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性格の不一致、価値観の不一致による夫婦の離婚について

更新日2020-07-11 (土) 21:57:48 公開日2020年2月1日

なぜ離婚したいのか...
その正当な理由がなければ離婚することは簡単ではありません。
正当な理由って何?
正当な理由がない時はどうすればいい!?

性格の不一致


夫婦が離婚する理由は人それぞれ、実にさまざまです。
一度は「将来を誓いあった夫婦なのに、なぜ?」と思うほど悲しい離婚理由ばかりなのです。

例えば、時代は変われど毎回その理由の上位に登場する異性関係であったり、性的不調和だったり、精神的な虐待だったり。
ただ、毎回統計を取ると必ずダントツの一位となる理由に「性格の不一致」があります。

この性格の不一致、夫・妻ともに離婚理由のダントツ1位なのです。

YUIKAは離婚を推奨するのではありません。
この記事を読んでいただいて、もし離婚を考え直してくれる人がいたら、なんて素晴らしいことだろうと思っています。
離婚が少なくなることを願いながら「どうしても修復できない」「夫婦関係をやり直せない」といった性格や価値観の不一致を理由とする離婚の仕方について解説してみたいと思います。

★目 次★【離婚の理由】性格の不一致、価値観の不一致による夫婦の離婚について


離婚に関する統計(離婚の理由)

厚生労働省の「平成30年(2018)人口動態統計の年間推移」によると、離婚件数は20万7,000組、離婚率は1.66%と言われています。
およそ3分に1組が離婚している計算ですが、この離婚時の常に離婚理由の一位に上がっているのが「性格の不一致」です。
実に全離婚者の中で男性では60%以上、女性の40%以上の人が、離婚理由にあげるそうです。

画像の説明

この離婚理由を見れば、結婚前にはわからなかったお互いの素が現れてきて、自身の考えや思いとかけ離れ、性格の不一致という使い勝手のいい言葉で表現されているのかもしれないと思うほどです。

最近多くなりつつある熟年離婚にも、この性格の不一致や価値観の不一致という理由が登場します。
長年連れ添った夫婦でさえ離婚する理由となるこれらの言葉。
実に便利な離婚理由となるものですが、この理由で離婚するのはなかなか難しいところがあります。

なぜなら、性格や価値観の不一致という理由は、相手が離婚に合意しにくいということがあるからです。
夫婦間の話し合いでは結論がでないことも多々あります。
それでも離婚したい場合は、家庭裁判所での離婚調停や離婚裁判まで持ち越されることも覚悟しなければならないでしょう。

理由無き離婚はできない?

理解不足な面がある「性格の不一致」や「価値観の不一致」という理由だけで離婚することは、はっきり言ってとても難しいと言えます。

当たり前ですが夫婦はもともと赤の他人です。そんな二人はそもそも性格が違います。
価値観についても、まったく一緒ということはごくわずかではないでしょうか。

独身時代の生活基盤が違う人同士が結婚し、その結果「結婚前はこんな性格じゃなかった、そんな考えをする人だなんて思いもしなかった」ということはごく頻繁に起こりえる事なのです。
ゆえに、これらの理由は決定的な離婚できる理由にはならないのです。

理由がない場合、離婚するのは難しいのですが、離婚できないわけではありません。
ただし、お互いが離婚することに合意する必要があります。
だからと言って、たとえば夫婦間で話し合いをするときに、唐突に「特に理由はないけど離婚したい」と切り出したとして、相手が応じるでしょうか? 
おそらく応じることはないでしょう。

こういうときは、離婚したいと考えるに至った具体的な「離婚原因」を提示する必要があります。
離婚理由を第三者でもわかるようにする必要があるということです。

離婚するには正当な理由(事由)が必要

「夫は別に浮気もしていない。暴力もふるわれていません。ただ性格が合わないので離婚したいです。」
このような理由で離婚の相談に来られる奥様が多くいらっしゃいます。

はっきり言いますが、このような漠然とした理由(自分だけの気持ち)だけでは離婚は難しいのです。
「離婚したい、自由になりたい」と考えるのであれば、しっかりした離婚の理由(事由)がなければいけません。

