投資用物件売却】出口戦略って?売却するならいつ?!

更新日2020-07-11 (土) 23:55:44 公開日2019年2月3日

不動産は、所有者自身の居住のためではなく、投資を目的として所有される物件もあります。

その中には、「売却価格が購入価格よりも上回ることで利益(売却益)を得る方法」と「賃貸経営を行い家賃収入(運用益)を得る方法」があり、
これを投資用不動産と言います。

ここでは、「賃貸経営を行い家賃収入(運用益)を得る方法」にスポットをあててご案内します。

①アパート

🌼不動産投資には出口戦略が重要

不動産投資をスタートした時、終わりをどうするかということも考えなければいけません。
投資用物件の「終わりをどうするか」=「出口戦略」です。
不動産投資を最後まで成功させる(利益を得る)ためには「出口戦略」が重要なのです。

🌼出口戦略の成功事例を参考にする

出口戦略が重要と言っても、何がどのように重要なのか、どう考えるべきなのか、迷うところですよね。

実際に、出口戦略が、とても上手な方がいらっしゃいます。
投資用不動産は、ワンルームマンション・ファミリータイプマンション・戸建て・アパートなど、いろいろな物件がありますので、物件により出口戦略も異なってきます。

とても参考になると思いますので、このような''“成功事例”を学ぶ''ことをおすすめします。

🌼なぜ出口戦略を考える必要があるのか

②融資

投資用不動産を買う時、ほとんどの方は、住宅ローンでお金を借ります。
その住宅ローンは、新築であれば30年、築20年くらいの中古物件でも20年以上という期間で組まれることが多いのではないでしょうか。

投資用の新築物件を30年ローンで借りた場合、支払いが終わるのは当然30年後です。

30年後はいったいどうなっているでしょう。

▶30年後の建物

日本の施工業者等は、とても優れていますので、建物はしっかり作ってあります。
そのため、15年、20年・・経っても、建物が使えなくなると言うことはほとんどありません。

その間、メンテナンスをどのくらいしているかにもよりますが、建物自体は使える(維持できる)可能性が高いと思います。

それでは何が問題になるのでしょうか。

🌼問題点(30年後の入居需要)

③空室L

問題となるのは、30年後の入居需要です。
仮に、現在満室だったとしても、その人達が、その後も継続的に15年、20年もしくはもっと長く入居されるとは限りません。
しかも、新しい方が入居されるという保証もありません。

▶現在

現在は、人口減、過疎化などと言われている地域でも、投資用不動産を買っている人がいます。
なぜかと言うと、今は、そのような地域でも安定的に運営ができているからです。
投資家は、需要がある地域であることを購入前に十分調べて買っています。

若者の人口数は確かに減っています。
そのため、今後そのような地域は、どんどん厳しくなっていくでしょう。

しかし、それに反して、ご高齢の方はどんどん増えている状況です。
ご高齢の方をターゲットにすれば、少なくとも、ここ数年のスパンでは問題ないと思われます。

▶今後

しかし、それ以降はどうなるでしょうか?

少子高齢化となり、ご高齢の方たちは、介護施設や病院へ行く人も多くなります。
当然、入居者の見込みは望み薄くなるはずです。

③少子高齢化

投資不動産は「基本的には入居者をずっと維持していかなければならない」ということが大前提があります。

しかし、こうなってくると、「半年後に売却しよう」「1年待って入居者が現れなかったら売却しよう」など、売却を考えざるを得なくなります。

現在は、まだ大丈夫ですが、今後どうなっていくのかと言うのは、地域によっても大きく変わっていきます。
大切なのは、良くない状況になってきたら、即対応するという心構えを持つことです。

不動産投資は投資ですが、賃貸経営という部分もありますので、経営者として、自ら動くという気持ちを持ち続けることが必要になります。

🌼問題点(長い年数投資用不動産を持ち続けた場合)

▶相続になる可能性がある

④悩む人

ずっと物件を持ったままで、最終的にやっと売却しようと考えた時、「はたして売れるのか・・」となってくる可能性があります。

また、長期間持ち続けていると、相続になってしまう可能性もあります。
売却しようとしても売れないという不動産を相続した場合、正直、相続人は困る結果になります。
自分の代で処理できず、相続人に負債を残すことになり兼ねません。

▶メンテナンスに大きな費用がかかる

不動産も年をとります。
築年数が長くなり、建物が年をとると、当然ながらメンテナンスが必要になります。
長期保有していて、売却のタイミングを逃してしまうと、莫大な修理費を覚悟しなければいけなくなります。

1度の修繕で、何年もかかって回収した家賃が、パーになってしまうこともあります。
「何のために長期保有していたのか・・」という話です。
このケースは少なくありません。

🌼売却するとしたらどのタイミングで売ればいいのか

「いつ売ればいいのか?」と言うことについては、運用の仕方によっても様々です。

▶早く売却した方が良い物件

買った瞬間に売却益がでる物件があります。
かなり割安で買っている物件です。
この場合は、何も考えず、早く売却して利益をだし、回転率を上げることがおすすめです。

このケースの代表的な例として「競売」があります。
競売物件は、かなり割安で落札できる可能性があるからです。

ただし、競売物件は、修繕が必要な場合があります。
更に、権利関係のトラブルが原因で競売にかかる物件もあります。
それらの問題を早急に解決する必要はありますが、「割安で買って利益のせて売却する」といった、とても回転率がいい方法です。

