「仲介手数料無料!」の不動産業者ってなぜ無料にできるの!?

更新日2020-07-11 (土) 23:41:31 公開日2019年3月11日

①仲介手数料無料

テレビやインターネットなどで、「仲介手数料半額!」「仲介手数料無料!などの不動産業者の広告を見られたことがあると思います。

これらの広告を見て、どのように感じますか?
「怪しい・・・違う項目で請求されるのでは?」などの疑問もあるのではないでしょうか。

✿不動産仲介手数料とは
住宅の売買や賃貸借の取引の際、売主と買主の間に入り、意見の調整や契約事務などを行う不動産業者(仲介業者)に支払う手数料のことを言います。

④仲介手数料

仲介手数料は法律(宅地建物取引業法)で上限金額を決められています。
しかし、決まっているのは上限金額だけなので、不動産業者が仲介手数料を半額や無料にすることは法的には問題ありません

ただ、不動産業者において、仲介手数料というのは大変貴重な収入源です。
不動産業者が仲介手数料を得ることがなければ、収入はほぼありません。

不動産の取り引きでは、大きなお金が動きます。
売買価格が高ければ高い程、仲介手数料も多額になります。
<仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税>

⑥仲介手数料

その仲介手数料を「半額」または「無料」にしてしまうというのは、いったいどういうことなのでしょうか!?

ここでは、その謎についてご案内したいと思います。

🏠不動産業者の本音

②集客

このような広告をだしている不動産業者の本音(目的)は「集客」です。
集客力があまりない不動産業者が、何とかお客様を獲得するために考えた対策と言えます。

なぜ集客力がないのか・・・
現在、お客様が、どうしても大手不動産業者に集まるようになってきています。
そのため、普通の小中不動産業者は、新規顧客の獲得がとても難しい状況なのです。
不動産業者の生命線である仲介手数料を「無料・半額」にしてまで、お客様を獲得しようとしているのです。

🏠なぜ仲介手数料を半額や無料にできるのか

先ほどお伝えしたように、不動産業者の収入源は仲介手数料となりますので、どう考えても完全無料では不動産業者の事業は成りたちません。

それでは、なぜ、「半額・無料」が可能になるのか・・・。
代表的なものとして、「両手取引」と「片手取引」によるしくみを例してご案内します。

片手取引 両手取引

▶両手取引

✿両手取引とは
ひとつの物件の売買が行われる時に、不動産業者が売主と買主両方の仲介を行うことを言います。

売主、買主それぞれから依頼を受け、契約が成立となった時には、売主・買主の両方から仲介手数料を受け取ることが可能です。

両方から仲介手数料を受け取ることができるため、どちらかは無料にすることが可能になるわけです。
これが仲介手数料「無料」のしくみです。

▶片手取引

✿片手取引とは
ひとつの物件の売買が行われる時に売主と買主でそれぞれ別の不動産業者が仲介を行うことを言います。

買主から依頼を受けます。
売主は他社不動産業者に依頼します

片手取引の場合、買主からのみ仲介手数料を受け取ることになります。
(他社不動産業者は売主から受け取ります)

両手取引のように無料にしてしまえば、不動産業者の事業は成りたちません。
結果、半額となるわけです。

これが仲介手数料「半額」のしくみです。

🏠不動産を購入する人にとってどちらが得なのか

不動産の購入を検討している方にとって、仲介手数料の「半額・無料」VS「正当」は、どちらが良いのでしょうか。

▶仲介手数料が「半額・無料」の不動産業者

③無料半額

特徴:良い人材はあまり期待できない。
結果:トラブルが多い場合がある。

不動産業者の営業マンは、歩合で給料をもらっていることが一般的です。
そのため、優秀な人材は、優秀だからこそ、仲介手数料を正当に取れる不動産業者に集まってきます。
結果として、良い人材を期待は少なく、それが原因でトラブルとなり、余分な費用が発生する可能性もないとは言えません。