離婚ができる場合とは⁉

そもそも離婚できる場合とは、以下の2つです。

(1)離婚を夫婦双方が合意した場合……協議離婚や離婚調停
(2)裁判により法定離婚事由が認められる場合……裁判離婚

少々強引ですが、婚姻を契約として捉えればわかりやすいかもしれません。
(1)の場合
夫婦がお互いに離婚を認め、離婚に合意したときは、個人間の婚姻という契約が終了するため離婚が成立するということです。
この場合は、離婚協議書を公正証書で作成しておきましょう。離婚協議書とは離婚するときや離婚した後に慰謝料や財産分与、子供の親権・養育費についての約束事や離婚条件などをまとめた書面を言います。この書面を公証役場で公正証書として作成すれば証拠としての使い勝手があるのでいいでしょう。
(2)の場合
夫婦のどちらかが離婚に納得しない(合意しない)状況となると裁判という方法を採るしかなくなります。

こういう時のために、民法では「離婚ができる場合」というのが定められています。
❶浮気をしてしまった場合や不倫してしまった場合。
❷離婚訴訟で離婚が認められるためには完全に夫婦関係が破たんしているなど、修復不可能な場合。
以上の時に離婚ができるとされています。
この民法の考え方では、夫婦間の関係が完全に破壊されている時だけしか離婚できないということになっていますので、性格の不一致などの「結婚したら思ってた感じと違う」というような理由だけでは、基本的に簡単に離婚することはできないのです。

相手が離婚に合意しないけど、どうしても離婚したいという場合は「(2)裁判により法定離婚事由が認められる場合……裁判離婚」となりますので、裁判で認められる理由を考えなければいけないのです。

では、どんな理由が裁判で認められるのでしょうか。

裁判で離婚するための理由となるもの

裁判では以下の理由があれば離婚が認められやすくなっています。

(裁判上の離婚)
第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
① 配偶者に不貞な行為があったとき。
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
出典:民法

これを簡単に表現すると次のようになります。
①不貞行為 ②悪意の遺棄 ③3年以上の生死不明 ④回復の見込みのない強度の精神病 ⑤その他婚姻を継続し難い重大事由

1つずつ見てみましょう。

①不貞行為

浮気(不倫)というものです。
裁判では性交渉が必要と考えられています。
不貞行為は立証することが難しく、浮気相手と同棲していたり、子どもができたなどの直接的な証拠がない場合は、調査会社などに依頼して、ホテルなどに出入りしている写真などを証拠として押さえなければ浮気(不倫)を立証することは難しいと言えます。
また、不貞行為といえるためには、婚姻が破綻していないことが必要とされますので、相手が婚姻破綻後の不貞行為であると言ってくる可能性もあります。

「婚姻破綻」についてはの記事も参考にされてください。

対策

②悪意の遺棄

配偶者が明確な理由を持たず、夫婦の同居生活を拒否する、協力的ではない、夫婦両者が同等程度の生活をおくることができる生活費を渡してくれないなどの違反する行為を言います。
ちなみに、ここでいう「悪意」とは、一般的な用語としての悪意(誰かに対する害意)とは意味が異なります。
法律用語でいう「悪意」とは、多くの場合「ある事実について知っている」ことを言います。
これに対し「ある事実について知らない」ことは善意と言います。

「悪意の遺棄」についての詳細はの記事をご確認ください。

生活費

③3年以上の生死不明

一般的に7年以上生死不明であれば失踪宣告として死亡扱いにすることができます。
離婚についてはもっと早く3年になります。

④回復の見込みのない強度の精神病

回復の見込みのない状態とは
原則として、精神科医の判断によるところとなっています。
担当した精神科医によっても判断が異なるケースがあるため裁判では複数名の精神科医に鑑定をお願いすることもあります。
精神科医の判断をもとに、裁判官が離婚せざるを得ないほど回復の見込みのない状態にあるかについて結論を出します。
強度の精神病とは
夫婦生活に必要な協力や扶助といった義務が果たせない(言葉もままならず会話ができない、意思の疎通がまったくできない)といった状態をいいます。
病名(統合失調症、偏執病、躁うつ病)などが該当します。

