売主が持ってしまう大いなる勘違いや思い込み

「大久保さん、このマンションはリビングからスカイツリーが見え、しかも遠くに富士山も見えるいい物件だから、高く売れるに違いないですよね!?」

富士山

とか、

「新築時にオプションでダイキン製のビルトインエアコンとスイス製の乾燥機付き洗濯機付けたんで付加価値も有るし、売却金額に付加できますよね!?」
とか言われる売主様がおられますが、はい、その付加価値ほぼ意味ありませんの世界です。

ダイキン製のビルトインエアコンはまだしも、スイス製の乾燥機付き洗濯機が付いていると反対に売れづらくなるくらいです。

売主としては、自分の価値観を良いものと認識し、その価値観で買ったマンションが良いものであると思うのはいいでしょう。

しかし、そのマンション、良い物件だと一番思っているのは、売主であるあなたです。

なぜなら、そのマンションをあなたは気に入ったから購入したわけですから。

確かに購入当時ご自身では一番良いマンションと思って購入されたのでしょうからお気持ちもわからないではないです。

しかしながら、それでも色々な不可価値を並べ、それをもって相場より高く売れるかもという理由にするのは売主だけであるあなただけです。

ハッキリ言ってその考えが、あなたのマンションが売れない理由になってしまいます。

まっ、長年、住んでおられたのですからお気持ちは分かります(100歩譲って)。

長年住み慣れたマンションですから、当然愛着も湧いておられることでしょう(あなただけは)。

でも買い手にとって、そのかくかくしかじかの事情がどれだけ意思決定に影響を及ぼすかと言えば、ほぼ無いに等しいのです。

二十歳になる娘は、キッコーマンの豆乳飲料を東京ディズニ―ワールドのチケットが当たりたい一心でダース単位で買っていますが、
私は美味しい豆乳飲料が飲めれば良いのです。

また回転寿司でも、私はスシローでも、かっぱ寿司でも、はま寿司でもいいのですが、末っ子娘はくら寿司が良いらしいのです。
その理由は「ビッくらポン!」の景品を貰いたいから。

「ビッくらポン!」

ほぼマンションを買う場合、それくらいに無かったら無くても構わないものがそこに付いていても、それが売却金額に付加されるものではないのです。

東京都内でマンション室内からスカイツリーが見える売出中の物件が何件あるのでしょう?

とても多いに違いありません。

また富士山がリビングから見えるマンションはどんな間取でしょう?

思うに西向きで夏の夕方など熱いに違いありません。

今、マンションは年々前年度対比数パーセントから数十パーセントの増加率で売却中物件が多くなっています。

そんな中、価値観の違うものが室内にドンっとあったらどう思うでしょう!? 売主さんには申し訳ないですが嫌でしょうね。

売主と買主の価値観が違うということを認識すべきです。

物件の魅力は人それぞれですが、マンションは立地が約9割と言います。
約1割は個別事情ですが、その個別事情に売主さんの価値観と同じところは、ほぼ0.1%も無いのが現状です。

買い手はまず立地と間取と、これが一番ですが購入できる金額で物件を検討します。

従って買い手の価値観に見合う物件かどうかだけでマンションを見に来ます。

しかも最近の買い手はちょっと自分を持っている方が多いのもあり、あなたの価値観をいとも簡単に邪魔なもの扱いにします。

そのため、少しでも気に入らない点があれば、値下げ交渉してきます。

値下げ交渉してくるならまだましな方で、ちょっとでも気に入らない点があれば次を探し始めます。

それだけ今は売却中物件が多くなってきているのです。

当初査定時判断し、売却開始後決めていた最低価格を上回るか価格なら、これはもう売却を決めるべきです。

内見があり、もし価格交渉が有ったら、その価格が自分の思う価格よりちょっとでも低いと思うときでも
 
「もっと高く買ってくれる相手が見つかるまで待とう」と即決め込まないことにしましょう。

最近多い、購入希望額が予定価格より高いのに、それでも売却可決されない売主さん。

たいていは、いつまでたっても「もっと高く買ってくれる相手」は見つかりません。

スルーした相手が提示していたのより安い金額で手放すことになってしまいます。

つまり、〝売り時〟を逃してしまうわけです。

そんな間違いを起こさないように、売却価格については、不動産会社の意見をよくきいて下さい。

もちろん、売るか売らないかの最終決定権は、あなたにあります。

売主がいくら頑張って設備や景色のメリットを強調しても、買い手は冷静にいらないもんはいらないと決めています。

自分の価値観に合わないものを強調されるほど嫌なことは無いのです。

ここまでご説明してもわからない方のために、あえて別の分かりやすい 例 で言いましょう。

ご自身の恋愛観とご友人の恋愛観を想像してみてください。

友人からの薦めで「あの女性は、愛嬌もよく手料理も上手で目もパッチリしていて可愛い」なんて言われたとしましょう。
あいつはお前が好きらしいから結婚を前提に付き合えと言われたら、どうしますか!?
あなたは付き合う前に、一緒に遊びに行ったりして相性などを確認しあうと思うんです。
そこで、「でも・・・・、考え方がちょっと合わない」なんて思ったりすることもしばしばでしょう。
それでもあいつ良い子だぞという友人に、「だからそれが何!、だったお前が付き合えば・・・」と思うはずですね。
その人にはいい子かもしれませんが、自分にとっては別に一番ではないのです。

さて、どうでしょう。
もう一度確認しますが、すでに述べたようにあなたのマンションをみる目には、あなた好みが入っている可能性大なのです。

あなたの好みはあなただけのものです、他人に押し付けるものではありません。

スカイツリー

ということで、マンションが売れない理由を、売主であるあなたがつくる前に、いったん冷静になって、最もよい判断ができるように、専門家のアドバイスに耳を傾けて下さい。

不動産売却のコツ
メリットは買主にズバッと届いて初めて効果があります。
アピールはとても大事なことです。
だからこそ、売る物件を求める買う人(ペルソナ)を十分に考え、その買う人に合ったアピールを専門家も交え考えましょう。
メリットにも個人差があることを認識すべきです。


 

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