しかし、仲介手数料「半額・無料」の不動産業者が、必ずしも信用できないという話ではありません。
中には、店舗数を少なくしたり、人員コストの削減をしたり、そのような最大の企業努力により、実現している不動産業者もあります。

▶仲介手数料が「正当」な不動産業者

特徴:良い会社、良い人材が多い可能性が高い。
結果:得をする部分が多い。

仲介手数料はきちんと請求しますが、優秀な人材がいますので、不動産売買の流れの中で、迅速な活動や報告はもちろん、お客様の相談にもしっかり応じてくれますし、交渉等の成功率も高くなります。
結果として、良い不動産の取り引きが可能になると言えます。

気持ちの良い不動産取引きのためには、仲介手数料は必要になりますが、、優秀な不動産業者(優秀な人材がいる)に依頼する方が良いと思います。

🏠値引きしないで頑張っている中小不動産業者もいます。

大手の不動産業者にお客様が集まることで、小中不動産が、仲介手数料を「半額・無料」にするという話をしてきましたが、そのような対策をとる小中不動産業者が増えている中で、同じ規模の不動産業者でも、値引きを行わず営業しているところはたくさんあります。

たとえば、地域に密着していて、地域の不動産であれば「あそこの不動産屋に聞いてみよう!」となるシステムを作っている業者です。

また、優秀な営業マンをかかえていて、その営業マンが応対したお客様から紹介をもらって新規顧客を獲得しているというような業者もあります。

このように、努力することで、正当に仲介手数料を得ている不動産業者もたくさんあります。

🏠仲介手数料の値引き交渉

④値下げ

「半額・無料」以外にも、仲介手数料の値引き(値下げ)交渉をされる方もいらっしゃると思います。
目先で考えれば、安ければ安いほど良いと言うのは当然のことです。

しかし、値引交渉は、あまりおすすめしません。
手数料の値引きより不動産の売買が上手くいく方が重要だからです。
値引き交渉をすることで、営業マンのモチベーションが下がる可能性がないとは言えません。

確かに、不動産の仲介手数料は高いです。
しかし、たとえば、買主側の不動産業者の仲介手数料場合
物件案内(内見)・売買契約書作成・契約手続き・重要事項説明書の作成及び説明・不動産調査・住宅ローン手続き・決済立会など
他にも多くの職務が含まれており、かなりハードな業務です。
これらの業務に対し、一生懸命行うか、手抜きをしてしまうか・・・
という事にもなり兼ねません。

「仲介手数料を安くしてもらうOR良い不動産売買」どちらを優先するかということになります。

🏠営業マンとの出会いが重要

仲介手数料「半額・無料」と言うのは、不動産の売買を検討している人にとっては、確かに魅力のひとつです。

しかし、本当にご自身にとって、メリットがあるとは限りません。
仲介手数料以外の話も、しっかりと聞いて、確認されることが重要です。

④営業マンx

最終的に、不動産取引を成功させるために大切なことは、信頼できる営業マンと出会うことです。
とは言っても、どんな人が信頼できる営業マンなのか、見極めることは難しいのかもしれません。

お客様ご自身で営業マンを判断していただくポイントとしては

①身だしなみ
清潔感がない人が、優秀な営業マンである可能性は低いです。

②言葉遣い、電話対応
これも大きな判断基準になると思います

③表情
お客様と話している時の表情だけではなく、ふとした時の表情を確認してください。
お客様の前ではニッコリしていても、たとえば別れ際の表情がとても冷たい印象の営業マンもいます。
そのような営業マンは信用できない可能性が高いです。

④知識
知識は豊富であることに越したことはありません。知識により、不動産売買におけるいろいろな知恵もでてきます。
また、仮に知識があまりなくても、それをカバーできる営業マンもいます。
今はインターネットも普及していますので、その営業マンが仮に知らないことがあったとしても調べればわかることがほとんどです。
そういった行動が迅速にできる営業マンであれば、問題ないのではないかと思います。

心から信頼できる営業マンと出会っていただいて、気持ちのいい不動産取引、そしてお得な不動産取引きをしていただけたらと思います。

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