⑤その他婚姻を継続し難い重大事由

ここからが、今回のテーマである離婚したい理由が「性格や価値観の不一致」だけという場合の離婚するための正当な理由の案内になります。

さて、ここからが今回のテーマである、離婚したいけど、しっかりした理由が無いときに注目すべき理由になります。

婚姻を継続し難い重大事由

婚姻を継続し難い重大事由 には次の事項があります。
・アルコールや薬物中毒者である
・DVやモラルハラスメントなどで、心身に苦痛を伴っている
・結婚相手が罪を犯し、不利益を被った
・過度な宗教活動が生活に支障をきたしている
・家出や長期の別居をした事実がある
・経済的な不信行為がある
・長期間に渡り理由もなくセックスレスが続いている
・性格の不一致が原因で別居が続いている
・配偶者の怠惰がひどく、まじめに働かないなど勤労意欲が皆無
・親族との不仲が続き、それを改善する姿勢が長期に渡りまったく見られない

この中で、配偶者に何も原因がなくても、離婚の理由として用いれるとしたら、「性格の不一致が原因で別居が続いている」なのです。
ゆえに、結論を言ってっしまうと、離婚を考えているのであれば、一刻も早く別居するしかないでしょう。
専門家としてアドバイスするなら、「どうしても離婚したいなら旦那さんと別居してください」と言うことになります。

性格の不一致で離婚を考えているなら、まず別居しよう!

別居

離婚を検討している奥様、あるいは離婚について考えなきゃいけなくなっているご主人様へ。
まずは、離婚をするにはどうしたらいいのかをご理解ください。

離婚という文字が頭を過り、どうしても離れないときに考えたい行動。それが別居です。

別居について次のような質問があります。
Q:「離婚したいのにわざわざ別居する必要がありますか?」
A:「性格の不一致、価値観の不一致など漠然とした理由のときは別居した方が良いです」

要は、別居という事実行動で自身の立場表明と意思表示を明確にすべきということです。
性格の不一致、価値観の不一致など漠然とした理由では離婚できる理由にならないのですから、その理由を作らなければいけないわけです。

別居の仕方

別居のメリットは何でしょうか。また家庭内別居はどうなのでしょうか。
他者の目、第三者がどう考えるかという点から考えてみましょう。

ただ別居しただけでは、離婚はできないと思ってください。
最終的には家庭裁判所に離婚訴訟を申し立てしなければいけません。
他人である裁判官がこの夫婦の夫婦生活・夫婦関係が完全に壊れているかどうかについて判断して、破綻している事実認定がなければ離婚はできないのです。

調停

裁判所でも勝手に離婚を認定することはありません。
裁判官という第三者の目からしても客観的に夫婦関係が破たん・修復不可能いう状況を確認できて初めて離婚が認められるのです。
単純に、別居もなく性格の不一致、考え方の不一致や仲が悪いというだけであれば裁判所も判断できません。
「今の状態は夫婦喧嘩の延長である。もう少し頑張っていれば修復できるのでは。ただの夫婦喧嘩の延長線上になるかもしれない。」といった考え方もできるわけです。

~ちょっと休憩~勝手に離婚届けを出されないために【離婚届不受理申出】
日本では、役所に離婚届さえ提出すれば離婚ができてしまいます。
自分が知らない間に、相手が勝手に離婚届を偽造し提出され離婚が成立してしまう場合がありますが、こちらの意思を無視した離婚届が提出されても、それは無効になります。
ただ、一旦役所に受理され、離婚が戸籍に記載されてしまうと、少々ややこしいやり取りがありとても面倒な状態になるのです。
よって、離婚が正式に決まり書面を取り交わすまで、または離婚に迷っている場合は、相手の勝手なる離婚届提出を防ぐ必要がでてきます。
勝手なる離婚届け提出防止のために、「離婚届不受理申出」を市区町村役場に提出しましょう。
離婚届不受理申出の提出により、役所は相手から離婚届の提出があっても、提出者の当該申し出の取り下げがあるまでは受理しませんので、一方的な離婚成立を防ぐことが出来ます。


夫婦関係と同居・別居

夫婦というのは同居義務というのがあります。
それにもかかわらず別居しているという客観的な事情があれば、裁判官もこれはもう夫婦としても完全に破壊していると判断しやすいのです。

実際に別居期間が長ければ長いほど裁判官が離婚を認めやすくなります。
こういうことを説明すれば、次のような質問を受けます。
Q:「何年間別居すれいいの?」
A:「少なくとも5年間ぐらいは別居期間があった方が裁判官の判定が付きやすいといえるでしょう。」
ただこの期間はあくまでも目安です。

