不動産を売るときの手順と方法
更新日2020-07-11 (土) 23:06:28 公開日2018年10月4日
不動産の売却を考えている時、“まず何をしなければいけないか”そして“物件の引き渡しまでに何をすれば良いのか” そのような不動産売却の手順がわからないという方が多いかと思います。
不動産を売ることが決まったら、まずは、その全体の流れを理解することが大切です。
ここでは、不動産売却の手順・方法・注意点についてご案内しています。
★目 次★
まず、不動産を売るときの手順は、次の9つの流れになります。
全体の流れを理解するためにご確認ください。
次に、不動産を売るときの手順に沿って、よくある質問をまとめました。
まず最初に、自分の物件が、いくらくらいの価値があるものなのか(相場)ということをご自身で把握する必要があります。
これを正確に把握しておかないと、安い値段で売ってしまうことになり兼ねませんので、ここはいちばん重要なポイントになってきます。
不動産業者などに相場を知るための査定依頼をすることで、物件の相場を正しく知ることができます。
注意しなければいけないのは、1社ではなく、複数社の査定を受けることです。
1社のみの査定であれば、比較できません。
比較しなければ正しい相場がわかりにくいからです。
査定依頼は、ご近所やお知り合いの不動産屋さんでも良いのですが、1社1社に、おなじことを説明するのはけっこう大変ということもありますので、インターネットで物件情報を入力すると複数の業者から査定見積もりを取ることができる「リガイド-不動産一括査定」というサービスの利用をおすすめします。
いずれにしても物件の相場を知るためには業者からの査定額の提示と査定額の比較が大切になります。
査定を行う不動産業者によって査定額に10%〜20%程度の差が生じる場合があります。
不動産は高額になりますのでその差は非常に大きなものです。
そのようなこともありますので、くれぐれも1社だけではなく複数社に査定依頼をおこなってください。
不動産業者によって、査定金額はもちろん、諸条件、売却方法、売却仲介手数料なども異なります。
それらを十分に確認し、総合的に査定価格は妥当か、担当者の印象はどうか、そのようなところもふまえて、どの不動産業者にするかを判断してください。
不動産業者のホームページなども確認し、情報を幅広く収集することも判断の参考になります。
ここで注意しなくてはいけないことは、査定額が高いという理由だけで、その不動産業者に決めてはいけないということです。
なぜなら、不動産業者は複数社に査定依頼をすることを知っているため、あえて相場より高い金額を提示して、自社で契約をとろうと考える業者がいるからです。
不動産業者の選択は、なかなか難しいのですが、そのような良くない業者ではないか、信頼できる担当者か、それを見極めることが重要になります。
先ほど、複数業者に査定依頼をするという説明をしましたが、仮に1社のみに査定依頼をしている場合、不動産業者も選択することなく、その1社に決まってしまいます。
複数業者に依頼をすることで、良い不動産業者を選択することが可能になります。
十分に検討した結果、不動産業者が決定したら希望不動産業者と契約をします。
この契約とは、媒介契約を結ぶという意味です。
媒介契約には次の3つの契約方法があり、その中のいずれかを選択することになります。
①専属専任媒介契約
②専任媒介契約
③一般媒介契約
それぞれの媒介契約の相違点
・複数の不動産業者に同時に媒介契約を依頼することに対する可否
・売主さんが自分で買主さんを見つけることに対する可否
・契約期間に対する有無及びその期間
・レインズへの登録義務に対する有無
・販売状況の報告義務に対する有無
相違点はいろいろありますが、大きな違いは、不動産業者との複数契約ができるかどうか、また売却活動を売主さんが出来るかどうかということです。
見る限り、不動産業者との複数契約が可能な「一般媒介契約」がいちばん早いように思えますが、そうとは限りません。
なぜなら、一般媒介契約は、競合になりますので、仮に他社が買主さんを見つけた場合は、自社の売上にはなりません。
そのため売却活動を積極的に取り組まない可能性があるからです。
3つの媒介契約のメリット/デメリット、各相違点等を確認し、ご自身にあった契約方法をご選択ください。
「媒介契約について」詳しくはこちら 媒介契約のメリット/デメリット・比較などの参考にされてください。
販売価格(売買価格)の決定は、査定額をもとに売主さんの希望価格・相場・市場動向・売却時期などを考慮して決定します。
