大手だから安心という理由 その安心はどこから?
よく、「大手の不動産仲介会社の方が安心ですよね?」と聞かれるし言われます。
また、不動産売買は「TVCMで有名な大手の不動産仲介会社に限ります!」とも言われます。
わたしは、その根拠は何ですか? と聞いていますが、皆さんそろって口にする言葉が、
「それが当たり前だから!」です。
??????…
知っている人からすると、この大手が安心という言葉ほど危ないものは無いのですが。
さて近頃TVで流れている大手不動産仲介会社のCM
顧客の苦情を公式HPに掲載しているって喧伝していますが、本当に全てなのかが疑問。
東京地方裁判所に行かれたことがありますか?
多いんですよ、トラブルでの裁判沙汰。
裁判沙汰になっているという事は、その前に必ずある苦情の連絡ですね。
この苦情の電話やメールなども全部掲載しているとは到底思えません。
ま、いろいろありますが、一概に大手の不動産会社が信頼出来るとは限らないし、全てが悪いとも限らないとは思います。
一部の担当者がダメなケースが圧倒的に多いのも事実。
地場の不動産業者は宅地建物取引業の勉強もそこそこに他のお勉強に精を出すところも多いのも事実。
FCに加盟する不動産会社では、不勉強な営業マンが「営業は目力で勝負ですよ!」と本気で思っている拝もいます。
不動産業界には法定講習という制度があり、宅地建物取引業法(以下 『業法』と省略)で、宅地建物取引業者が宅地建物取引業を商いとして行うにあたり講習を受けることが義務づけられているのですが、
同業者からよく「(法定講習って)行きたくないよね」と 訊かれることも しばしば有ります。
また 「法定講習」 に行けば行ったで、途中退席する者約7割以上にも。
協会も出席させるためにあれやこれやの作戦で、時の名だたる有名人を講演者に呼び、お話をして頂いているのですが、
この講演者の面白いお話が終わるとそそくさとその後の講習は受けないで買えるものが大多数なのです。
この法定講習はちゃんと 「宅地建物取引業法」 に規定されていて受けなければいけない最低限度の知識の補完の場なのですが、
それさえも全くやらない拝の多い事。
だから「お客様には信用されず、大手に馬鹿にされるんだよ!」
って思っても、な~にも考えていない者ばかりなのが不動産業者なのかと思ってしまうのも現実。
それでも一般の方からの売買依頼が無いことを、自分のこれら行動の恩恵?や努力もしないことだと考えず、大手は良いよねって愚痴ばかり。
但し、地場の不動産業者でも法定講習の最後までの参加はもちろん、毎年その他に税法や法補完、最新のマーケティングの勉強代に数百万円も掛け社員教育している業者もあります。
ここでちょっと話は変わりますが、
過去にマンションを大手不動産仲介業者と売買契約の決済をしたときの話です。
決済開始時間の午前10時に購入者側の大手不動産仲介業者担当者だけが来ないという事がありました。
待つこと30分。
まだ来ない。銀行の担当者も買主も困っているので仕方なく買主側の大手不動産業者営業店へ電話したところ、電話口で受け付けの女性が確認しますとの事。
待つこと10分。その業者から電話があり、今、私が向かっていますと上司である係長から電話がありました。
約1時間後に係長が到着したのですが、到着前に決済はほぼ終わっていました。
なぜ担当者が来ないのか理由を尋ねると、急遽今までにない不祥事があって、決済後お話ししますとの事でその決済は無事終了しました。
お客様と別れ、係長にお話を聞くと、担当者が宅地建物取引士の資格も持たないことが発覚して大変なことになっているとの事だそうです。
昨日の夜、お客様からの苦情でその事実がバレて、その担当者は雲隠れしているとの事。
本社に確認したところ、この社員が入社したとき宅地建物取引士有資格者であるという言葉を鵜呑みにして資格証を確認しなかったことが分かり至急懲戒解雇となったとの事でした。
これ本当の事実。その時の売主側担当は私でしたから。
だからと言って、これは大手不動産業者のホンの一部の人間がダメなことで全ての営業マンが悪いわけではないです。
大手不動産業者をフォローするわけではありませんが、地場や中小零細、FCの不動産仲介会社の担当者より全体的な担当者の質からすると相対的にず~っと良いのも事実ですから。
ただ「それが当たり前だから!」という虚構。
この『思い込み』ほど狙われやすいんです。
不動産はまだまだ一生に二度や三度と無い売買です。
さて教訓として営業マンの言うことは鵜呑みにしてはいけない!必ず自分で確認を(裏取り)するようにしましょう!
大事な大事な自分の不動産だからこそです。
査定時に1社の営業マンから提案されたら、他の業者の営業マンにも同じ内容で確認するようにしてみましょう!
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