※別居期間の目安
別居の期間について、ひとつの目安になるものが平成8年に示された法制審議会の「民法の一部を改正する法律案要綱」にあります。この中で「別居が5年以上継続している場合」が離婚原因にプラスされています。
それにより「5年別居が継続した状況なら、離婚を認めても構わないのでは?」というのが、実務上の考え方としてあるのです。しかし、この5年の別居期間は絶対的な基準ではなく、あくまで目安のひとつです。

ただ、離婚の判断基準として、別居期間以外にも同居期間との対比や、その他の事情も考慮される為、この期間を過信し別居しても、裁判で離婚判決が出るとは限らないのですが。

しかし、たとえば奥様が「しっかりした離婚理由が無いけどとにかく夫と離婚したい」と考えるときには、とりあえずお子さんを連れて別居したほうが良いと言えるのです。

別居のメリット

別居のメリットは、生活扶養者に生活費を渡してもらうように請求することができるということです。

夫婦はお互いに助け合う義務、そして養う義務が発生しています。
そして基本的には収入の多いほうが収入の少ない方に対して生活費を渡すというルールになっています。
この生活費を難しい言葉で「婚姻費用」といいますが、この費用の授受が後々大きな意味を持ってくるのです。

別居するという事実は、婚姻費用を正式に請求することができます。
具体的にいくらもらえるかとなると、それは旦那さんの収入、自分の収入、そしてお子さんが何人いるかによって変わってきます。

別居のデメリット

Q:「理由がない離婚でも財産分与を請求できますか?」
A:「理由がない離婚でも財産分与の請求は可能です。

ただし、別居によって財産分与の基準地が変わる可能性があるでしょう。

夫婦が離婚した時には、財産分与によって夫婦それぞれの財産を2分の1にするといった基本的な考え方や手続きがあります。
財産分与とは、夫婦が赤の他人になってお互いに助け合う義務がなくなった時点(離婚の時点)でお互いの財産をそれぞれ2分の1ずつにしましょうとなっているのです。

離婚時点より前に別居していて、その段階から夫婦の協力がお互いにできていないのであれば、財産分与の基準がこの地点になる可能性があります。
場合によっては離婚が成立したタイミングよりも、別居したタイミングの方が財産分与として金額が少なくなる可能性があります。

財産分与について揉める可能性は、価値観の違いなど理由無き離婚の場合には大いにあります。
こういう時は、離婚してほしい方がどうしても離婚をしてもらうために、財産分与を求めないなどの対応が必要になる可能性があることは認識しておきましょう。

「財産分与」についてはの記事も参考にされてください。

財産

上記以外のデメリットとして考えられるのは「逆に相手側から離婚を請求されてしまう」「相手が勝手に財産を処分する可能性がある」「離婚をやめたくなっても離婚を撤回できなくなる」ことなどが考えられます。

よって別居するときはくれぐれも、十二分に考えて、またきちんと二人で話し合いを持ったかを考えたうえで行動するようにしましょう。

なお離婚したいときに、家庭内別居も別居に該当する可能性がありますが、この関係は外からわかりずらく、裁判官も判断しづらくなります。
そういうことから、外に出て完全別居するよりも家庭内別居の方が認められにくいと思ってください。

真剣に離婚を考えている方は、実家に戻って生活をするとか、お金がかかりますが外に出てアパートを借り、夫婦別に住むことをおすすめます。

最後に

人間には、一人一人個性があります。趣味や好みも一人一人異なります。
自分とぴったり同じ趣味や価値観を持つ人と巡り合うことは難しいことです。
いくら仲のいい友人同士でも、ふとしたすれ違いや、ちょっとした意見のずれによって喧嘩に発展することは珍しくありません。

これは夫婦でも同じです。趣味や好物、価値観の違いによって夫婦喧嘩や離婚に発展するケースは少なくありません。
「本当に離婚したいのか、思い過ごしではないのか、解決はできないのか、隣の畑はよく見えるのか」など、ゆっくり真剣に新しい空気の中で考えられたら、もしかしたら離婚を避けられることも多くあるものです。

夫婦関係を見つめなおすためにも、一度、別居してみることが良いのではないでしょうか。
そうすることで、今までの離婚したいという気持ちが薄れ、離婚したいという理由がなくなってくるかもしれないのです。

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