ポイントとして、売却までの期間に余裕がある場合は、最初の販売価格は、査定額より若干高めの価格に設定します。
なぜなら、通常、値引き交渉がおこなわれるからです。
数パーセント程度でいいと思います。
値引き交渉されることを想定し、若干高めに設定するということを忘れないようにしてください。
値引き交渉されても、希望価格になるような価格設定をすることが大切です。
売却までの期間はとても重要になってきます。
販売価格の値下げはあっても、値上げはありえません。
その点もふまえて販売価格を決めてください。
販売価格が決まったら、不動産売却活動が開始されます。
通常の売却活動6種類
1.不動産業者のホームページに掲載
不動産業者(自社)のホームページに売却物件を掲載します。
2.不動産ポータルサイトに掲載
代表的な不動産ポータルサイト3種類(サイト名でリンクします)
「HOME’S(ホームズ)」
特徴:物件数不動産ポータルサイトNo1
「SUUMO(スーモ)」
特徴:メディア戦略が上手い(リクルート社運営)
「アットホーム」
特徴:業者間の流通に強い。ポータルサイトとしての歴史が古い
各不動産業者がポータルサイトに物件情報を掲載することで、購入予定者を含む大勢の人が物件を
閲覧できるようになります。
物件に興味がある人の問合せは、ポータルサイトを介して掲載している不動産業者に入ります。
3.レインズへの登録
売却物件をレインズに登録すると、全国から閲覧できるようになるため、物件を探しているお客様(全国)へ紹介することが可能になります。
「レインズ」について詳しくはこちら
ただし、あえてレインズへ登録せず、物件の囲い込みをして自社のみで売買を成立しようとする悪徳な業者もいますので注意が必要です。
「物件の囲い込み」についてはこちら
4.不動産情報誌に掲載
5.地元の新聞の広告に掲載、チラシ配布
6.登録顧客への紹介
などがありますが、主に1〜3のインターネット上での広告(掲載)がメインとなります。
それらの広告に反応があり、購入希望者が現れたら、物件の紹介をおこないます。
その時、内見対応(家の中を購入希望者に見せる)も必要となります。
購入希望者にとって、外観を確認することも大事ですが、内観がどうなっているのか、自分(購入希望者)の希望の間取りになっているか、古くないか、リフォームにどのくらいお金がかかるか、そのようなところをチェックするために内見は必ず入ると思います。
この内見の時に、値引き交渉のネタにされないように注意してください。
汚い、古いなどの印象をもたれると、「もっと安くしてください」となります。
特に水回り(キッチン、トイレ、お風呂、洗面所など)は、いちばん古さ(汚さ)が見えてしまいますので、きれいに掃除をして清潔にしておくことが大切です。
物件購入が決定したら、購入希望者と交渉がはじまります。
交渉(調整する条件)には次のような内容があります。
調整する条件の一例
■売買価格
■手付金の額
■引き渡しの時期
■瑕疵担保責任の期限
■土地の実測を行うか否か
■土地の実測を行う場合は、実際の面積に応じた売買代金の概算を行うか否か
■建物や設備の補修を行うか否か
■古家がある場合は撤去するか否か
■公租公課(固定資産税や都市計画税)などの精算方法や金額
※それぞれを調整するだけではなく、複数の条件を合わせて調整することもあります。
出典:公益社団法人 全日本不動産協会
交渉については、購入希望者の要求や不動産業者の提案をそのまま受け入れないように注意してください。
ご自身で納得できるまで、しっかり確認することが大切です。
購入希望者との交渉がまとまったら、売買契約を結びます。
不動産業者が「売買契約書」を作成します。
売買契約書の契約内容をしっかり確認した上で署名捺印します。
署名捺印後、買主さんより手付金(物件価格の10~20%程度)を受け取ります。
買主となる人は、ほとんどが住宅ローンを利用されます。
なかには、住宅ローンの審査に通らない場合もあります。
審査結果がでるまでは、安心しないでください。
この辺は不動産業者が進行してくれますが、くれぐれも売買契約を結ぶ際は、しっかりと契約内容を確認してください。
物件の引き渡しは、売買契約書に記載された物件の状態、時期などに沿って、不動産業者立ち合いのもとで行われます。
売買契約書を取り交わし、カギの引渡しなどがあります。
売買契約書の内容に反する場合、違約金などを要求される場合がありますので、物件の引き渡しが完了するまでは十分注意してください。
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