競売で買って、賃貸として家賃で少しずつ回収するより、即売却した方がいいケースです。

▶早く売却しない方が良い物件

売却を急がない方が良いのは、保有期間が5年以下の物件です。

先ほどお話したように、投資用不動産の運用として、“買って売って”を早いスパンで繰り返していくという考え方もあります。

しかし、買ってすぐ売るということは短い期間で売却することになりますので、これが個人で運用されている場合であれば、税金(譲渡益課税)の問題がでてきます。

譲渡益課税には、「短期譲渡」と「長期譲渡」があります。

【S7】⑥譲渡益課税

(譲渡益課税の計算方法)

「利益」に対して次の条件でそれぞれの税率をかけて課税されます。
①所得税と住民税のそれぞれの税率
②不動産保有期間による税率
③東日本大震災の復興支援を目的とする復興特別所得税(所得税×2.1%)

この5年というのは単純に買った日から5年ではなく、買った日から5回の元旦を迎えるという意味です。。

短い期間で売却すると、税金は約40%かかります。
しかし、この5年を経過すると、売却時の税金は約20%と半分になります。

なぜ、短期譲渡所得が高いのかというと
バブルの頃、「土地を買って、買った土地をすぐに転売し利益を得る」ということが多くありました。
土地の転売を防ぐという理由により、短期保有期間については、税率が高く設定されているのです。
つまり、「投資目的の場合は税金を高くします」ということになります。

短期と長期では、税金の額がかなり変わってきますので、出口をいつ迎えるかというのは、慎重に検討しなければいけません。

基本的には、5年超えてから売却するのが理想ですが、入居の見込みがほとんどなくなった状態であれば、税金の高い安いを考えるより、少しでも早く売却したほうがいいのかもしれません。

「税金は高くなっても、短期で売却して利益が出そうだ!」ということであれば売却する。
「このまま持っているのは危なそうだ」と感じるのであれば売却する。
そのように、自分の中で常に動ける体制を作っておくことが大切になります。

▶市場(相場)を見て判断する

投資用の不動産は、建物はずっと使えますので、基本的には運用を続けて、ずっと持っているという前提でいいと思います。

とは言っても、どこかの段階で売却することにはなると思います。
それを、いつ何をもとに考えるのか・・
それは、その時の相場です。

家賃収入で利益も得て、住宅ローンの返済も少なくなっているという状況で、相場を確認した時、「買った時ぐらいの価格で売れるのであれば、売却する」という判断が出来ると思います。

反対に、運用状況は同じでも、明らかに不動産相場が冷え切っていて、まったく高く売れないという状況であれば、売らない方が良いと思います。

・住宅ローンの支払いはどのくらい残っているか
・入居者はこれからも大丈夫なのか
・修繕費用はどのくらいかかるのか
そのようなことを総合的に判断し、そのタイミングで相場を見ながら決めていくことが大切です。

実際問題、「いつ売るか?!」と言うのは事前に自分で決められることではないのです。
なぜなら、相場が、その時どうなっているか事前にはわからないからです。

たとえば、「1億円で買った投資用不動産を5年後に売却する」と考えていた場合
5年後の相場がどうなっているかわかりません。
1億円の物件が、5年後は相場が20%下がり8千万円でしか売れなかったら多分売らないはずです。
逆に1億2千万円になっていたら売却を検討されると思います。

このように、相場によって、売る、売らないの判断基準が分かれてきますので、なかなか事前に決めておくというのは難しいことなのです。

いずれにしても、その時、いくらぐらいで売れそうなのかということを、市場(相場)の動きを見ることが重要です。

「保有か売却か」選択のポイントは何?

⑥築年数

「保有or売却」どちらを選択するかのポイントのひとつに築年数があります。

▶築年数が古い場合

築年数が古い物件は、修繕のリスクが高くなりますので早めの売却を選択が必要になります
ある程度利回りが良いようであれば、早く売却し、手放すことが1つの考え方です。

▶築年数が新しい場合

たとえば離婚案件などで、離婚が原因で競売にだしているような物件は比較的築年数が新しいものがあります。
この場合、賃貸に回して、高い利回りがでれば、そのまま運用するべきだと思います。

🌼安易な考えで判断するのは危険です

今回ご案内したように、投資用不動産には、様々なパターンがあります。

保有期間、物件の築年数等を含み、いろいろな細かい要素を考えなければいけません。
「このまま運用するか」「売却を考えるか」
慎重に判断することが大切です。

はじめに、出口戦略は重要というお話をしました。

不動産投資は、不動産を売却して初めて収支が確定します。

最終的に、投資用不動産の利益を得るためには、常に「何を・いつ・どうするべきか」を考える必要があります。
安易な考えで判断するのは、危険です。

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