが可能


■注意点

市区町村で助成制度を設けている場合がありますので、必ず市区町村に確認してください。

⑩.アスベスト使用調査報告書等

重要事項の一つとして、アスベスト使用調査報告書の有無について、不動産会社が買主に対し説明を行うことが義務付けられています。
アスベスト(吹き付け石綿)は、繊維が極めて細いため、措置を行わないと石綿が飛散して人が 吸入してしまうおそれがあります。
以前は保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止さ れました。
現在では、原則として製造等が禁止されています。
古い住宅の場合、アスベスト使用の可能性がありますので、調査を行うことをおすすめします。


■取得方法

建築物を施工した建設業者又は工務店、あるいは分譲住宅等を販売した宅建業者に問い合わ
せ設計図書(建築時の施工図・材料表等)で確認します。
ただし、アスベストの使用が記載されていない場合や、後に改修工事や補修工事でアスベストが使用された可能性もあり、現地調査と合わせて調査する必要があります。
アスベスト対策Q&A(国土交通省)

⑪.地盤調査報告書、住宅性能評価書、既存住宅性能評価書

≫地盤調査報告書とは

地盤の状態を調査し地盤の強さを示す地耐力をしることができるものです。
この結果をもとに地盤補強が必要かどうかを判断します。


≫住宅性能評価書、既存住宅性能評価書とは
「住宅性能表示制度」という住宅の性能を法律に基づいた一律の基準で評価したものです。

既存住宅の 住宅性能表示制度ガイド (国土交通省)

既存住宅の 住宅性能表示制度ガイド (国土交通省)


■取得方法
全国の登録住宅性能評価機関にご相談ください。
申請から評価書交付に至るまでの流れは、以下の通りです。

評価書交付に至るまでの流れ

まとめ

必要に応じて事前に準備することが大切です
今回ご説明した書類はすべてが必須ではありません。
物件によっても、必要なもの、必要ではないものがあります。

しかし、仮に必須ではなくても、買主側が物件を選ぶときの効果的な判断材料となります。
また、トラブルを避ける効果もあります。

スムーズに契約をすすめるためにも、不動産業者と相談しながら、必要に応じてできる限り早めに多くの書類を準備されることをおすすめします。